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9 初!指名依頼を終えて〜 途中から別視点

 せっかくなので、深夜(早朝⁉︎)キッチンをお借りして、オーク肉のシチューや一角兎の唐揚げなどのお惣菜数点と、ジャムを使ったクッキーなどのお菓子数点を作らせてもらって、旅の食糧の補填をさせてもらいました。皆さんが起き出すまでに綺麗に戻しておくつもりで作っていたのですが、思ったより早く料理長が来てしまい、時間を確認すると、まだ大丈夫との事。そう言えば昨夜出したオーク肉が好評でしたね。料理長は解体のスキルを持っているそうなので、インベントリからオークを取り出してお礼に渡しておきました。傷の無い毛皮に驚かれましたが、所詮、オークですからね。防具には使えても…あ、リュックなどに加工するには丈夫で良いのでしょうが、おしゃれでは無いですね。でも、食材の買い出しとかに使うなら、丈夫な事も大切ですよね。まぁ、良い様に使って頂く。という事で一頭丸っと丸投げして、お礼とさせて頂きましょう。


 クッキーにハーブを使って甘くなり過ぎない無い工夫をしたり、飲み物に生姜を入れたりと、私の作る物に料理長が興味を持っていろいろ聞いて来まして、仲良く意見交換をしていると、『あの厳つい料理長が…』なんて声も聞こえましたが、それよりも、『孫には優しいお祖父ちゃんに見える⁉︎』と言う声の方が大きく、何故かニヤける料理長に執事さんが絡んで来る⁉︎一幕もあって、楽しい朝を過ごして出立させて頂き、サルカンドへの帰途に着きました。


 レインボーの皆さんとの約束も有り、山中の獣道⁉︎を辿って魔獣を狩りながら進んで行くと、綺麗な草原を従えた小高い丘に出ました。懐かしい光景に石を探すと、10年前に捧げた花に囲まれる様に、記憶通りの場所に在りました。私が跪いて祈って居ると、察した兄様が側に来て『此処がそうかい⁉︎』と声を掛けてきました。私が頷くと、『サイトバルと言います。ミスティーヌの、ミストの兄をさせてもらってます。』と語り掛けてくれました。


 私の両親を殺した伯父がその後どうなったか、私は調べませんでした。多分、良い人生は歩めていないと思って、否、願っているから知りたく無いのです。でも、今回騒ぎを起こした街長が居る街の通りにガランとした物件が有った事に気付きました。10年前に支店があったと記憶している場所です。しかも、表通りに実家の名前で繁盛店があって、知らない人が仕切っていたのを確認しました。そしてその店に伯父の姿は見つかりませんでした。祖父は遣り手でしたが仕事に関してはキツイ処がありました。店の前を通っただけでなんの話しも聞いてませんが、きっとそう言う事だと思います。


 両親の墓の前で跪いてそんな事を思っていると、レインボーの皆さんがそろそろ行こうか?と声を掛けてきました。皆さん、ゆっくり休めたそうです。さて、次は何を採取しようかな?


 稀少価値の有る薬草や高価買取品の木の実などの採取もしながら、価値の高い魔獣を探しつつサルカンドに帰って来ました。そんなに寄り道した訳では無いのですが、3週間近く離れていたので、ラキアさんに捕まり泣かれてしまいました。後ろからソルトンさんが『俺達が付いていたんだから大丈夫だったぜ。』と言ってますが聞こえてないみたいですね。


 リストランテで依頼を受けずに来たので、受付には寄らずに魔獣の解体を頼みに行き、王都からの帰路で獲った魔獣を全部出して換金してもらい、5人で均等に割って、解散しました。


 サイトバル兄様の家に寄って、イルミナにお土産の髪飾りを渡しました。せっかくエルーシャ姉様とお揃いにしたのに、私が渡さないとサイトバル兄様も渡せないですからね。2人が仲良く見せ合って喜んでいるのを確認し、サイトバル兄様とハイタッチしてから帰宅しました。


 家族に王都のお土産のお菓子を渡して、食後ののほほんとした空気の中、ミラードに文具セットをプレゼントしました。予定がズレたので入学式には間に合いませんでしたが、入学祝いとして渡したので、サミュエル兄様達も喜んで受け取ってくれました。ミラード曰く、『このノートに恥じない文字が書ける様になる!』だそうです。『其処は、勉強するね。で良いんだけど⁉︎』とアニス姉様に笑われています。『クールで格好良い!』とミラードが喜んでいるので私も嬉しいです。


 自分のベッドに久し振りに寝たら、あっと言う間に寝落ちしたらしく、眩しい朝日に起こされる迄ぐっすり眠れました。今日は商業ギルドに顔を出して、王都のギルドでの話しの結果を確認したら、工房で魔石付与をする予定です。そう言えば、マジェンダ公爵の依頼を受けた事で、後見が決まった様な噂が貴族間で流れたそうで、護衛などの指名依頼が一部取り下げられたそうです。今後はソロで受けられる依頼に限り受け付ける予定だ。とアラン父様が教えてくれました。成人したとは言え、見た目は…。20歳を過ぎる頃には見下されない貫禄を付ける!予定にしておきましょう。


 王都の商業ギルドとの話し合いの結果、祈りの魔石はエルーシャ姉様が作れる分だけを売る事になり、私は回復と結界の付与を担当して量産⁉︎する事になりました。一日中作れば、其々50個ずつなら出来るので、1月の内、4日程付与魔石を集中して作り、毎月各200個を納品する契約にしました。半分ずつ分けて納品します。でも、王都の商業ギルドとの契約は半年の期間限定です。その後はまたサルカンドのみに戻してしまう予定です。流石に王都の方が魔術師が多いのですから、探せば付与出来る学生さんは居ると思うのですよね。青田買いして育てれば良いと思います。


 そうそう、工房には私の友人達が来てくれました。カリヤ、イージャ、ルナールの3人はこの3年間殆ど一緒に過ごして来た親友達です。ランドール先生とシニア先生の研究のお陰で完成した『魔力蓄石』を売り出す為の、理論を理解して付与出来る人材です。緻密な魔力制御をした結果、属性に変化する前の魔力のみを付与して、純粋な魔力のみを魔石に注入出来るのです!


