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34 ダンジョン 7

 28階層まで降りて来ましたが、洞窟には暗闇が広がっていて灯りが無いと進めません。ライトの魔法を前後左右の4方向に浮かせて進みます。静寂が広がっているのは此処の魔獣の特性の為ですね。サイレントスパイダーは音も無く忍び寄って強い粘着の糸で絡め取って捕食しますし、ヴァンパイアバットも可聴音を立てません。


 対策として、結界を張った状態で探索しています。結界には何時もの様に雷を這わせているので、歩く罠ですね。餌は私ですが何か⁉︎ 結界で遮断しているせいか、あまり魔獣に出会わずに進んでいます。多分、光りが弱点なのも加味されてますよね?時折りぶつかって来る魔獣のみ倒して、魔石とアイテムを採取します。


 マップに何か表示が出ました。…隠し部屋の様です。モンスターハウスですね。諦めて扉を開けると、一面に蜘蛛の巣が張り巡らされています。サイレントスパイダーと、下は土蜘蛛です!上下で挟み撃ちですか⁉︎


 個室で火魔法は使いたく無いので、絶対零度の魔力マシマシで凍らせました。天井にライトの魔法を放ち、部屋中を明るくして、以前作ったレイピアで凍った蜘蛛を刺しまくり、足元がアイテムと魔石で埋まった頃、奥の方に宝箱が出ました。魔石とアイテムを拾います。残った宝箱箱を開けると、オパールの様に輝くマントが入ってました。鑑定を掛けると、『目眩しのマント』と出ました。ステルス効果が付与されており、纏った者の気配を絶つ。と説明があります。コレを纏っていると、魔獣に感知されない?取り敢えず、インベントリに仕舞いました。


 丁度良いので、此処で軽くランチをして休憩を取りましょう。結界を張ったままにして、テントを出し、作り置きのご飯を出します。拾ったアイテムの糸が綺麗なので、手持ちのビーズを通して少し編んでみましょう。小さめのポシェットをささっと編んでみましたが、糸の光沢とビーズの煌めきが合わさって良い感じです。魔石を編み込んで付与を掛ければ容量は自由自在ですね。


 何枚かポシェットを編んで、満足した処で片付けをして、部屋を出て通路に戻りました。また、雷を這わせた結界で身を守りつつ先に進みます。マントを試そうかとも思いましたが、アイテムが採取出来なくなりそうなので止めます。時折り罠に掛かる?魔獣を倒しながら階段を探します。因みにスパイダー系の落とすアイテムは美しい糸が多いので心躍るのですが、バット系は毒だったり、麻痺薬だったり、それの解毒剤だったりなので、気分も落ちます。ギルドでは人気の有るアイテムですけど。


 壁や通路を鑑定しながら進んでいると、時々、鉱石や原石が見つかります。結界のお陰で魔獣の邪魔を気にする事なく、のんびり?と採掘しながら進んでいましたが、やっと下に降りる階段が見つかり、今日は此処で野営する事に決めました。


 昼間編んだポシェットが気に入ったので、夕食後はショールを編み始めました。編み上がったショールをふと鑑定してみると、サイレントスパイダーの糸には沈黙の効果が有るらしく、其処から派生して気配遮断の効果が出てます。綺麗な仕上がりに満足しましたが、追加の効果に喜んでしまいました。明日は下に降りるのを保留して、もう少しサイレントスパイダーを狩りましょう!


 結局、下の階に降りる事なく一日中狩りをしてしまいました。転移して来れば良い事を思い出したのは、夕飯をオネダリにモリーノが来た夜?でした。…昨日来なかったのは、パールに説教されていたからだそうです。パールも一緒に来ていたので、感謝を込めてデザート多めにすると、モリーノが僕も食べたいと強請って来ますが、反省を促す意味で却下すると泣かれました。やっぱり子供です。


 翌朝の朝食後に、パールに渡したマジックバッグを出して貰って、作り置きの料理と、デザートを多めに詰めて渡し、私は下の階層に降りました。此処はボス部屋に階段が有った筈です。


 目の前に海が広がっています。コレだけ降りて来たのに海。明るく煌めく波に何故か脱力感が…


 マップに鑑定を掛けて海辺の砂浜を進みながら、海から襲いかかって来るサハギンを倒しています。三叉の槍を時々落とすのですが、漁師に人気の槍です。大物を刺しても壊れないそうで、結構高値が付きます。サハギンは群れても数匹なのでそんなに数が出回らないからでしょう。


