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セカンドライフ〜インベントリって素晴らしい  作者: 清香


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23 結婚式は…しました。

 対外的には公爵家とSランクの冒険者の婚姻になるので、一般的な子爵家の式よりは派手になりそうだな。とは思っていたのですよ。でも、ハリシエダ様サイドのお客様に王太子様ご夫妻がいらっしゃるなんて思いも寄りませんでした!それもランティスが『お料理が食べたいから僕も行く!』って叫ばなければ、お二人共子爵家の結婚式なんて気になさらなかったと思うのです。たとえ、私が王太子妃様の専属だとしても。


 準備に目を回す事になって、『… ランティスが独りでこっそりと転移して来たら良かったのに。私の素人料理が王太子様ご夫妻に注目されるなんて。』と、ハリシエダ様に愚痴ってしまいました。他の聖獣様ですか?当然⁉︎パールも美女に人化して参加します。フェンリル両親も使用人としてでは無く、公爵様の知り合いを装って来てますし、モリーノは皆には見えなくても当然居ます。お料理に釣られた聖獣御一行様勢揃い⁉︎…もう増えないで欲しいですね。モリーノ以外は『人化しているし、大人しく食事するだけで、聖獣とは気付かれない様にするから大丈夫。』とはおっしゃってますが、食事に夢中になったらどうなる事だか。モリーノが居る時点で不安しかありません。ご馳走が空中に消えた!なんて騒ぎだけは絶対にあって欲しくはありません!


 急遽、結婚式の当日に、キュラスのお屋敷に悪意を持つ人を通さない様に結界を張り、防御力を上げました。結界は『洞窟での結界で掛け慣れている。』とおっしゃって、パール様大活躍です。ついでに聖獣様御座所と名打って、一区画を仕切ってもらいました。中からは外が見えますが、外からは空間が隔離されているので、中の様子は分かりません。モリーノが絶対に抜け出さない様にパール様にお願いしました。


 大広間の飾り付けは派手にならない様に気を付けましたが、インベントリに仕舞ったまま忘れていた望月華や月夜野草や月光草が出て来ましたので、少量ずつ各テーブルに飾るブーケに使いました。花の前に座る皆様の顔が明るく映えると思います。


 使用したブーケはお土産にする予定ですが、各テーブルの数しかありません。争いになるのが怖いので、予めブーケにはお贈りする方のお名前を入れさせて貰いました。もらう方が決まらなくて、あの方がもらえるなら…と、後出しを強要されて際限が無くなると困るので、その為の措置です。限定品ですから、高位の方から優先なのはお許し下さい。という事で納得頂けると思います。


 聖堂で式を挙げました。真っ白なウエディングドレスを身にまとい、インベントリ製のレースで作ったベールを被り、ハリシエダ様の隣りに立ち二人で神に誓います。宣誓書に署名して無事に婚姻を認められました。…宣誓書の認め欄に王太子様ご夫妻がサインされるハプニングは有りましたが、感動的な式になりました。


 披露宴のテーブルは私のインベントリのおかげで鮮生食品の料理が山盛り⁉︎です。素材も私が用意した魔獣の肉がメインで、王太子様ご夫妻ですら感激されてました。(笑)お肉料理はミディアムレアに焼かれた厚切りステーキの柔らかさに驚かれました。一番人気のレッドサーペント唐揚げは柑橘系のソースで味変したり、野菜ソースでサラダ感覚にしてみたり、ガーリックでガッツリとお酒を楽しんだりと大人気です。


 お酒を楽しんでる殿方をほっといて⁉︎私はデザートの準備に追われています。…私も主役の筈なんですけどね?(笑)ゼリーなどの冷たいお菓子は私のインベントリが大活躍なんですよ。ただ、人の眼があるので、鍵付きの地下室から出した風で用意してますけど。


 全てのテーブルに数種類のデザートが並び、皆さんの眼を楽しませています。全ての料理を出し終え、皆様の歓談も一息付いた終焉間近、ここでハリシエダ様の決意表明?があるので、私も隣りに並びます。


 『私、ハリシエダはここにいるミスティーヌのお陰で無事、子爵の地位に着きました。父からこの地を任され、治める事にもなりました。兄に教育を受け、これから領主として領民を指導して行きますが、何分にも若輩で経験が足りません。皆様からのご指導ご鞭撻を賜りたくお願いする所存です。また、長年騒がせて来た冒険者ギルドもSランクの妻が来るタイミングで粛清され、妻の兄がギルマスになりました。これにより、キュラスは一層栄えると宣言します。尚、妻のミスティーヌはSランクではありますが、勿体無くも王太子妃様の専属をさせて頂いており、転移のスキルを持っております。才能豊かな妻を得て、私は大変幸せに思っております事をお伝えして、ご挨拶とさせて頂きます。』


 私はびっくりして、横に立つハリシエダ様の顔を見上げてしまいました!『えっ⁉︎なんで転移のスキルをバラすの?』事前に一言も相談の無かった発言に驚いた私は、モリーノや聖獣様達と共に転移して消えました。


 子爵夫人?結婚式?王太子妃様専属?そんな物まとめて無視です。怒り心頭に達していました。


 ずっとパール様の洞窟に住み込み、モリーノ達にレアな魔獣の情報を聞いては、一人気ままに狩りをしてはインベントリに仕舞い込み、国内を自由気ままに飛び回っていました。


 サルカンドのアラン父様の元に戻ったのは、半月後でした。流石にアラン父様やサルカンドの家族に心配を掛けたままなのは申し訳ない。と気付く位には頭が冷えたので、戻りました。


