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33 ダンジョン 6

 ミラードに聞かれたので、学生時代を思い出しながら話し始めました。基本的に教科書を理解出来るまで読み込んで、それでも分からない時は図書室に入り浸って参考文献を読み漁った事。自力で理解出来ない物は先生に聞きに行った事。魔法に関しては、得た知識を元にして自分なりに工夫を考えて、魔獣討伐の際に実践して結果を得ていた事。結果として成績が良くなり過ぎて、お花畑な貴族に絡まれて困ったけど、クラスメイトに座学を教えるきっかけになり、平民の友人が増えた事。人に教える事で復習が出来て、更に深く勉強出来た事などを話しました。


 ジッと話しを聞いていたミラードは『僕も冒険者に登録したら、門の外で魔法を使えますか?』と聞いて来たので、アラン父様が『年齢的には問題無いが、最初から1人で門の外に出るのは許可したく無いな。』と答えると、サミュエル兄様も『私も許可出来ない。友人達と数人でパーティーを組むのが妥当だと思う。』と言います。私も『ミラードの属性を知らないけどね。例えば、火属性は魔獣に有効な攻撃属性だけど、草原や森林で使うと火災になって危険な一面も有るの。水属性の魔法で対処出来ないと困るわ。土属性や風属性なら自然災害を引き起こす危険性は少ないかもしれないけど、間違った対処をしたら同じね。それと、魔力が切れた時の対策としては、剣や弓の様な物理攻撃も出来るのが望ましいの。とは言え、ミラードが冒険者として身を立てたい訳じゃ無いなら、そこまでは必要ない話しなんだけど。』と口を挟んで茶化してみると、ジッと考え込んでから、『僕は付与魔法を使い熟したいだけだから、魔法を一緒に学んでいる友人を誘ってパーティーを組むよ。』と言って話しを終えました。


 夕食後、片付けはアニス義姉様がしてくれると言うので、そのまま、サミュエル兄様に、サリーナさんから聞いた話しを始めました。ダニエルが工房の登録を変更した話しはサミュエル兄様には伝わっていなかったそうです。明日、ギルドで調査して、場合によっては違約金を取ると怒ってます。私は付与魔石を定数納品する契約を工房主として交わしていて、その契約を継続する条件で、相場の10分の1の値段で工房をダニエルには売ったのです。それなのに、納品が滞り、困ったサミュエル兄様は私に足りない分を用意してもらって、ギルドの商売を回していたのです。ギルドだけで無く、私に対しても違約金が発生するのですが、ダニエルはそれを理解しているのでしょうか?


 エルーシャ義姉様とサリーナさんと3人で相談して、私名義の付与魔石工房をサルカンドに立ち上げられないか?と言う話しが出たんだけど?とサミュエル兄様に相談しました。サリーナ名義にするとダニエルが自分の横暴が効く工房と勘違いして乗り込んで来そうだから、防ぐ為に私名義にする。使う魔石は私が全部用意するし、付与が間に合わない時は私も手います。用は、以前のエルーシャ義姉様の立ち位置にサリーナさんを据える。と言う内容です。


 話しを聞いたサミュエル兄様は賛成してくれました。ギルドで持っている不動産の物件から、工房に適した家を見つけてくれる事になり、当然、私の資金を使ってもらう事になりました。八つ当たり行脚?のお陰で、貯まる一方だったので丁度良かったのです。


 朝一でエルーシャ義姉様の処に飛んで、サリーナさんにも話しを進めるね!と伝えて来ましょう。


 話し終えて、久し振りに部屋でアクセサリーを作る事にしました。今回はガーネットがたくさん有りますから、華美な物を作るつもりです。と、モリーノが来て、デザートをおねだりされました。キュラスから戻る時に、多めに夕食を渡したつもりだったのに?と思いながら、何をどの位欲しいの?と聞くと、夕食をランティス様の処で食べてたら、王太子様ご夫妻に気付かれて、ジーッと見つめられたそうです。主に王太子様に。流石に4人分は無かったので、追加をおねだりに来たそうです。


 急遽、王太子妃様の部屋に転移させてもらって、ケーキやパフェなど言われるままに時間停止の付いたマジックバッグに入れて、差し上げました。ディナーは済ませてデザートも食べたそうですが、別腹は存在するそうで、悩んだ末に1つだけ食べるそうです。ついでに?貝や海老を始めとした魚系と、多種多様な肉を時間経過無しの特製のマジックバッグに詰めた物を渡して帰ってきました。かなりの量を詰め込んで有りますから、シェフに渡して貰えば、長く楽しんでもらえると期待してます。