 広い砂浜がそのままボス部屋の様な物なのでしょうか。見渡しても隠し部屋の様な存在すら見つかりません。砂に埋もれてビーチグラスの様に削られた宝石を拾いながら進みます。幸いにもサハギン以外の魔獣も気配はありません。が、何処までも続く砂浜にため息が出ます。


 辺りが薄暗くなって来たので、結界を張り野営に入りました。結界の付近は薄暗くなる様に周囲を明るくして、テントに入ります。食事を終えたらまた編み物をする予定です。砂浜で見つけた珊瑚や宝石を使ったアクセサリーを作るのも良いかもしれません。緊張して一日を過ごしたので、少しのんびりとするつもりなんです。


 今夜はモリーノと一緒にランティス様が来ました。どうしたのかな?と思っていたら、例のパールのセットについて、馬鹿な侍女が漏らしたせいで、王妃様に取り上げられたそうです。嫁いで来た嫁が自分の持ち物より上のアクセサリーを持っていたら、たぶん良い気はしないですよね。悪い事をしてしまいました。でもね、王様と王太子様は何をしていたのかな?


 経緯を詳しく聞いてみると、メイド同士のおしゃべりの中で、何故か主人自慢が始まり、それを聞いていた王太子妃様の輿入れから付いて来た古参の侍女が、『私の姫様のアクセサリーを知らないから、そんな低レベルの争いが出来るのですね。』と笑ったのだそうです。笑われた王妃様専属の侍女が口惜しさのあまり、『王太子妃様は分不相応の品物を隠し持っていて、陰で嘲笑っていらっしゃる様ですわ。』と告げ口したそうです。


 侍女の悪質な言い方に惑わされた王妃様は王様に言って王太子様ご夫妻を呼び出し、問い質されたそうです。王太子様が、私から献上された時の事を説明して、『更に素晴らしい物を見つける予定で探索中の為に、一先ず預かっている。』と説明されたそうです。すると、『それなら私が預かっておいて、次が献上された際に、どちらかを下賜する事とする。』と宣言され、王太子妃様の宝石箱から持って来させると、王家の宝物庫にしまってしまわれたそうです。


 確かに間違ってはいませんね。王妃様の宝石箱に仕舞ったのならば兎も角、王家の宝物庫なら、王家の持ち物というスタンスになりますから、王妃様様が取り上げて私物にした訳ではありません、公正な遣り取りの様に思えます。でも、王太子妃様の心中は如何でしょうか?…此処で私が出しゃばっても良い事は無さそうです。取り敢えず、編み上げたショールは王妃様と王太子妃様に一枚ずつ差し上げましょう。そして、気晴らしにでも使ってもらいましょう!


 食後、ランティス様には少し待って頂いて、ショールを一枚編み上げると、2枚にダンジョンの宝石で飾りを付けをしました。見た目は美しいのですが、きちんと気配遮断が付いています。ランティス様には王妃様、王太子妃様が、絶対に!其々お一人の時に渡す事を厳命してお願いしました。『口の軽い』人など、何処にだって転がっていますからね!秘密を知るのは少ない程良いのです。


 翌朝、モリーノと別れ、また、広い砂浜を歩いています。前回、サイトバル兄様と来た時もこんなに歩いたでしょうか?話しながらの探索とでは、感覚に違いが出る物なのでしょうか?と、つらつら考えながらサハギンを倒したり、宝石を拾っていると、何やら沖の方の空色が変わって来ました。


 シーサーペントです。そうでした、此処はボスが向こうから出て来るのでしたね。数十本のトルネードと共に現れたシーサーペントを見て思い出しました。水属性の魔獣ですが、風属性も持っているのです。火属性では属性負けで使えませんし、砂浜で土属性の効果は半減します。


 いくらボスとは言え、凍らせてしまえば動けません。ですが此処は重力魔法を試してみたいので、グラビティを掛けます。体長が30M以上はありそうな巨体ですので、想像以上に魔力が使われますが、シーサーペントは砂浜に埋もれて動かない様です。口が開いたので、圧縮したファイアーボールをお見舞いしました。


