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紋章、占い、旅立ち・・・迷子

どこを見ても同じような木、木、木、木

お花を摘みに行くといい少し森の中へと入った

この森の性質を事前にカイトから聞いていたスピカはシュナが見える範囲で、シュナからは陰になる処までしか森に入っていない


…はずなのに


「ここどこですか?」


ついさっきまで見えていたシュナの背中

そして自分の鞄はきれいさっぱり消えていた

立ち上がりあたりを見回すが、うっそうとした木々しか見えるものはなく出口もわからない状態だった

「何故。どうして…」

魔法を使われた気配は感じなかった

ただ、やけに冷たい風が吹いただけ。陽が昇り今の季節としては少し異様な冷たい風が


「おはようございま~す」

「ヒッ!」

どうしたものかと考え込んでいたスピカの背後から女性の声が聴こえた

少し甲高く、間延びした声がこの森の雰囲気に似つかわしくなく余計に驚いてしまった

「あらあら。そんなに驚かれなくてもよろしいのに…」


恐る恐る振り返るとそこには木の枝で作った人形がいた

人形というには少々お粗末なつくりで、二股に分かれた枝に棒をくくりつけただけの物

だが今までスピカの背後にはこのようなものはなかった

「…えっと、話しかけて下さったのは…これ?」

おそらく、というか十中八九この木の人形しかいないのだろうが、一応確認をしてみた


「はい、そうですよ~」

うふふと笑い声は聞こえるが、口はない

「別に口を使ってお話をしているわけではありませんのよ~。頭に直接話しかけさせていただいておりますから~」

どうやってしゃべっているのだろう。いうスピカの疑問は解消された

「あなたとゆっくりお話したい所なのですが~、時間が有りませんので早速ですがスピカさんにはお渡ししたいものがあります」

と、スピカの足元へトコトコと寄ってくる


 名前を名乗っていないはずなのに…


「はい、これです」

木の人形が差し出したのは、

「?何もありませんが?」

手と思われる枝の先には何もなく、少しコケの生えた樹皮があるだけ

「そうですか?よく目を凝らしてみてごらんなさいな?あなたにとって必要なものがあるんですよ~」

よく見ろ。といわれスピカはしゃがんで枝の先をみた


 魔力の塊……ですか?


「正解です!」


といったか言わないかの差で魔力の塊は消えてしまった

「?」

何が起こったのだろう?

「えっと、なくなってしまいましたが…」

「さて、お渡しするものはお渡ししましたので。わたくしはここで失礼いたしますね」

うふふ。という笑い声が消えた。と同時に木の人形がバラバラになり倒れてしまっていた


 プレゼントの内容はその内わかりますよ~風の勇者あなたにいい風が吹きますように~



「………」


呆然としていると辺りの雰囲気が変わり少し前まで自分がいた場所だとわかった

何が何やらわからなかったがどうやら森から抜けられそうだと、かすかに見える鞄に向かい足を進めた

思わぬ所で迷子になってしまったがこれから本格的な仲間探しがはじまる

気合を入れなおすため、スピカは連れの二人の名を大声で呼んだ









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