おじいちゃんのくつ
きょうも、あしたも、あさっても。
ずっとずっと、おれははかれるんだ。
くさいあしのじいさんが、おれのもちぬし。
やれ、ゲートボールだの、カラオケだの、おおいそがし。
そのたびにおれも、すりへっていく。
でも、じいさんのあしには、たこひとつ、できたことがない。
おれのおかげさ。
あるあさ、じいさんがめずらしくでかけなかった。
つぎのひも、そのつぎのひも、でかけなかった。
あのくさい、あしのにおいを、かがないですむんだ。
せいせいする。
でも、いっしゅうかん、いっかげつとたつうちに、だんだんふあんになってきた。
どうしたんだろう、じいさん。
もう、あしがくさいなんていわないから。
たこができないように、ちゃんとまもるから。
……そしてさらにひがたった。
じいさんとまたあえた。
じいさん、とっくにあるけなくなってたんだな。
てんごくにさきにいっちゃってた。
おれも、じいさんといっしょにいくから、まってろよ。
てんごくについたら、こんどはふたりであるこうな。
となりどおし、かたをならべて。
やくそくだからな!