表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドライフ〜インベントリって素晴らしい  作者: 清香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/92

44 おめでたい事は良い事です。…苦労する人は良い人です?

 エルーシャ義姉様からのお手紙配達人となったサイトバル兄様から、


 『エルーシャが無事に双子を出産した!エルーシャ本人も双子も元気で問題ない。二人とも可愛くて仕方ないが、イルミナが一番喜んでいるよ。』


 と連絡が来ました。二度目の割には時間が掛かっているとマリアナ母様が心配してましたが、回復のアクセサリーを身に付けて出産に臨んだので、経過は良好だそうです。もっとも、双子を出産したから時間が掛かっただけだったとか。それよりも気になるのは、エルーシャ義姉様の安産に気を良くしたマリアナ母様が、


 『回復のアクセサリーって、冒険者や商人だけで無く、妊婦にも売れそうね。』


 と呟いていた事だそうですが、マリアナ母様は思い付きで行動するから、時々?結構?天然なやらかしをするので要注意なのです!


 …私も妊婦ですからね、私に依頼されても直ぐには作れませんよ?持っていたお手頃価格の魔石の殆どはサリーナさんに預けてあります。サミュエル兄様の力を借りてせっかく立ち上げた工房ですから、私が冒険者に戻れるまでの、半年分?程を想定した必要な量を渡してあるのです。なので、今、手元に有る物は高価格な大型の魔石ばかりです。


 『父に愛され過ぎて、外で働いた事が無い弊害だ。母が漏らした不用意な一言で、これまでも何度大変な目にあったことか。』


 と、マリアナ母様の呟きを聞いたサイトバル兄様が頭を抱えてました。大いに同意します。悪意も忖度も無い処が問題なのです。私にも経験が有ります。まだ成人もしてない頃から、色々と…ね。私がダメならアラン父様に行ってくれるかな?と期待しましょう。


 イルミナちゃんは年の離れた双子達を大喜びで面倒を見ているそうです。事前に弟妹のいる友人から情報を集めていたとかで、マリアナ母様が舌を巻く程の働きだそうです。私も双子達に会いたいし、エルーシャ義姉様へお見舞いとお祝いに行きたいのに、ハリシエダ様から、


 『私も一緒に行きたいから、仕事がひと段落つくまで待って欲しい。』


 と、止められています。そんなに家同士は離れていないのに、私が臨月に入ったからと過保護に磨きがかかっているのです。双子達はイスラール君とイミエールちゃんと名付けられました。


 イルミナちゃんのお姉さん振りに目を細くして喜んでいるサイトバル兄様の話を聞きながら、手紙に書かれたエルーシャ義姉様のアドバイスを入れつつ、私は自分用の授乳ウエアーを作っています。キュラスの商業ギルドのギルマスに来て下さったリーバスさんの為に、キュラス発の、新作⁉︎依頼を受けたのです。サルカンドで登録したのがマタニティウエアーを基本にしたので、今回は授乳をメインに展開する予定です。。


 寒くなって来たので素材を変えたり、胸に空けた穴を隠すポケットの形と大きさを変えるなど、些細なマイナーチェンジにしか見えませんが、キュラスから発信する事が大切。と言われていろいろ考えてます。悩んだ末に、直接、デザインとは関係無いのですが、結界の付与魔石のアクセサリーを付け足すとか幾つか試してみました。…何となく授乳する時って、無防備なイメージがありませんか?


 出来上がった新授乳服は、貴族用として販売する事になりました。決めては結界の付与魔石です。結界の付与魔石は、ギルドに在庫が無くなる迄に私以外の製作者を確保出来なければ、追加を作れないので、最初の付与魔石付きは限定販売になるそうです。その後もたぶん予約販売になる予定だそうです。付与魔石が付かない物は工房に依頼して作成販売されるそうですが、オーダーメイドでは無いので、此方は平民向けを想定しています。


 そうこうしているうちに破水してしまいました。マリアナ母様の勧めもあって、回復の付与魔石を握り締めて力んでいると、あまり痛まずにスルッと出産してしまいました。安産過ぎてハリシエダ様は間に合わなかった様で、


 『次はもっと余裕を見て仕事を終わらせる様に準備します!一人目は時間が掛かる。と言われたので甘くみてました…』


 と、一番最初に抱けなかった事を悔しがって、宣言されたそうです。同じ邸内でも、公邸にいた為駆け付けられなかったとかで、


 『私が知らせを聞いて駆けつけようとした時に、此方の仕事を優先して下さい。と邪魔をした?部下に、その仕事を押し付けて来てやった!』


 と嫡男になるカヴィヨンを抱いて笑っている姿に、『子供みたい。』と思ったのは私だけじゃ無さそうです。(笑)


 サリシン義父様も孫の顔を見に来てくれました。リストランテに居るマジェンダ義兄様とクリミアナ義姉様には直ぐにお知らせしたので、一緒にサリシン義父様もいらしたのですが。ナイジェル義兄様の処に行っているアネトール義母様にはまだ連絡していない様です?


