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紋章、占い、旅立ち・・・迷子

「…だったら早くおままごとに付き合っている暇はない!とおっしゃってください!」

チュニックの裾を握る手に力が入る

「私だって占いなんで信じていませんでした。むしろ知りもしませんでした。でも現実に私の腕には先月までなかったものが突然現れたんです。こんなもの気持ち悪いと思うじゃないですか。でも擦っても洗ってもないをしても消えないんですよ?どうしていいのかわからないじゃないですか。親に相談したら村を出て行けって言われるし、村の外に出たこともないのに一人で旅に出ろって言われるし。確かに、こんないれずみ?見せられたって占いと関係あって“希望の光”ですって言われたって大抵の人は信じませんし、私も未だに信じていませんわよ?あなたに言われなくてもわかっています。何もわからないからここへ来たましたの!」

グッと顔を上げ一気に捲し上げた。

目には少し涙がにじんでいた


「…なぁんだ。わかってたんだ」

ほんの少し呆けていたカイトだったが直ぐに戻った

「なら話は早いや。親父いつまで呆けているんだよ」

正気に戻れ、とエッジワースの背中を叩いた

その様子に今度はスピカが呆気に取られる番だった、と同時に恥ずかしくなった。



「す、すみませんでした」

勢いにまかせ色々失礼なことを言ってしまった…気がする正直覚えていなかった

「まぁ驚きはしましたが悪いの息子ですからね。もう少し言い方というものを考えてから言うべきでした」

横に座るカイトを見やり、少しため息をついた

「でも、こうでもしないとスピカの本心はわからなかっただろう?ただの巻き込まれた一人の女の子だったってわけだ」

「私は反対でしたけどね。人をだます様な事…」

エッジワースは席を立つと祭壇の方へ行ってしまった


スピカの態度に怒っていない事にほっとしていたのもつかの間、二人の会話に色々引っ掛かりを覚えたが先ほどの件があるため聞くに聞けずにいた

前に座るカイトも本を開き何かを探しているようで「帰る」とも言えず、俯いた状態で気恥ずかしさで一人もんもんとしていた


パタンとわざととも言えるほどの大きな音をたて本を閉じるカイト

その音に驚き顔を上げたスピカをじっと見ていた


「…何を考えていたのかはわかんないけど、別に取って食ったりしないし、魔法の修行もする。あんたは自分の置かれた状況をきっちりと把握した上で旅に出る。親父も俺も、もちろんお袋もその手伝いをする。これは変わらないぞ」


スピカの顔が情けない顔でもしていたのだろうか?

少し、申し訳なさそうに頭をかきつつカイトは言った

どこかやりすぎたと感じるところがあったのだろう


「えっと…あのぅ」

もしかして、と考えていた事はないわけではない。

担がれた?と先ほどのカイトとエッジワースの会話から思ってはいたがまさか…あの人のいいエッジワースさんがそんなことするわけない。少し意地の悪いカイトなら別だが…と頭の隅に追いやっていた


「…なんか親父がそんなことするわけない。俺ならば別だが…みたいな顔をしてるけど?」

慌てて首を横に振るスピカだが、顔に出やすいのは治らない

「ずぼしだな…」

ふふっと笑われてしまった


「っと言う事は私担がれたのですか?」

「そう。ごめんね」

心の篭っていない謝罪を受けたが、怒る気持はなかった

カイトに言われ今の自分の状況が整理出来たから

大陸奥にある小さな村の手紙があったとしても、それをまともに受け取る人間など少ないだろう。

たまたま交流があるクソンで神殿のエッジワースとも付き合いがあったから良かったのだ

もちろん彼の人となりも関係はあるのだろうが。

でなければスピカはこんなのんびりとした状態ではいられなかっただろうし、下手すれば二度と村には帰れない状態になっていたのかもしれない


ここで気がつけたのは良かった


そうスピカは感じていた



「ああ、そうです。スピカさん」

祭壇奥から戻ってきたエッジワースから驚く事を提案された

「今夜からここで下宿されませんか?その方が魔法の修行も早く済みますし、お宿代も馬鹿にはならないでしょう?」


こうして約2週間だがスピカの下宿がはじまった




ごめんなさい。

腱鞘炎もだいぶ落ち着き趣味の編み物も出来るまでに回復しました

ですので、執筆もゆっくりですが再開してゆきたいと思っています

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