 王太子妃様は美容の為に我慢するそうで、『お話しを聞かせて?』と、私を連れてソファへと移動しました。アタックの途中で逃げ出して来ているダンジョンの話しをしながら、話しの序でにと、10階層のボス部屋の宝箱から出たパールの王冠とティアラのセットをインベントリから出して贈りました。突然の事に驚かれたのか、王太子様を呼ばれてテーブルに置かれたセットを見せます。王太子様も『この王冠とティアラは国宝級だ!』と驚かれました。でも、『キラキラして綺麗だし、お二人にお似合いだと思うのです。…本音を言えば、ギルドやオークションに出したらアラン父様に怒られそうなので、受け取ってもらえると有り難いです。』と本音を漏らすと、苦笑しつつ、受け取ってもらえました。


 『ガーネットリリィを始め、綺麗な鉱石もかなり確保してますし、今後、もっと驚く装飾品を贈る可能性もありますよ⁉︎』と笑って伝えると、『価値を気にせず贈るのはどうかと思うよ。正直なところこのパールのセットは、両親にどう見せるべきか悩む処だしね。私達が持つ前に、両親に渡すべきかもしれないと思わない訳でも無い。』と、王太子様が王太子妃様に相談しています。


 『取り敢えず、ダンジョンを攻略してご報告に上がる迄は内緒でお願いします。あの、此処に来ている事や、ダンジョンに潜っている事など、一応、家族以外には秘密にしているので。』とお願いしました。公然の秘密?かもしれませんが、ハリシエダ様には知られたく無いのです。ダンジョンにまで押し掛けられて何かあっても困りますから。私は関わりたく無いだけです。


 アンデット系を回避してダンジョン攻略します。とご報告してから転移して部屋に戻りましたが、時間も遅くなったので、素直にクリーンを掛けて今夜は寝ます。明日はダンジョンに戻らなきゃ…。


 朝一でサイトバル兄様に家に飛んで、一緒に朝食を食べながら、エルーシャ義姉様に昨日の報告をします。サリーナさんは一旦此処に顔を出してからサルカンドに戻るそうなので、戻ったら商業ギルドに向かってもらい、サミュエル兄様に相談してもらう様に伝言をお願いしました。早速、来週にでも新工房の立ち上げをしなくては!


 イルミナにデザートを出してあげて、私はサルカンドに戻りました。商業ギルドに行くと、早速サミュエル兄様がダニエルの工房の登録変更の手続きを監査している処でした。受け付けたのは見習いの新人で魔導士ギルドの推薦書を持って来た子だそうです。なんかきな臭い臭いが?


 ギルドとしても被害の出ている件が絡んでいますし、今回の様に前登録の確認もせずに変更手続きをするのはギルドとしてあってはならないので、ギルマスが出て来る騒ぎとなりました。見習い中の新人が独りだけで何故対応出来たのか?から始まり、一連の調査から判ったのは、昼休みの人目の無い時間を選んでダニエルがこっそりと申請しに来た事。予め、魔導士ギルドから変更手続きの指導をされていたので、見習いだったが登録業務を密かに出来た。という事でした。


 見習いは解雇され、魔導士ギルドには商業ギルドから苦情の申し入れをしました。業務妨害の申請を役所にも入れてあります。結論としてダニエルの工房の変更は認めざるを得ないが、その代わり違約金を商業ギルドと前工房主に支払う事になりました。


 商業ギルドには付与魔石の未納品分を契約不履行の違約金に換算。私へは工房取得金の9倍を違約金として払う事。つまり、工房を相場の値段で買い直すという事ですね。当然、支払わずに逃げるなんて事は出来ません。その時は工房を差し押さえて転売するそうです。


 私から引き継いで数ヶ月の間にしでかしていたので仕方ないのですが、現実を見えていないダニエルにはかなりキツイみたいです。結局、魔導士ギルドが肩代わりして払ったそうで、工房は辛うじてダニエル名義では有るものの、実質は魔導士ギルドの物の様です。借金の為にイージャ達は魔力畜石を大量に作る様ですが、婚約者になったイージャは兎も角、カリヤとルナールがどれだけ協力するのか。まぁ、私には関係有りませんね。


