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15 日常業務…⁉︎

 さてと。市場へ買い出しに行って常備菜などの補填もしたので、そろそろ冒険者ギルドに行って依頼の確認をしましょうか。楽しい依頼なんて無いかなぁ〜。とは言うものの、パールから洞窟へ遊びにおいで。とお誘いも来ているし。モリーノに頼んで転移しようかな?


 今日のやる事を悩みながらギルドに向かって歩いていると、サイトバル兄様に会いました。『ポーション入りのマジックバッグ、ありがとう!で、相談なんだけど、あれ俺の分の1個、ソルトンに売っても良いかな?ほら、俺はミストのお陰で高性能の持ってるからさ。』済まなそうな顔でサイトバル兄様が話し掛けて来ました。


 『あれはね〜、時間停止は掛けて有るけど、容量は馬車1台分ぐらいしか無いのよね。家族用の置き薬の薬箱って前提で作ったから。それでも良いならどうぞ。って感じです。と言うより、商業ギルドのギルマスから、金貨3枚で買えるマジックバッグの発注が来てるんだけど。ポーション用って売り文句で出すから、時間経過有りで良いらしいのよ。兄様なら、どの位の容量を期待します?』丁度良いので聞いてみました。


 自分で作っちゃうから市場価格を知らないのですよ。買いに行かないからね。サイトバル兄様が丁度良く話題を振ってくれたので相談しました。『金貨3枚なら1M四方の空間があったら充分お得かな。あ、ソルトンにはマジックバッグのみで金貨70枚で譲るつもりなんだ。あの性能だから金貨100枚でも安いけど、ソルトンの財布事情を知ってるからさ。使ってた物を譲る。って事で、奴の財布に合わせた値段にして良いかな⁉︎』まぁ、もう兄様にあげた物ですし、ソルトンさん相手なら良いんじゃないかな?『もう兄様の物だから好きにして良いんじゃないかな?エルーシャ姉様に良い?って聞いてあるんでしょ?』


 私の返事にキョトンとする兄様。エルーシャ姉様に2個渡したのはミラード君がバッグを欲しがるかも?と思っての事だったのです。ポーションは兄様のバッグに入れ替えれば良いからね。と説明すると、兄様はバッグの代金は私に渡すつもりだと言うじゃないですか。『もう、私の恩返しをお金で返却しないで下さい!』と拗ねてしまいましたよ!

 

 結局、ギルマスと相談して、修道院でポーチを作ってもらって、私は空間の付与をするだけになりました。私がポーチ迄作ってしまうと数が増えないのと、空間の付与を誰がしているかバレると困る。と言う本音と、教会の顔を立てる。と言う建前です。浄化のポーションの件で、この街の修道院だけ優れている様な評価が流れ始めて、王都の教会が拗ねているらしい。とシスターから相談があったそうです。そこで、同じ派閥の修道院で作ったポーチに、同じマークを刺繍したタグで魔石を隠し、それに空間の付与をお願い出来たら。と言う話しになりました。1月に一度ぐらいの間隔でまとめて付与する事になりそうです。数がまとまったらギルドに呼び出されて、商談室にこもって付与三昧です(笑) 出来上がった商品は、作った修道院のある商業ギルドで販売されるそうで、大元がサルカンドと言う事は秘匿にする契約書を交わしたそうです。サルカンドの一人勝ちは許せない。と言う王都の教会の考えもない訳ではなく(笑)目立ちたくない私には win win です。


 雑貨屋さんで綺麗な色の大小2冊のノートを買って、スケジュール管理を始めました。大きな方は日記帳代わりに思った事を書くつもりです。冒険者としての活動と、工房の仕事。それに、今回の空間の付与。成人したばかりの筈なのに、なんだかとても忙しい気がします。スケジュール帳には月の前半に工房を含む商業ギルド関係の仕事。後半に冒険者活動をメインにする。と、大まかな線引きを書き込みました。最低でも週1で休日をとる予定で、モリーノやパール様との遊びのお付き合いするつもり。モリーノもパール様も何か食べたい時は此方の都合を無視して来るので、充分ですよね!


 という訳で!今日は休日。部屋にこもって手芸三昧です。インベントリから布やビーズを取り出して準備します。糸を通した針でビーズを掬い、レースに縫い付けていきます。キラキラした花を刺し終えると、布の縁に縫い付けて替え衿に仕立てます。同じレースを使って長方形のシフォンに縁取ってショールを作ります。雑貨屋さんで買った紙に二枚セットで包みます。簡単なので、ビーズとレースを替えて何セットか作って満足しましたが、ふと、なんか足りない⁉︎と思い立って、ビーズとワイヤーでショールを留めるコサージュを作り始め、お昼も忘れて熱中していると、お腹を空かせたモリーノに怒られちゃいました。ランチを食べて、午後は端切れパッチワークです。一枚布だと異世界感が出ちゃいますが、細かいパッチワークだと気付かれずに済むと気付いたのですよ。最近のマジックバッグはパッチワークで作ってます。因みに、家族に渡したポーションポーチもそうです。暖色系と寒色系で2種類作りましたが、同じ配色にはならないので、手が混んでる!と喜ばれました。夕飯を家族みんなで食べた後はポーション作りで締めました。モリーノは呆れてましたが、充実してましたね。


