フラフープを始める
今日は、シンヤはユキに合うために人気の少ない空き教室に向かって行った。
どんなお口遊びをするのかと楽しみにしていた。
シンヤが、空き教室のドアを開けるとそこにユキがいた。
そのユキを見ると、何やら腰を振っている。
さらに、その腰のあたりで、大きな輪を回しているのが見えた。
「なにしている、ユキさん?」
シンヤが尋ねた。
「フラフープをやってるんだよ、楽しいよ」
ユキが答えた。
シンヤが続けて言った。
「フラフープって、あれいつものお口遊びはどうしたんだ?」
「お口遊びは、休憩かな? 新しくフラフープ始めたんだ」
ユキは、そう言って、フープを回すのを止めた。
そこで、ユキは、近くに置いてあった、もう一つのフラフープをシンヤに渡した。
「まずは、フラフープもお口遊びと同じように練習だよ」
シンヤは、フープをまたいで、腰の横にフープをセットした。
そして回してみた。
しかし、フープは数秒で、床に落ちてしまった。
「難しい」
シンヤがつぶやいた。
「まずは腰の使い方を覚えよう」
ユキは、また自分のフープを腰にセットして回し始めた。
シンヤは、ユキの腰のあたりの動きを観察した。
シンヤも、ユキの腰の動きをまねして、回してみるがまだフープは、すぐに落ちてしまう。
「少しずつできるようになるよ」
ユキはシンヤを励ました。
ユキはフープを腰で回している、1分くらい続いているだろうか。
そんなときユキは、腰を動かしてフープを回しながらいつものように「ぶーーーーーー……」と口でおならのまねをした。
そして、シンヤに言った。
「どう、萌える?」
シンヤは、そこそこ強い混乱状態になった。
ユキの腰の動きがなんかいいなあと思っているところに、くちびるが振動したから、シンヤは、萌えてしまった。
それをユキに見抜かれた可能性が高いと、シンヤは思った。
シンヤがもう一度ユキの方を見るとユキは笑って言った。
「楽しんでくれて、よかった」
こうして、二人は、フラフープを回して遊んだのだった。
「いい運動になったね、ぶぶぶぶぶぶ……」
ユキがくちびるをブルブルさせて言った。
「今日もよかったよ、ぶぶぶぶぶぶ……」
シンヤも、いつの間にか、くちびるブルブルができるようになっていた。
これもひそかな練習の成果だった。
「お口遊びが一段落したら、次はフラフープか……」
シンヤは、これからもこの楽しい時間が続けばいいなと思った。
「今日は、校門まで一緒に行きましょう」
ユキがそう言ってシンヤと一緒に、歩き出した。