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OCEANBLUE 碧い海  作者: 西光寺 龍
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OCEANBLUE 碧い海   第五章

 ( 第五章 )

 突然現れた伊達総理に一同は立ち上がり頭を下げた

「お邪魔するよ、どうぞ座って話を続けて下さい」

「総理おいでになるなら、お待ちしてから質疑を始めましたのに、今終わったばかりです」

「いや~官房長官、来る予定は無かったんだ、しかしこれからの日本の運命を左右する重大な懸案だから

気になつて来てしまった、それで結論は出たのかな?」

「最終的な結論は総理にご報告して、総理のご判断で決めて頂こうと考えていました」

「官房長官の考えはどうなの?」

「私は今回の計画は世界第六位の海洋国家日本ならではの画期的な考え方で日本の産業界の重要なエンジンになると思います総理私は大賛成です」

「官房長官、あなたの言う画期的な点を説明してほしい?」

「はい分かりました総理、私よりも片岡君に説明をしてもらいます、その方が正確ですから、片岡君お願いします」

「はいご説明いたします、何故海上を選んだかは、沖合いの海上は地震や津波の影響はほとんど受けません、どんな大地震が起こっても安全です、万一放射能漏れ等の事故が発生した時でも送電線を外し原発自身が陸地に放射能の影響が及ばないエリア迄移動ができます、もちろん自走です、この安全性が有れば原発に反対している人も少なくなる筈です、世界的には原発は嫌われ者ですが、新しいエネルギー源が見つかる迄は日本には原発は不可欠です、使う以上は安全を第一に考えると海上しか無いという結論です」

「なるほど地震国日本の究極の原発ですね、官房長官この計画は進めましょう、もちろん国の事業としてです私は閣議で閣僚の同意を取ります、官房長官は民自党内の根回しをお願いします、閣議決定するまでは極秘で行きます計画の名は「オーシャン・ブルー」と呼ぶ事にしましょう」

「オーシャン・ブルー碧い海ですか、なかなかいいネーミングですね総理」

 一週間後民自党本部で開かれた「オーシャン・ブルー」説明会に衆議員議員百名が参加した官房長官名の案内状だけに参加者も多いしかし参加者は説明会の内容は知らされていない、司会は勇太郎が行い本題の説明を片岡が原発関係の質問には奈美が答える、説明会が始まった。

「おはようございます大泉勇太郎でございます、本日は宜しくお願いいたします、これからお配りする説明書類は政府の極秘書類扱いですのでお帰りの際署名され返却をお願いいたします横山さん配布をお願いします」

 配布された書類を参加者全員が真剣に読んでいる、次々と驚きの声が上がる

「大泉君ここに記載されている計画は事実なの?」

「はい全て事実です」

「本当にこの計画が実現したら日本の救世主になるぞ!」

「ありがとうございますこの計画を実現するために先生方の賛同が必要なのです、それでは今回の計画に付いて説明させて頂きます、今日本の一番大きな問題はエネルギー問題です国際競争力を維持するにも産業を衰退させる訳には行きません、その産業を推進させるのは電気ですこれからの日本は大製造業も人材不足になりロボット化に進む事が十分予想されます、ロボット化には安価で安定した電力は絶対条件です現在の科学力では原子力以上の選択肢は見当たりません、将来はまた違ったシステムが見つかるかも知れませんがそれまでは原子力発電に頼るしかありません、国民の皆さんが心配する原発の安全性を確保するには活断層が無く地震、津波の心配無い所、そんな所は日本中探しても有りません、それでも原発の発電力がどうしても必要ならば活断層、地震、津波の心配の無い海の上に造るしか有りません!

 万一放射能もれ等の事故が起こっても、住民が避難する必要は有りません、原子力発電所自体が影響の及ばない安全圏に移動します、原子炉も安全性の高いスーパー軽水炉です、このスーパー軽水炉型原発は

小型ですが一基で既存の原発2~3基分の発電能力が有ります、以上が「オーシャン・ブルー」計画の概略です、何かご質問が有れば挙手をお願いします」

 数名の参加者が興奮した顔で手を挙げる

「大野先生どうぞ」

「その浮島の大きさはどの位ですか?」

「縦、横二キロの四キロ平方メートルです」

「随分大きいですね」

「浮島の中には使用済み核燃料の中間貯蔵施設、所員用の宿舎、ヘリポート、大型船が係留出来る桟橋なども作られます」

「海岸からどの位離れた場所に浮島を浮かせるのですか?」

「岸から十二海里(22、2キロ)以内で岸からは10キロは離す計画です」

「完成予定は決まっていますか?」

「2020年のオリンピックまでにはと考えております」

「以上ですありがとうございました」

 「では次の質問が有る方」

 元官僚の古参議員が手を挙げた

「古川先生どうぞ」

「この計画には前例もデーターも無いのにどうして安全と言えるのかね?」

「先生過去に世界中の大地震で超大型船の被害の報告をご存じですか?一件も無いはずです海の上が一番安全なのは過去のデーターが証明しています」

「建設費はどの位かかるのかね?」

「日本の将来が掛かった計画に予算を決めてはおかしいでしょう、いくら掛かろうと完成させるのが世界の中で日本が生き残れる道です」

「今有る原発はどうするのかね?」

「稼働から三十年以上たっている原発は廃炉にして施設も解体します、三十年未満の原発も廃炉にしますが発電施設は天然ガスの火力発電所として再発電させます、日本の国土の中には原発は稼働させないのが

福島の教訓です、日本の子供達の健康と安全を守るのは我々若者の責任です、日本の将来を決めるのも我々若者です、安心して子供を育てる事の出来る日本の未来を我々若者に決めさせて下さい」

「分かった年寄りは口を出さない、是非君たちで安全で世界に自慢出来る日本を目指してほしい」

「ありがとうございます古川先生全身全霊で頑張ります」

                            (つづく)





 

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