 次の日、マリアナ母様から何をしてたか聞かれたので、無難な作品を見せて茶を濁してしまいました。母様に悪気は無いのですが『うっかり』をされると結構大変な事になるのが解ったので、新作は見せない様にしてマス。パッチワークには彼方の布も使って有るし、ビーズも…なので、以前作ったのと同じタイプの、作り置きしてあるリュックやトートバッグを見せました。特に空間は付けていないので、誰にでも気軽に渡せますからね。母様の気に入った物を聞いてプレゼントしました。


 さて、ギルドでラキアさんの受付に行き、お薦めの依頼を受けましょうか。久し振りにギルドに入ると依頼票のチェック。壁を見ていると、後ろから声がしましたが、私に言ってる訳ではないですよね?『嬢ちゃん、字が読めないなら教えてやるけどさ、そこに貼ってあるのはA〜Sランクの依頼票だぜ。FやEランクは右側の端だぜ。』だって。ラキアさんの方に行こうと振り返ると、兄様より大きい髭モジャさんが後ろに居ました。当然、見た事の無い人です。


 私の周囲には顔見知りの冒険者さん達と受付から出て来たラキアさんが、サッと壁を作りました。『えっと、どなたですか?』と声に出すと、『王都から来た、Cランクのゼーロだ。』と威張った感じで答えが返り、周囲からは苦笑が漏れました。ラキアさんが『此方はSランクの冒険者ですが。サルカンドで知らない筈が無いと思っていましたが、王都の冒険者なら仕方ないですね。』と言い捨てて、私を受付に連れて来たので、みんなもそれぞれのいた処に戻りました。


 前回でいろいろと納めたので、残りの依頼から受け付ける物を選んでいると、背後に誰か近付いて来ました。振り返らなくても分かりましたが、嫌だな。と思ったので結界を張りましたよ。邪魔される事なく依頼を受けて、ギルドを出ようと結界を解くと『無視するなよ!』と怒鳴り声がします。なんで見ず知らずの迷惑野郎の相手をしなければならないのでしょうか?面倒なのでモリーノに頼んで家に転移してもらい、門から出発し直して採取に出かけました。


 以前、金環鳥を捕獲しに行った山を目指しています。今回も3日の予定ですが、モリーノと2人ですからより多くの獲物をゲット出来ると思います。草原では何時もの様に一角兎をゲット。それに薬草と香りの良い花を採取して、森に入ります。結界を張ってランチを食べて休憩した後、山に向かって森を進みます。索敵を広く伸ばして魔獣などを探しますが、Gが多いです。集落は見当たらないものの、多いと嫌になりますね。依頼品のシルクスパイダーの糸は欲しいのですが、蜘蛛は得意ではありません。シルクスパイダーの範囲内にスリープを掛けて眠らせてから、罠や巣に使われている糸だけを根こそぎ確保して、ひっそりと退散しました。代金の代わりに⁉︎麻痺を掛けた上により深いスリープを掛けたGを何匹か置いて来ました。鑑定に拠るとGですら栄養にしてしまうらしいので。


 山の麓に着いたので、テントを建てる場所を考えながら登り始めました。索敵にオークが数匹で固まっているのが出てます。オーク肉も有ると喜ばれるので確保しましょう。木の陰から覗くと彼方も獲物を探しているみたいです。水魔法で顔を覆い、窒息させるとインベントリに仕舞います。インベントリの中に入れておけば時間は止まりますが、血抜きしないお肉は美味しく無いので、寝る前にでも木に吊るしましょう。


 次の獲物を探しながら頂上を目指して登って行きます。今回はワイバーンが狙いなので、前回とは違うルートを辿っています。なので、薬草や珍しい果物なども沢山見つかり、インベントリを賑わしてます。鑑定さんが働きまくっているので、採取し放題です!あのキノコは美味しけど滅多に見つからないマイータケですね。ラッキーです。モリーノのお陰ですね。


 茜色の夕焼けに促されてテントを張り、簡易竈門を作って夕飯の支度を始めると、モリーノと一緒にパール様が来ました。一角兎のシチューとフルーツパン、デザートにフルーツパフェが食べたいそうです。ドレッシングを掛けたサラダを足して用意し、楽しく夕飯を済ませました。


 夜の魔獣にオウルがいるのですが、賢い魔獣で人を襲わないので人気が有るのですが…何故か囲まれてしまいました。私が困っているとモリーノが来て、オウル達の卵や雛を狙っている魔獣が居て困っているから助けて欲しい。と言ってる。と通訳してくれました。モリーノに転移してもらい巣の周辺に索敵を掛けると何点かの赤表示が在ります。取り敢えずスリープを掛けて近付くと、体長3Mを超えるサーペントが居たので頭を切り落とし、魔石だけ貰いました。『お肉は淡白で美味しいから食べたい。』とオウルが言っているそうなので。赤表示を全部倒すと、『流石にこんなに沢山いても食べ切れない。』と言われたので、数匹だけ残してインベントリに仕舞いましたが、種族が違うとは言えパールには見せたく無いですね。


 オウル達と別れてテントに戻ると、お約束⁉︎のGが結界に這わせた雷魔法のお陰でこと切れてましたので、魔石だけ取って、テントから離れた処に穴を掘って埋め、焼却しました。クリーンを掛けて清浄して…もう、今夜は疲れたから寝ましょう!

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