ユキちゃん幼稚園児に変身
こんな感じで、楽しい時間を過ごしているシンヤとユキだった。
すると、ユキが突然言った。
「そうだ、幼稚園児に変身しちゃおう」
「こんにちは、シンヤおにいちゃん」
ユキが、まるで幼稚園児のような声色で挨拶する。
「すごい、その声どこから出てくるんだ?」
シンヤが驚きの声を上げる。
「当然、私の口からよ。驚いた?」
ユキの声色が元に戻った。
「よく、そんな声出せるなあ」
シンヤが感心する。
「それじゃあ、しばらく、この小さな女の子の声でしゃべるよ」
「そうだかくれんぼしよう、わたしがおにで、シンヤおにいちゃんがかくれるの」
また、ユキは幼い声色になった。
シンヤは、そのユキの幼い声色の声を聴いていると、萌えてきてしまった。
なんとか、ユキにばれないようにしなければと、心配している。
そうこうしているうちに、ユキがしゃべる。
「ひゃく、かぞえるよ。わたしかぞえるのはやいよ」
シンヤも考える。
(百ならかなり時間がある、しかしユキさんの家の中を勝手に動いてもいいものか)
そして、ユキが数え始める。
「いち、に、さん、し、るるるるるるる……、ひゃく」
何と、ユキは、巻き舌で数をかぞえるのをごまかしてしまった。
「シンヤおにいちゃん、みつけた」
シンヤは、ユキにあっという間に見つかってしまった。
「見つかっちゃたか」
シンヤは、残念と、驚きを感じた。
幼稚園児のような、声色で巻き舌をしてしまう、ユキの器用さにさらに萌えてしまったのだ。
幼稚園児なのは、声だけってわかっているけど、いつもとは違うドキドキを感じてしまった。
「ユキちゃんは、器用だなあ」
と、シンヤは言った。
すると、ユキの声色が元に戻って、
「ユキちゃんかあ、ちゃん付けで呼んでくれた、私の声変えるのがよかったからかな」
シンヤは何も言えなかった。
そんな感じで、シンヤの初めてのユキの部屋への訪問は終わるのだった。