part1
こんにちは!!
いや~もう一つのお話書いてるんですけどうしてもうまく繋がらなくてどうしようもなくて遂に違う話を書き始めてしまいました。いつか終わらせます『閉路』!!!
今回は恋愛小説になります。
実話とかじゃ全然なくて想像して書いてるんですけど、読んでくださる人に妙にリアルな情景が見えればいいなぁと思っています。
まぁ恋愛初心者の書く小説です。赤子を見るような感じで読んでください!!
「だからさぁ。お前はもうアイツのことは忘れるべきなんだよ。」
……そんなこと俺が一番分かってるっつーの。
「そりゃ簡単には忘れらんねぇと思うよ?だからさ、もう考えるのはやめて他の誰かと付き合え!ほら、告られてたじゃんこの前。だれだっけ。……オオシマさん?」
……コジマだよ。なんだよ芸人さんのネタみたいになったじゃんかよ。そんな子もうとっくに断ってる。
「はぁーあ。ほんと堪えてるんだなお前。そもそも付き合ってたっけ」
……。
「まぁお俺が可愛い子紹介してやるから!な! ……すみませーん。檸檬酎ハイもう一つ追加で。」
「……あんまり飲みすぎんなよ。」
「なんだよぉ。てっきり酔いつぶれてんのかと思ってじゃねぇか!」
「酔いつぶれてぇよ俺も!酔って全部忘れたいけど……それさえ許してくれないんだよこの頭は!」
俺は目の前のグラスに入ったお酒を一気に喉に流し込む。もうアルコールはほぼ残っていなくて溶けた氷が水になって俺の喉を潤す。
「どうする?なんか注文する?」
そう言ってメニュー表を渡してくる。こいつは俺の親友の拓也。二十歳を超えて親友なんて言うのには些かこそばゆさを感じるけど、ほかに言いようがない。親友。俺の最大にして最悪の悩みを言えるのもこいつだけ。
頭のてっぺんからつま先まで冗談で出来てるような、かといって適当ではなく一緒に居る人の心を軽くさせるようなそんなメンタリティーを持つ男。ただこんなスーパーマン的な親友に話を聞いてもらっても一向に消えることのない、どうしようもない悩みが俺の心を覆っていた。
別にもう注文しなくていいよっていう風に首を横に振りながらポテトを口の中に放り込む。そのポテトは味がしなかった。多分塩加減が薄いのだろう。備え付けのケチャップを付けても味がしないけど。
拓也に三千円を渡す。男二人の飲み会なんだもちろん割り勘。女の子と行くなら奢ってあげるのが男の務めだけど男同士ならそんなこと気にする必要もない。でも、そういえば君はいつも俺が会計を澄ましたらそっとお金を半分渡してくれてたね。『楽しい時間を一緒に過ごしたんだから半分払わせて?』こんな言葉が君の口癖だった。こうなるなら全部全部俺が払っていればよかった。君が次にこんな言葉を誰かに使う時に、かっこよく『大丈夫。俺に払わせて。』って言った俺を思い出すように。君が俺のことを少しでも思い出すように。
暖簾をくぐる。飲み屋の中のもわっとした空気から夜の冷たい空気に切り替わる。お酒で火照った顔を冷気が優しく包み込む。
拓也と別れて一人家までの帰り道をとぼとぼと歩き出す。俺の影を緩やかに映し出す月。今夜はクレセントムーン。雲一つない夜空に微かに輝く星々。その中で圧倒的な輝きの存在感を放ちながらも本来の大部分をごっぞり失っているクレセントムーン。
俺みたいだな。
何となくそんなこと思ってしまった。俺は今多分クレセントムーン。いや……意味わかんないな。こんなこと言ったら月とか星とか天体が好きな人に多分起こられてしまう。だって三日月って人気じゃん?満月の次くらいに有名な月の形じゃん?それを、こんな、ぽっかり穴の空いた俺の心と似ているなんて表現したらきっと怒られるに決まってる。
でも俺はそう思ってしまった。君と過ごしていたあの日々は間違いなく満月だった。この上ない幸せが俺の心を満たしてタプタプにして遂には溢れだしたその愛情はどこかに落ちることなく俺の心を覆ってた。凸凹で歪だった俺の心は君への愛情で包まれてその穴を埋め大きくまん丸に成長していった。満月のように。君を失った今は。三日月。君を失ったからって俺の心はあの愛情を簡単に流し捨てて元の凸凹の状態に戻したり出来なかった。その状態に戻せたなら俺はきっと君を忘れることが出来て他の女の子への愛情によってまた満たすことが出来ただろう。けど実際は君は別れの言葉と同時にごっそりを俺の心削り取っていったんだ。削る。そんなもんじゃない、掘るっていう方が正しい。そして俺は、俺の心は、希望を捨て切れず未練を光り輝かせている三日月になった。
「も~~俺はそうしたらいいんですか神様」
そんなことをちっちゃい声で呟いてみた。神様できることなら彼女を忘れさせてください。もう僕を自由にして他の全うな男子のように日々くだらない不健全なことを考えながら出会い系のごとくSNSを利用させてください。そこまでなくても。新しい出会い、夢中になれる趣味、学問、そんな当たり前の日常を俺に返してください。
ピロン
バイブレーションと共にスマホの通知音が鳴る。もぞもぞをズボンのポケットに手を突っ込みスマホを取り出す。
『美緒さんの新しいツイート通知』
ははは。笑っちゃうだろ。別れた今もこうやって彼女のツイート通知オンにしていち早く確認するんだ。ストーカーみたいだろ。気持ち悪いだろ。それほど……好きなんだよ。今も。
目頭が熱くなる。胸が苦しくてさっき食べた唐揚げの風味が口に広がる。彼女のツイート内容が俺の心をえぐる。
『13カ月。 いつもありがとう。』
そんな言葉に添えられた写真には俺の大好きな彼女の顔とスマホを弄っている彼氏の写真。写真に写っている彼女の顔はお淑やかに微笑んでいて品のよさそうな印象を与える。まさに清楚、そんな言葉を連想させるような表情だった。本当は大口を開けて笑うし、笑ったら目なんて線みたいに細くなるのを俺は知っているのに。
「13カ月……か。」
13カ月。君は彼氏ともう13カ月付き合っているんだね。でも覚えている?君が俺に別れを告げてからまだ1カ月も経ってないんだぜ。俺達って何だったんだろう?
風がビュウを頬をかすめて俺を慰める。それでも俺は君を忘れることかできない。




