第9-7-1回「森での偵察」
・戦闘パートになります。
長いので、3つに分けて投稿させていただきます。
空高く、白い光が燦々と、頭の先をじゅっと照らし続けている。
仮眠を取りながらの見張り、それから、食事と軽い睡眠を済ませた俺は、モーリーさんの推薦を受けて、砦近くの森『ホーホック』へと、足を進めていた。
オッドマン副部隊長の要請で、モーリーさんを筆頭に、俺と2人の計4人でこれから始めようという、敵陣営に対する偵察。
見張り台から森までは、かなり遠くあるように見える。
歩いていったら、結構掛かるだろうな。
と、思っていたのだが、いざ実際に付き添って歩いてみると、想定していたより森の始まりは、近かった。
疎らに見えていた低木が、少しずつ少しずつ高くなっていく。
もう目の前には、深々と、冷えた風をまとった木々が鬱蒼と広がっていき始めていた。
「お、俺・・・・・・もう帰りたいよ」
ふと後ろの方から、同行してくれている仲間である、ターマの弱気な声が聞こえてくる。
「なんだ、受けたのは自分の意思だろ。嫌ならなぜ受けた」
弱気な彼の姿に、ジロリと刺すような視線を向けながら、少しトゲトゲとした物言いをするモーリーさん。
「そ、そうだけど・・・・・・」
「つ、追加で報酬を出すって聞いたもんだから、一応は受けたんだろ?な、止めようや、これから入ろうって時に、そんな事言うのは・・・・・・」
言葉に詰まる彼を庇うように、そのペアとして同行してくれている口髭の男、ワドハンが引き攣った笑顔を浮かべながら、話しかけている。
この2人はダンフォード商会から、自分達と同じように、防衛の仕事を与えられているようで、どうやら臨時の手当が出る、という話でこの役目を引き受けてくれたようだ。
「しっかり考えてから、答えは出すんだな。目先の事ばかり考えて動くから、こうなるんだ」
吐き捨てるようにそう言いながら、彼はまた、前を見据え直して足を進めていく。
「す、すいません、来ていただいたのに。モーリーさんも、悪意を込めて、あんな事を言ったつもりじゃないんです」
「は、はは・・・・・・。大丈夫ですよ、彼の言い分は、もっともですし・・・・・・」
彼の姿が少し離れたところで、あまり落ち込まないように、と思いながら2人に声をかけてみる。
ワドハンさんは、引き攣った笑みのままではあるが、少しだけ明るさを取り戻して、返事をしてくれた。
「何してるんだ。早く来い」
「す、すいません」
険しい表情で、今にも怒りだしそうな調子で俺達を呼んでいる。
これ以上迷惑をかけてはいけない、と頭を下げながらスタタと、彼の側まで駆けていった。
-続-