 巨大な魔石とアイテム。それに宝箱が出ました。アイテムは巨大なお肉の塊と革の様ですね。美味しそうな白身魚の肉でしょうか?ムニエルが食べたくなります。宝箱を開けると…シーサーペントの角を使った杖?錫杖でしょうか?と指輪です。鑑定してみると、杖には気象が操れる効果があり、雨を降らせる事が出来る様です。指輪には水魔法の増幅がついてました。


 宝箱が消えた後には階段が現れて、下の階に続いています。下に降りて見渡すと、何故か切り立った山の麓に出ています。まぁ、ダンジョンですからね。女神様の玩具箱な訳ですし。


 麓に結界を張って、テントを用意したら、シェスタをします。昨日からとても疲れたので。


 ぐっすり寝込んでいた様です。転移して来たモリーノとパール様の話し声で目が覚めました。ランティス様経由で王妃様からお手紙を頂きました。侍女の手前、国宝級のアイテムを王太子妃様のお部屋に置いておく訳にはいかないと思い、宝物庫に仕舞う事にしたが、遣り方が良く無かった事。私の気持ちを無視する形になった事に関する謝罪と、ショールのお礼が綴られてました。


 例の侍女達は王太子妃様様と相談した結果、再教育として『王家の侍女としての心得をメイドにも伝える為』に一からおさらいし直して学ぶ事になったそうです。王妃様から『間違った事を教えてはいけませんからね?』と釘を刺された為、2人で黙々と資料から重点項目を書き出しているそうです。『この打ち合わせをするのにショールが大変役立ちました。』と締めの言葉に綴られてました。


 王妃様のお手紙のお陰で、次の献上品のハードルが下がりました。宝箱から装飾品が出なければ作っちゃえば良いでしょう。前世の知識が有りますから、たぶん、遜色無い物は作れると思います。


 手紙を読み終え、待っていてくれたモリーノやパール様と夕飯を食べましょう。早速、シーサーペントのお肉でムニエルを作ります。バターの良い香りと、スパイスやハーブの良い香りが合わさって攻撃力が半端無いです!


 明日はいよいよ30階層の攻略です。目の前の山の山頂にエンシェントドラゴンが居る筈です。前回の献上品は此処の宝箱から出た宝冠でした。女神様のおっしゃるには、同じ品を入れていないという事なので、楽しみです。


 山を登りながら、キマイラやグリフォンを倒します。流石に1頭ずつしか出ませんが、強敵です。落とすアイテムも多種に亘る様ですが、食肉には向いていないのか、皮や羽根が多いです。マップを確認しながら頂上を目指して、エンシェントドラゴンの姿を捉えました。


 頂上で寝そべり、私の姿を見ても鼻息一つで無視するかの様に泰然自若としています。私は逆グラビティを自分に掛けて浮き上がると、一気にエンシェントドラゴンの鼻先に降りました。足が地に着くと同時にグラビティをエンシェントドラゴンに掛けましたが、シーサーペントよりも大きな身体に余り効果は無さそうです。


 片目を開け、私を捉えたエンシェントドラゴンの口から炎が吹き出します。ウォータートルネードで身を護りつつ攻撃しますが、炎が消えただけです。私を侮ってくれている間に一気に攻撃しないといけません。全身に水を浴びた状態なので、絶対零度の攻撃ですね。普段の5倍位の魔力を込めました。氷山の出来上がりです。でも、アイテムに変わらないという事はまだ死んでいません。エンシェントドラゴンの角を目掛けて雷を落としました。


 稲妻の光が消えると、アイテムと魔石。それに宝箱が出現しました。うおぉぉ!ドラゴン肉の山ですよ。当然、皮と血も有ります。両手でやっと抱えられる大きさの魔石は過去最高では無いでしょうか?魔力がかなり減ってフラフラの状態ですが、凄く嬉しいです。さて、宝箱の中身にも期待してしまいます。


 ワクワクしながら蓋を開けると、水晶化したドラゴンの角で出来たと思われる宝冠とティアラのセットです。良かった。コレで宝物庫行きの?献上品が確保出来ました。


 前回は宝箱の下に魔法陣が現れて1階に飛びましたが、今回は女神様のおっしゃる通りに、下に向かう階段が出ました。意気揚々と下に降りると、祭壇が有ります。此処は神殿ですか?と思いつつ感謝の祈りを捧げると、何時もの空間で、女神様に対面していました。

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