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紋章、占い、旅立ち・・・迷子

スピカとカイトの二人が地図を確認している間、シュナとケンは荷物の確認等をするといいゴソゴソしていた。


「じゃぁ、そろそろ行くけどシュナは大丈夫か?」

スピカとの打ち合わせも終わると同じに、シュナも終わったようだ。

「カイトさんスピカさん。シュナのこと宜しくお願いします。食料等は私のを渡していますので、大丈夫だとは思いますが…」

親のように心配事を言うケンに

「もう、大丈夫だから早く帰ったら?」

恥ずかしそうにケンの背中を押したシュナ。


「荷物を預けたってケンさんはどうやって?」

スピカの素朴な疑問にこの兄弟は

「「え?転移ですよ?」」

と、何でもないかのように答えた。

「あ、私もシュナも混血でして、多少“空”が使えるんですよ」

「僕は兄さんがいないと座標がずれるんで一人では使わないようにしています」

「は、はぁ…」

今まで勉強してきた事がこうも簡単に覆るとは思わず、呆気に取られたような返事をするしかなかった。


「では、遅くなると困りますしカイトさん達も早く出発するべきでしょう」

スピカの様子に苦笑いを浮かべていたケンだが、取り繕うようにいい少し下がった。

ケッツにかるく手を上げ挨拶を済ませると、スピカをカイトに深々と頭を下げた

そして


「“空”転移」


大きな魔力の波が押し寄せた、と感じた直ぐに波に乗るようにいなくなっていた。

「やっぱり便利だよな…。“空”の魔法は」

うらやましいとポツリ、カイトはつぶやいた。

「俺からすれば魔力持ちそのものがうらやましいけどね~。じゃ、俺も仕事にもどるとするわ。シュナ元気でやれよ」

ケンがいなくなったことに単を発し、ケッツはクソンの街に戻っていった。

スピカをカイトの二人にももちろん挨拶はかかさない。名刺と共に“かわいい子がいたら教えてくれ”と伝えるあたり抜け目はなかった。


朝早くに神殿を出たのに気が付けば陽は昇り、市場がにぎわう時間になっていた。

旅の道連れが増えたスピカは少し重たくなった荷物をからい直し、シェットに向け一歩を踏み出した。




クソンからシェットまで徒歩で3日ほど。

途中2ヶ所休憩小屋があり野宿はせずにすむ。

そこまで何事もなくたどり着ければ、だが。

「スピカさん。スピカさ~んどこに行かれたんですか~?」

クソンを出て3時間ほど行き、昼食を取ろうと街道から少し離れたところに腰を落ち着けた3人。

街道は右手に森。左手には30分ほど歩くと崖があり海が見える。

崖の方は風も強く危険ということで森の直ぐ横でとることにした。

「どこに行ったんだ?」

カイトがシュナのそばによりぼやいた。

二人ともここではぐれてはいけないと、広い範囲では探せないでいた。

「お花摘みですよね?」

「ん?ああそうだ…ってもしかして」

カイトの顔が青くなる

「森に入って行ってしまったんでしょうか?」

「ああ…それしか考えられない」

大きなため息をつき肩を落とした。


右手の森は名前を“ヴィータ”というが別名“迷いの森”とも言う

名前の通り森に入って1時間ほどで出られれば迷う事はないのだが、それ以上いると何故か方向感覚が狂ってしまい半日ほど出られなくなってしまうのだ。

精霊のいたずら。とも言われているが見えないので本当のところはわからない。

中に入るわけにもいかず、二人はここで待つことにした。

遅くとも今日の夕方には森の外に、恐らくここへ出てくる。

「ならここで野宿ですね。今日は満月なので夜道は歩けませんから」

そそくさと荷物を広げるシュナをカイトはたくましいと思った。




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