 先生方が発表した時には、使うには魔石から魔力を引き出せばいいので、魔道具にセットすると勝手が良く、誰にでも使えて便利だと評判になりましたが、作れる人材が見つからず?『奇跡の魔石』なんて言われてお蔵入りの案件扱いだったのですよ。でも、王宮の魔術師なら出来そうに思ったのですがね〜。多分、田舎者扱いしていたサルカンドの先生が発表したのがね、プライドを刺激されたのでしょうね⁉︎ 誰も作ろうとしない様なので、なら私達がやっちゃうよ⁉︎ってノリだったのです。


 商業ギルドに相談したらとても良い笑顔で後押ししてくれるので、魔道具との抱き合わせで販売する方向で着々と準備しています。サルカンドの新商品の目玉になると思います。魔道具士さん達も魔石の属性に合わせる手間が無くなるので、楽に作れる様になる!とはしゃいでますから、量産出来てお買い得な値段設定になるかもしれませんね。


 一週間程工房に籠って製作していたので、久し振りの冒険者ギルドです。アニス姉様から話しを聞いていたせいか、ラキアさんが普通に出迎えてくれて、残りの指名依頼の内容を教えてくれました。アラン父様が教えてくれた様に泊まり掛けの護衛とかは消えて、採取や魔獣討伐なので、地域毎でまとめて貰い、重複出来る物から片付ける事にしました。


 サイトバル兄様にお伺いを立てると、レインボーが暇な時なら付き合っても良いよ。との返答に、私の予定を教えて、レベル的に同行出来る物を選んでもらう事になりました。…ただ、パーティー全員で合流しても良い?と言われたのには驚きましたけど。




 サイトバルから、凄腕の妹の話しは聞いていたし、ギルドでの噂も知ってる。たまに見掛ける楚々とした横顔からは信じられないけど、今回の件では噂以上の異常さに良い意味で裏切られた。そして支配階級の駄目な奴らのダメさ加減に呆れたけど、対抗するには更なる貴族の後ろ盾が必要って判った。ただ、其れをすんなり持っているのに、良しとしないミスティーヌの態度に驚いた。なんて言ったら良いかわからないけど、守ってあげなきゃいけない!って存在が本当に居るんだなぁ〜。って思ったんだ。俺の方が力も権力も弱いけど!一応レインボーのリーダーって事でギルドなどの対応はしてるけど、護衛の依頼に関しては手も足も出せずに終わった感じだ。ミスティーヌに索敵させたら、ケイトの5倍ぐらいの範囲を魔獣の種類や数まで正確に掴むし、その魔力量なんてコルディの何倍あるか判らない上に、緻密に操るから味方に誤爆も無く倒す。スリープなんてレベルマックス迄カンストしてるみたいで、複数人数に纏めがけして成功させてる。ホントに成人したばかりなのか⁉︎って思うんだけど、見た目はちっこくて綺麗で人形そのものなんだよなぁ。サイトバルが時々組んでたぐらいで、ずっとソロ活動していたのは知ってるけど、こんなに強いとは知らなかったぜ。


 サルカンドのホームに戻って、パーティーメンバーといつもの反省会の後、ミスティーヌの話題になった途端、アレはズルい!って声が上がった。戦闘は魔法オンリーとは言え完璧ですし、解体も出来て、料理させても美味しい物ばかり作ってくれる。非の打ち所がない。なんて事、普通あり得ないのに、見た目や性格まで可愛い!なんて最強よね!強いて言うなら年齢の割にお子様体型だけど、アレは有りですよ!と大絶賛の嵐が吹き荒れた。


 丁度そこに戻って来たサイトバルが、『じゃ、パーティーに入れようか?』と投げ掛けたのでみんな固まってしまった。『俺達のパーティーはBランクだし、年齢差が有り過ぎると思う。』と俺が言うと、ケイトとコルディも2人揃って『戦闘時にミスティーヌちゃんを庇ってあげられる場面が想像つかないので諦めます。』とウルウルしている。2人とも姐御肌な性格で料理が苦手だから、最初の野営地で出された料理に堕ちたんだよな。すっげえ可愛いがってるのに自分の方が弱いって分かった時の落ち込みようったら無かったもんなぁ。


 よくよく話しを聞いてみると、ミスティーヌが溜まった依頼を複数同時に熟すので、一緒に行く?と誘われたらしい。指名依頼以外の案件も有るので、其れを熟してランク上げに使えるよ⁉︎と言うお誘いで、昔からよくしていた。と笑っている。少し会わない間にスキルアップしている事が有ったのはそのせいか!と腑に落ちたが、俺達まで行くのはどうなんだろう⁉︎と思わなくもないが、ケイトとコルディが行く気満々で、今更、遠慮しよう。なんて言い出せる雰囲気は無かった。


 結局、ミスティーヌに頼んでパーティー扱いにして依頼を受けてもらったが、それ以来、陰で先生と呼ばせて頂いている事は、絶対に秘密だ。

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