 一連の騒動が収まってから、サリーナさんの工房が始まる事になりました。それ迄は宿屋で生活をしていたのですが、住居設備付きの工房を選んだので、サリーナさんは住み込みになりました。他の従業員は追々見つけるという事で、今の所、商業ギルドとの専従という扱いにしてもらってます。


 魔石はギルド経由で卸してますから、サミュエル兄様経由で聞いた話しですが、サリーナさんは伸び伸びと付与をして楽しんでいるそうです。…工房が軌道に乗り、サリーナさんの友人を雇ったりして、ギルド経由で商店にも付与魔石を卸す様になった頃、何処から聞きつけたのか、窶れたダニエルが工房に乗り込んで来て、倉庫に積まれた魔石を持ち出そうとして捕まったそうです。ダニエルは『妹の物なんだから、兄が使って何が悪い!』と叫んでいたそうですが、サミュエル兄様に『この工房は私の妹のミスティーヌの物だし、魔石も私の妹のミスティーヌが討伐した魔獣から集めた物だ。ダニエルが勝手に持ち出せる訳など何処にも無い。』と突き放され、警らに引き渡されたそうです。



 私は新工房の手続きを済ませて、教会に行き、ガーネットリリィで作った髪飾りを女神様に贈り、アンデットに逃げ出して来た話しをすると、『26階層のボスはゾンビドラゴンで、倒すと聖なるマントと指輪が出て来て、癒される様になっているのよ。』と教わりましたが、私は素直にダンジョンの27階層に向かいました。


 27階層は、一見長閑な花畑に見えますが、実は植物系の魔獣が潜んでいて、マンドラゴラやマンイーターが出て来ます。爽やかな?木立の林にはトレントが居ます。でも、貴重な薬草や珍しい果物が豊富なので、採取しまくりましょう!


 マンドラゴラに気をつけながら花畑を進み、貴重な蜜を採取します。穏やかなゴールデンビーは魔獣ではある物の、人を襲わないので、蜜をこっそりと譲ってもらって遣り過ごします。時折り、キラービーが隠れていますが、冷気に弱いので、ピンポイントで絶対零度を掛けて撃退します。この花畑を維持しているゴールデンビーに影響が出ない様に注意する事が大切です。稀にロイヤルゼリーを落とすキラービーがいて喜んでいます。通常は針しか落とさないので旨味が少ないのですよ。マップに鑑定を掛けて検索しているので採取も充実してます。そろそろ、階段を探しながら森林に入ります。


 擬態しているトレントを狩ると、木材がゲット出来ます。燃えにくいので高価な建材になります。エルダートレントになると密度も高くなるので、ミスリル製の工具でないと加工出来ないそうで、倒すのも一苦労だとか。私は魔力に任せて風魔法で対処してますけど。因みに、トレントでは無い木々も巻き込まれて倒れますが、此方の姿は変わりません。当然ですけど。ダンジョン産なので一般の木よりも丈夫な上に大きいので、高値で買い取りがされます。ましてや、この木は27階層の木なので、滅多に出回らないので、トレント並みに希望者が出ると思われます。私のインベントリは無限大ですから、巻き込んで倒してしまった木々は全部お持ち帰りします。


 下に降りる階段が見つかったので、何時もの様に結界を張って野営の準備をします。ダンジョンに入って一番困るのは時間の経過が分からなくなる事ですね。お日様の偉大さに気付かされる場面です。外で生活しているモリーノに促されて食事の支度をするのが定番になりつつあります。モリーノは攻撃が苦手で、ダンジョンも好きでは無いそうで、守護聖獣と言いながらも一緒にいないのです。私も独りで攻略していた方が気が楽なので気にしません。


 パール様のリクエストで、今日、採取した果物を使ったデザートを作り、花蜜を垂らした紅茶で食後のひと時を楽しんでいたのですが。ランティスパパ経由で仕入れたハリシエダ様情報をモリーノが話し出したのです。途端に私の機嫌は急下降しましたとも。冷気が漂った事で私の機嫌に気付いたパール様が、モリーノを連れて転移してくれましたが、彼は何がしたいのでしょうか?


 28階層は洞窟だった筈。サイレントスパイダーやヴァンパイアバットなど、気が休まらない魔獣が出て来ます。神経を休めて明日に備えましょう。

読み直したら、文章がおかしくなっている所を見つけたので、訂正しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 獣だとしても言葉を理解できるなら教育してあげればいいじゃんね。教育もせず甘やかしてるだけにしか見えないんだけど。
2022/02/10 00:28 退会済み
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