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あい/抵抗  作者: 十矢
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アオイとの出逢い

 朝から寝起きは悪く、アラームをかけてあってもぼんやりとしか、覚えていない。

 それでも、朝起き上がると、自然と習慣づいた行動するから、不思議だ。


 けれど、シャワーだけは、入るときと入らないときがある。


 たぶん、頭をすっきりさせたいとか、昨日の汗の匂いとか、そんなのが要因なのかもしれない。


「あれ」


 なんか、クラクラする。

 低血圧とかかな。

 机にだして置いてあったペットボトルを一口飲む。

 中身は、紅茶のときと自然水のときとがある。


 あまり食欲がないまま、朝食をとり、

 トイレや洗面とこなしていくと、鏡には、少し青っぽい顔が映る。


「顔色ヤバ」


 着替えをして、一応薬を財布にポンと収めて、駅まで向かう。

 電車でうまくイスに座ると、ため息をつく。


「はぁぁ」


 次つぎに、電車のなかは埋まり、少し窮屈(きゅうくつ)になって、出発する。


 "電車混んでる

 てか、なんかクラクラする


 リリスタに投稿しておく。

 イヤホンで、音楽を聴く気にも、外の景色がみられるわけでもなく、スマホを抱えてうつむく。


 電車で乗り換えしつつ一時間と、バスか歩きでの通学時間、いつもなら眠いなかもリリスタをずっとみたり、ニュースをチェックするのに、いまはそんな気分でない。


 何度か振動するスマホ。


 乗り換えと、今回はバスを使い、ようやく講義の席についたときには、頭はすっきりではなく、むしろ悪化していた。


「これ、講義内容入るかな」


 隣で、ひとつ席を離したところに座っているよく見る顔の女の子が、こちらを見るなり声をかけてきた。


「ねぇ、具合悪いん?」

「うん。死んでる」


 それだけかと思ったら


「ねぇ、お昼食べられる?」


 わたしは、正直お腹のすきは、頭になかったため、曖昧に答える。


「うん。食べられるかな、わかんない」


 少しのあとで、なにか紙を破る、ピリッという音が聞こえた。

 スッと隣の席に置かれたのは、隣の子のラルルンのアカウントだった。


「あ、うん。ありがとう」



 結局、二つの講義はほとんど寝る時間につかい、

 残りひとつは、一応真面目に受けた。


 学食で、あまり食べる気力がわかないなか、自販機でブラックコーヒーだけ、購入して、空いていた窓ぎわの席につく。


「そういえば、はじめの講義で、なにか渡されたな」


 ポケットにしまってあったそれをだして、頭で考えずに、それを登録する。


 登録名、アオイ


 "登録したよん

 いま学食

 てか、アイコンかわよき



 少しボーッとして、窓の外をみていると、

 向かいの空いてる席に、ひとが座った。


「あ、あのさ、ひとが来るから」


 と言いかけると、登録名、アオイさんだった。

 手には、袋を持ち、もう片方でパックのゼリー飲料を二つ持っている。


「登録センキュ!」


 "登録ありがとうございます


 言葉と、メッセージが一緒にきた。


「はい、貴方の分ね」



 机を挟んで向かい、笑顔でゼリーを差し出された。


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