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セカンドライフ〜インベントリって素晴らしい  作者: 清香


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22 結婚を見据えて

 婚約から2年が過ぎて、今年、ハリシエダ様が20歳になります。私もサラマンダーの討伐や、未踏破のダンジョン踏破などの依頼を熟して国への貢献度を高めて来ました。ハリシエダ様の王宮での覚えもめでたく⁉︎結婚祝いとして子爵位を賜る事が決定しました。私が叙爵するなら法衣でしたが、ハリシエダ様が叙爵するので、リストランテ領のサルカンドに近い領地を分け与えられるそうです。


 現地に行って領内を見て回ると、ナント、私の両親の墓のある土地でした。ハリシエダ様と石を積み上げた場所へ行き、実は…と、私の過去を話す事にしました。『父の実家の商会はたぶん、王都にある大商会だと思います。父は三男で、私達家族は行商に出されました。母の実家は法衣男爵家だと聞いた記憶があります。そして、私が小さい頃、次男の伯父に雇われた盗賊に襲われ、私だけが助かりました。それから色々とあって、アラン父様に拾われて今日があります。』


 ハリシエダ様は私の話を聞いた後、『その事件は聞いた記憶がある。男爵家の当主は娘を金で平民なんかに売るからあんな目に遭うんだ。と陰口を叩かれ、心無い言葉に王都を逃げ出したそうだ。だが借金の返済の代わりに嫁がせた娘が苦労していた時に何も助けなかったそうだから、言われても当然だと言う意見が多かったようだ。』確かに、商会に住んでいた頃よりも、家族3人で行商に追い出された後の方が楽しかった思い出がありますね。『でも私の記憶では、父は母が大好きで何時も庇ってましたから、夫婦仲は良かったですよ。伯父2人の態度は悪かったけど、祖父母はそうでも無かったと思います。』と言うと、『次男の犯罪がバレた時に男爵家の当主が商会に乗り込んで、大切にするからと言われたから嫁がせたのに。娘を返せ!と騒いだのが悪かったらしいよ。身一つで。と言われて持参金も持たせず本当に着の身着のまま嫁がせた当主にも非はあるだろう。と感じた貴族は少なく無かった。という事だね。』あの商会での扱いを知ってる人がいたら仕方ないですね。


 話し合った結果、私の両親の眠っている小高い丘に領主館を建てる事になり、邸が出来たらお披露目を兼ねて結婚式をする事になりました。ハリシエダ様は王宮の文官から子爵領主になるので、仕事の引き継ぎを済ませてから、マジェンダ兄様から色々と教わる予定だそうです。お兄様が上司ですから少しは気が楽です。と笑ってましたけど、マジェンダ兄様の目は笑っていないように見えます。


 結婚後、私はナント、ギルマスになります。ここのギルドは不正が絶えず、王都のギルドから再三注意を受けているのですが、『改善が見られない。』と内偵さんからの報告が上がっていました。私が結婚するので冒険者をどうしようかとアラン父様に相談しているのを聞き付けて、渡に船とばかりに依頼されました。『実務経験が無いし、Sランクとは言えまだ18歳。誕生日が来ても19歳です!』と無理!を主張したら、ラキアさんが副ギルマスとして業務を取りまとめる事に決まってしまいました。他の職員も調査、面接の上、一新されるそうです。盗賊と癒着の有る冒険者ギルドの汚名返上の為には当然⁉︎と言うか、仕方ないでしょうね。


 …と覚悟を決めねば!と思っていたら、王家から待ったが掛かり、工房の相談をしていたエルーシャ姉様から、『サルカンドの工房はダニエルに売り、家族全員でキュラスに行きます。』と返事が来ました。サイトバル兄様はAランクでソロをしていますが、そろそろ引退してアラン父様の跡を継ごうか?と考えていた処、ラキアさんに呼ばれたそうです。


 Sランクの引退についてのみ、王家にお伺いを立てるのだそうです。帰って来た答えは『年齢的にも能力的にも引退は認められない。』だそうです。私も内心辞めたいと迄は思ってなかったのですが、結婚するから…と、周囲は引退するものと行動し始めたのですよね。誰も私に聞かないで。


 キュラスのギルドはサイトバル兄様がギルマスになり、私はキュラスに所属を移し、副ギルマスのラキアさんが専属になりました。図らずも⁉︎私の希望が一番調えられた形になりました。ラキアさんに話しを聞くと、王太子妃様の指示だそうです。結婚式の後、大量の望月華などに感激した王太子妃様から、ギルドを通して呼び出しをこっそりと受けていたのです。その時に色々と話しを聞かれて、冒険者活動や魔石の付与を始めとした創作活動などを聞かれるまま話していました。


 大きな怪我をした話も聞かないし、『ミストに何があった!』と王都のギルマスを呼び話を聞くと、『婚約していた貴族に嫁ぐ事になり、所属地のサルカンドを出る事になると報告がありましたので、引退するものと考えて、ならば、移動先のキュラスを任せたい。と考えております。』と、ギルマスの意見しか出て来ない。『引退はミストが言い出した事なのか⁉︎』と問い正すと『女性の冒険者は結婚を期に辞める者も多く、ましてや、ミスティーヌさんのお相手は子爵様で、平民が貴族様に嫁ぐので、その、冒険者風情というのも何か、ならば、いっその事ことギルマスになって貰えば良いのでは。と考えまして。』とグダグダと言い募って、見苦しかった!


