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電車内には向かないお話

みつどもえ

作者: 奏似
掲載日:2026/05/17

15本目

「95代目スケバン巡査、阿佐ヶ谷マキ!見付けた悪は許さない!」


「くっ、見つかったか!」


「アニキ、どうしましょう?」


「ふっ、大人しく観念することね」


「……もう捕まえたつもりか?余裕だな、だが!」


「なにか言い訳でも?」


「言い訳?ほら、俺たちは何も悪いことはしてないぜ?」


「さすがアニキ!」


「そんな訳!コンビニ前のたむろ、ゴミ撒き散らし、純然たる迷惑行為じゃない!」


「くくっ、よぉく見てみな。よぉく、な」


「まさかそんな……ここは、敷地外!?」


「そう……そしてここは、ウチの敷地だ!」


「なんですって!?」


「アニキ、そうだったんスか!?」


「安心しな。あとでちゃんと片付けるさ、お前がな」


「さすがアニキ!抜け目ない!」


「でも、自分ちだからって、なんでもしていい訳じゃ……」


「ゴミ屋敷だってのか?言っただろう?あとで片付けるって」


「そうだそうだ、アニキの言う通り!」


「くっ……」


「諦めないで、スケバン巡査!」


「あ、あなたは!」


「そう、私は52代目スケバン検事、市ヶ谷トキ!」


「なんだと!?」


「加勢するわ、マキ!」


「ありがとう、トキ!でも……」


「そうね、自分の家の玄関先をちょっと散らかしただけでは罪には問えない。だから連れてきたの、強力な助っ人を!」


「アニキ、あの人役に立ってないっスよね?」


「し、黙ってろ!油断したら危険が危ない!」


「さすがアニキ!」


「88代目スケバン議員、保土ヶ谷タキ!罪に問えないというなら、私が問えるようにしてあげる!さぁ、3人で力を合わせて戦うのよ!」


「それは権力の横暴すぎるだろ!」


「あなたが法の穴をつくのが悪い!」


「そうだそうだ!」


「そうっスよアニキ!」


「お前どっちの味方だ!」


「それっぽい方の味方っス!向こうの方が数が多いし!」


「あとで唐揚げ奢ってやるから!」


「アニキ、一生ついて行くっス!」


「……さぁ、茶番は終わったかしら?」


「お前らよりは茶番じゃねぇよ。ちゃんと三権分立しろよ」


「そんな正論ごときに私たちの絆は引き裂けない!」


「なんか初対面っぽくなかったかさっき」


「絆の深さは時間じゃない!」


「あーあーはいはい、絆ね。どれだけのもんか確かめてやろうじゃねえか」


「試す?面白いじゃない、何かしら?」


「結局、誰が一番強いんだ?」


「わたしわたし!」


「え?」


「え?」


「だって逮捕権持ってるし!」


「そんなの、私が立件取り下げたら無意味じゃない!」


「それをいうなら!」


「だったら!」


「喧々!」


「諤々!」


「………!」


「さ、今のうちに逃げるぞ!」


「はいアニキ、さすがっス!でも」


「でも?」


「仲間割れさせてるうちに誰か味方につければよかったんじゃ?」


「やかましい!あんなん関わった時点で負けだわ!」


「自分ちの敷地にゴミ撒いて挑発しといて逃げれるアニキ、さすがっス!」


「……お前、実は俺の事バカにしてるだろ!」


「もちろんっス!さすがっス!」


「ざけんな!もうお前なんて知らねぇ!」


「……アニキ健忘症?」


「ほんとふざけんなよお前……」

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