 良いのかなぁ?と思わなくも無いのですが、私はハリシエダ様とサリシン義父様の考えに従うだけですから、口を出さないつもりです。だいたい、ナイジェル義兄様のお子様について、私は聞かされていませんからね。…今、気づきましたが、義姉の名前すら聞かされてませんね。


 お世話になっているルイジアナ様に連絡しなきゃ。と思っていたら、フェンリル様がランティス様に教えたそうで、既に王家の耳には入っているとか。それで良いのかなぁ?とハリシエダ様に相談すると、サリシン義父様からも王妃様に連絡は行っていたそうでした。


 3人も子供を産んでいるから仲が良いのだと思っていたのですが、ここに来て、サリシン義父様の態度が変わって来た様です。政略結婚だからと可もなく不可もなく。と思って諦めていたそうで、思う所はあっても我慢していたそうです。


 お祝いに来て下さったマジェンダ義兄様がこっそりと教えてくれました。元々、嫡男のマジェンダ義兄様の事は、サリシン義父様のお母様が教育をしていたそうで、アネトール義母様は、スペアとして生まれたナイジェル義兄様の教育しかさせてもらえなかったそうです。その為、二人は性格が良く似ているのだとか。


 言葉は悪いのですが、ハリシエダ様は想定外だったそうで、アネトール義母様は余り構わなかったらしく、お陰でサリシン義父様とマジェンダ義兄様に影響を受けて育ったそうです。だから偏見無く素直に育ったと。ナルホド。


 結果としてハリシエダ様が私のお陰?で出世した為に、欲の出たアネトール義母様が自分の為に利用しようと、変な口出しを始めて、自分で子育てもしなかった癖に、自分の思うままのオモチャにしようとした。というのが、サリシン義父様とマジェンダ義兄様の見方で、アネトール義母様を見限る?原因だそうです。


 自分の見たい物しか見ない。という処が問題でしょうね。仮に私を追い出せたとしても、ハリシエダ様に残るのは男爵位だけなのですが、アネトール義母様だけはそれを信じていなかったそうです。私は公爵家を継ぐ訳でもないし、ヴェルム伯爵位は王家から私がもらった爵位ですから、アネトール義母様の事はリストランテ家で解決してもらって、此方に火の粉が飛ばなければ、それで良いです。



 カヴィヨンが産まれて半年程が過ぎて、私も1時間程度の魔獣討伐から、冒険者活動に戻り始めました。と言っても、夜のダンジョンに転移で潜って、魔石目当てでスライムや一角兎を乱獲したり、アイテム狙いで下層に行ったのですが、ダンジョンレベルが下がったのを忘れていました。雪山の階層に行った時なんて、スノーフォックスとアルミラージばかりです。まとまって出て来ないので危なくなく倒せるのは良いのですがね〜タイムトライアルなので、数が少なくてガッカリしました。


 あ、ハリシエダ様が熟睡中の時に行っています。カヴィヨンが一緒だとお互い安心する様で、仲良く二人とも寝ています。と言っても、同じ部屋のそれぞれのベッドで寝ていますが。私はカヴィヨンとお昼寝タイムがあるので、夜中に目が覚めてしまった時に行っているだけです。


 …実は、フェンリル夫妻とモリーノの助けがあっての事なのです。カヴィヨンの一回の授乳量が増えたお陰で夜に起きなくなったのですよ。それなのに、お昼寝効果もあって夜に目覚めてしまう私。それを知ったフェンリル夫妻が、『カヴィヨンが目を覚ましたら直ぐに呼んであげる。』と言ってくれて、邸の庭の散歩から始まり、どうせなら…とこっそりとダンジョンに転移してしまいました。


 ダンジョンのタイムトライアルを始めてひと月程経って、魔石もかなり溜まって来たので、ハリシエダ様対策として堂々と出掛ける事にしました。カヴィヨンが産まれて3ヶ月程で、邸内に於ける公務には顔を出す様にして来たのですから、『私的な息抜き』を認めてもらうつもりです。