 等と書かれたお手紙を頂き、一連の騒動の原因も判りました。『王都のギルドからの依頼は受けなくて良いからね。』とラキアさんに伝えると、『ミストは王太子妃様の専属になったみたいよ。』と凄く良い笑顔です。『…何があったの?』と恐る恐る聞くと王都のギルマスは私を使って、塩漬けになっていたSランク案件を、キュラスのギルマス対応として遣らせるつもりで動いていたみたいです。ナニソレ⁉︎ギルマス報酬じゃ釣り合う訳無いじゃない‼︎舐められた物ですね。思わず、私まで良い笑顔が張り付いてしまいましたよ。


 王都のギルマスからは貴族案件が持ち込まれたみたいですが、ラキアさんにことごとく突き返されています。たまに都合していたモリーノの涙も、もう出しません。王太子妃様を気に入ったモリーノは、時々王宮に転移してプレゼントしているみたいです。モリーノに気に入られた王太子妃様のお陰で?フェンリルは王太子様の守護獣になりました。ランティスと名付けられて会話も出来る様になりました。フェンリルは王家に居るものよね。と私は喜ばしく思っています。…ランティスの両親は何故かキュラスの子爵邸に居ますけど、たぶん、問題は有りません。人化してハリシエダ様の執事を勤めていたり、侍女長として邸の取り回しをしていても、問題有りません!私とハリシエダ様しか知らないから!もう、ホントニドウシテコウナッタ⁉︎


 ハリシエダ様と話していて、ご飯に釣られたカーバンクルが原因だから、美味しいご飯を作るミストに聖獣様達が魅了されるのは当然なんだよ。と結論付けられたのは納得出来ませんが、ハリシエダ様も私の作る料理は大好きと言ってくれるので、美味しいは正義よね!と開き直っています。シェフさんも私のだしの採り方とか味付けとかをよく聞いて来て、色々と研究してくれるので、ドンドン美味しい料理が増えてます。だからフェンリル様が居着いているのはシェフさんのせいだと思います。


 ハリシエダ様が頂いた子爵領はサルカンド伯領程広く無く、3村と1街が在るぐらいですが、このキュラスの街はリストランテの領都とサルカンドに挟まれた場所の為、程々には賑わってます。なのに、ギルドを含め、人材に恵まれていなかった。なのでサイトバル兄様がエルーシャ姉様を連れて、家族で移動してくれたのです。私はエルーシャ姉様の工房に材料を卸したり、頼まれて⁉︎魔石に付与したりする事になってます。一応⁉︎子爵夫人になるので、隠れてになるのかな?


 実は、領都のご実家で家宰を勤めていらっしゃる次兄のナイジェル様も、爵位を相続した暁には治めよう。とキュラスの街を狙っていたそうで、公爵様にキュラスの南側にある広い地域を予定してある。と告げられても中々納得されずに困った。と聞きました。今、その地を治めている方の娘と結婚されているそうで、ナイジェル様は、『これは公爵家の相続では無く、子爵家への婿入りだ!』と荒れているそうです。サミュエル兄様より年上と聞いているのですが、甘えの強い方だと思いました。


 伯爵家までは代々土地を継承出来ますが、子爵家や男爵家は法衣になると土地が継げないのです。ナイジェル様と婚姻繋がりになった子爵様は二代目で、お子さんは法衣になる予定だったそうです。既に嫡男様は王宮に出仕して騎士を勤めていらっしゃるそうですし、ナイジェル様とその娘さんとは学生時代からの恋愛結婚だと伺っていたのですが、何が不満なのでしょうか?


 この話を聞き付けたマジェンダ様が、『母が甘やかすからナイジェルは考えが足りなくなったのだ。』と公爵様に苦情を述べたそうです。公爵様も夫人に、『ナイジェルの教育は領主補なのだから私に任せて下さい。と、私が叱るのを止めていたが、これがその結果か?』と苦言を呈し、『ハリシエダの結婚式までに考えや態度が変わらない様ならば、私も何か考えねばならなくなる。』とおっしゃったそうです。後、半年程でハリシエダ様の20歳のお誕生日が来て、結婚式を執り行う予定ですが大丈夫でしょうか?


 サルカンド迄は馬で1日程の処に住む事になりましたが、転移を使えば、距離は無くなります。モリーノの事も王太子妃様を通じて王家には知られており、私自身が転移を使える事も王太子妃様だけはご存知です。ランティスのお陰で、私は王家に取り込まれる事も無く自由に過ごしてます。そろそろハリシエダ様に打ち明けても良いですね。


 王太子妃様にお茶に誘われたので、引き継ぎをしているハリシエダ様を呼び出してしまいました。いきなり王太子妃様のお部屋に呼ばれ、訳も分からず連れて来られたハリシエダ様は、私を見つけて更に不思議そうな顔になりました。王太子妃様が笑いながら私を呼ぶので、座っていた椅子から王太子妃様の椅子の後ろに転移しました。


 『ごめんなさいね。私が知っているのに夫となるハリシエダが知らないのは悪いかな⁉︎って思ったの。』と朗らかに笑う王太子妃様は悪戯に成功したと良い笑顔ですが、ハリシエダ様は微妙な顔ですね。『以前から、時間的に話の合わない事が度々あったので、もしかしたら?と魔術士の方に確かめていたので。やっぱりそうだったんだな。という思いです。』ハリシエダ様の斜め後ろに飛んで服の裾をそっと引っ張り、『隠していてごめんなさい。』と言うと、『大丈夫だよ。』と微笑んでくれたのでホッとしました。王太子妃様と3人でお話をして、モリーノに転移で飛んで貰っているうちに転移のスキルが生えて使える様になった。と話すと、有り得ない!と絶句されました。

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