 あの後、花嫁不在で式は終わり、ブーケをもらった人だけは笑顔で帰られたそうです。ハリシエダ様は王太子様夫妻とご両親、アラン父様とマリアナ母様に囲まれて、なんで私の転移のスキルをバラしたのか問い詰められたそうです。魔法バカ⁉︎なハリシエダ様は滅多に居ない転移スキルの持ち主として発表出来た事が満足だったそうで、自分の妻はこんなに凄い!と自慢しただけだそうです。私が転移した時は、びっくりして邸に帰っただけと思っていたらしく、不在の私の態度が幼くて失礼しました。と客に謝っていた。と聞き、更に私の気持ちは冷えました。


 ランティス様が王太子様の呼び掛けに応えず、他の聖獣様の姿も見えない事を知り、邸にも私の姿が無い事を知り、やっと、事の重大さに気付いたらしいのですが、どうする事も出来ません。私が見つからないのですから。一応、宣誓書に署名があるので、婚姻は成立しています。なので、ハリシエダ様の地位はそのままですが、皆の眼が冷たいです。


 ハリシエダ様は『ミスティーヌさんの気持ちを良く考える様に。何故、誰にも言わずに隠していたのか。それを打ち明けてもらえた意味を踏まえた上で、その秘密を軽々しく取り扱った態度をきっちり反省する様に。口から出た言葉はもう取り戻せない事を思い知る時が来るだろう。』と皆から言われたそうです。でも、アラン父様から見たハリシエダ様は、言われた事の半分も理解できていない態度で居たそうです。


 アラン父様といろいろ話をして今後の予定を考えました。冒険者ギルドはアラン父様とサイトバル兄様のみを通しましょう。商業ギルドもサミュエル兄様に窓口を絞るだけです。後はハリシエダ様との婚姻を無効にする計画も立てねば。と思った処にランティス様が来ました。王太子妃様が『私がミスティーヌの秘密を明かしたばかりに…』と後悔されて体調を崩されたので、お見舞いに来て欲しい。と言いに来たのです。


 慌てて王宮に転移すると、半月前の薔薇色の頬が痩けてます。私を見て『ミスティーヌ!私の短慮であんな事になってごめんなさいね。』と泣いてしまいました。『いいえ!王太子妃様は何も悪い事はしていません!短慮だったのは誰にも相談していないハリシエダ様だけです!王太子妃様にはこんなご心痛を掛けてしまって、却って申し訳ありません。』と一気に話しました。


 部屋にいた侍女さんがお茶を用意してくれました。いつの間にかランティス様が王太子様を連れて来ました。私は王太子様にも短慮な行動だったと謝り、許して頂きました。お二人にこれからどうするのかを聞かれたので、内緒でサルカンドに戻る事と、リストランテには戻らず、ハリシエダ様との婚姻を破棄したい事を伝えました。宣誓書を出してしまったので、何か無効になる手立てを考えるつもりです。と伝えると、『処女なら白い結婚が成立する。』と言われました。貴族家は跡取りを作る事も重要視されるので、1年経っても妊娠しないなら離婚の原因として成立するそうです。


 『条件は後11ヶ月と半月で満たされますね。』とにっこりすると、王太子様は『まだ手を出していなかったのか…』と呟いてますが、聞こえなかった振りです。王太子様も取り敢えず⁉︎賛成してくれましたので、ほぼ1年我慢する事にしました。


 ハリシエダ様が公言してくれましたので、隠す事なく転移しまくっています。サルカンドのギルドではアラン父様の部屋で、マジックバッグに希望の魔獣を詰めて依頼を達成し、報酬を受けます。キュラスではサイトバル兄様の部屋です。ラキアさんがいるので問題ありません。他のギルドの依頼なんて無視しますし、私の王太子妃様専属は生きてますので、指名依頼も無視です。


 認識阻害の付与を施したマントを着て買い物をしていますが、ほぼ問題は有りません。顔認識が出来ないだけで、キチンとお金のやり取りをしているので。付与魔石に関してはエルーシャ姉様が窓口なので、キュラスの工房に飛びます。でも、姉様の部屋以外には行きません。


 今回飛んだのは教会のポーチの為です。前回に締めたせいか今回は規定数丁度で、全部に魔石もキチンと付いていたのでさっさと終わらせました。なんとなく掛けておいた結界に拒まれた誰かが店の入り口で叫んでます。エルーシャ姉様が出て行くとハリシエダ様がいました。従業員の中にハリシエダ様へ連絡した者が居る様です。


 『お願いします。妻に会わせて下さい!』と叫ぶ声がしますので、エルーシャ姉様に『依頼料は後日。』とメモを残して転移しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最強謳いながら周りに流されまくって自己を持たない主人公よりは、たまにはこういう主人公の方が好感は持てる。 繰り返し過ぎると何回同じ事やってんの成長しろよってなるけれど……
[一言] バラした元凶とはいえ心労でやつれてしまった王太子妃は可哀想かな…ハリシエダも女神の導きで結ばれた相手なのにこの体たらくはダメでしょうに しかも何が悪かったのかいまいち理解してるようには見えな…
[一言] このまま、めでたしにならなかったか。 憐れなハリシエダw 自らの口の軽さを思い知らないとな。
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