 結界などの付与魔石は、キュラスではエルーシャ義姉様の工房を経由する形を採っているので、サイトバル兄様に依頼して、魔石を集めてはもらってますが、圧倒的に足りません。サルカンドでは予想通りにマリアナ母様が暴走して、回復の魔石騒ぎをしているので、サリーナさんはそちらに掛かりっきりになってます。サルカンドの教会とは、私を通して良い関係を続けているので、アラン父様が集めた魔石は回復のアクセサリー作りに集中しているのです。


 その為に今日は、リーバスさんを召喚してあります。キュラスで集めている魔石では貴族分でギリギリ足りない程なので、平民用の授乳ウエアーに進出していないのです。私の考えでは、認識阻害を付与したいのですよね。スライムの魔石程度で薄っすらとした付与効果は付けられると思うのです。商人の奥さんが話していた様に、人前でも授乳せざるを得ない平民の方が、認識阻害を必要としていると思うのです。


 先にリーバスさんに話しを通しておいたお陰で、


 『キュラスはヴェルムの領都でありながら、商業の目玉となる商品に恵まれて来ませんでした。Sランクのミスティーヌ様を伯爵夫人に戴いているにも関わらず、その恩恵を無駄にしているのです!

 キュラスを、ひいてはヴェルムを発展させる為のお力を伯爵夫人が持っているのに、それを使わせないなんて領主として有るまじき行為ではないでしょうか?』


 と、私の行動の後押しをする発言をしてくれたのです。今回はハリシエダ様も折れてくれました。


 『………カヴィヨンも私も寝ていて、ミスティーヌが出掛けても気づかないなら、仕方ない。と諦めよう。が、くれぐれも無理はしない事。寝不足は禁止だよ?』


 と約束させられました。ただ、帰った時は必ず起こす様にと頼まれたのは断りましたけどね。その代わりに、毎朝起こしてもらう事になりました。つまり、キチンと一緒に寝て、朝、起こされる時間迄には熟睡している様に!という事だそうです。リーバスさんが呆れた笑いを浮かべてましたよ。


 夕飯後の魔石付与だったり、手芸している時間を、家族3人で過ごす事が増えて来ました。ハリシエダ様は魔法学の助手をなさったものの、付与は余り得意ではなかったそうで、学問として優秀だったのだ。とか、私が魔石に付与するのを見ながら、ポツポツと話してくれました。


 ハリシエダ様は公爵家に生まれたものの、余り魔力量が多く無い為、体系とした魔法学を研究していたそうです。兵士でも、魔術師でもなく、文官を目指したのは学問で身を立てる事を考えた結果だそうで、だからこそ、魔法を使い熟す私に憧れたのだとか。憧れが拗れて?私のスキル暴露に繋がったのだ。と、ションボリされても、ねぇ⁉︎


 私としては前世の知識を元に考えていた事もあって、想像する事が力になると思っていたから、ハリシエダ様のいろんなお話しは、目から鱗的な話しとして聞こえました。…属性などを気にせず付与出来るのは、やはり、女神様のチート能力に助けられているのですね。それと、多過ぎるスキル。


 でも、それを全て含めての私ですから、能力は肯定しかしませんよ?だからこそ、伯爵夫人として恩恵を振り撒こうと考えているのです。この領内では、私が一番偉いのですからねぇ〜。やりたい放題しても良い気がして来ているのです。…自重はサルカンドに置いて来たような気がします。(笑)


 登録はサルカンドだったり、王都だったりしてますが、作るのが私なら問題ないのでは?とリーバスさんと相談中ですが、少なくとも、サミュエル兄様のいる、サルカンドの商業ギルドとなら提携が可能です。いつの間にか?副ギルマスに昇進していたサミュエル兄様に出張をお願いして、共同で商品を販売する事になりました。


 サルカンドの回復のアクセサリーと、マタニティウエアー。それに、キュラスの結界のアクセサリーと、認識阻害を組み込んだ授乳服をセットにして、予約販売を始めたのです。貴族用は服の材質を変えたり、装飾をオプションで付ける事によって値段を変えました。…余分な工程を省く為に付与魔石は同じにしました。


 因みに、キュラスで売り出す中にリストランテの商業ギルドの分が含まれるそうで、多分、王都の商業ギルドが食い込む隙は無さそうです?リーバスさんに抜かりは無い。ようですよ?(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