OCEANBLUE 碧い海 ( 第八章 )
( 第八章 )
核廃棄物の最終処理の方法が見つかり民自党内の反対の声は無くなり国会での特別予算法案が可決され「ハイブリット・パワーステーション」「オーシャン・ブルー」計画がオールジャパンで進み始めた、六ヶ月後「ハイブリット・パワーステーション」のベースが完成した時、官房長官から総理が完成したベースを視察する日が決まったら同行するようにと片岡所長、横山の二人を指名してきた、二人は次世代都市研究所からヘリで向かう、大泉は首相官邸から同じくヘリで総理、官房長官、防衛大臣と向かう、「ハイブリット・パワーステーション」には海上自衛隊が警備のため常駐が決まっており、既に100人が警備に就いているので総理一行の警備は問題は無い、当日片岡と奈美は総理到着予定の三十分前に着く様にヘリで出発した。
「所長上空から「ハイブリット・パワーステーション」を見ると意外と小さいですね」
「そうだね二キロ四方だからね、でも着陸するとかなり大きいと感じるよ」
「所長自衛艦が泊まってますね」
「自衛官の宿舎が出来るまでは自衛艦を宿舎に使っているあの自衛艦は長さが200メーターあるんだ」
「え~そんなに大きい船なんですか?」
「あ~桟橋が300メーター有るから自衛艦も小さく感じるね」
ヘリポートに着陸すると自衛官が敬礼で迎えた
「所長着陸するとかなり大きいですね、それに全く揺れないですねとても海の上に居るとは思えません」
「よほどの事がない限り揺れないだろうね、最終的には海際があと十五メーター高くなる予定だ」
「どんな大きな台風が来ても安心ですね」
「それと完成後は船舶の緊急避難港にも使う予定になってる」
「そうなんですかそれは知りませんでした」
そこにヘリの音が近づき、総理一行が到着した、勇一郎が小さく手を振る
「総理お初にお目にかかります次世代都市研究所の片岡です」
「や~君が片岡君か実に素晴らしい施設を考えてくれて本当にありがとう」
「とんでもございません総理の決断が有ればこそこうして実現しました私の方こそお礼を申し上げます」
そこに防衛相が興奮状態で総理に声をかけて来た
「総理これは素晴らしいですね私が想像していた物と全然違いますこの施設が海に浮かんでいるとは信じられません、揺れは感じないし陸地に居ると錯覚します、総理この施設をもっと大きくすれば航空機の離着陸も可能ですね、総理この施設を利用すれば沖縄の普天間基地の移設問題が解決しますよ」
「防衛相それは私も考えたがこの施設で基地を造れば中国、韓国が大騒ぎするのが目に見えているだけに
実現は難しい」
「総理外国の態度を気にするより沖縄の人々の安全を守る事を優先するべきです、片岡所長この施設の倍の大きさの施設を沖縄に回送するのは可能ですか?」
「はい大臣なんの問題も有りません安全性耐久性も陸と同じです」
「総理、外務大臣と相談して閣議に掛けましょうよ!」
「分かった防衛相の言う通りに閣議に掛けてみよう」
その後閣議、沖縄、アメリカの承諾を受け基地の移転が海上に決まり片岡が作成した計画図通り着工される事になった、次世代都市研究所は汚染土の除去が終わった福島双葉町に新研究所を建設全員が福島県の新都市計画に当たる様になったただし奈美は結婚のため寿退社するもちろん相手は大泉勇太郎だ、将来の総理候補の呼び声が高い勇太郎だけに仲人は伊達総理が務める、式場は横浜の金沢八景教会、この教会は勇太郎の姉の智子もカトリック式結婚式を挙げている、どこまでも高く青い空どこまでも深く碧い海そんな秋の大安吉日二人は結婚式を挙げた。
( おわり )