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俺が、この家の家長になってから始めたことは、まず、家の拡張だった。
この村は、開拓村。
自分で開拓しただけ、自分の物になる。
なので、元々家と家の間は、1番近いものでも100メートルは、離れている。
俺の家はというと、森の横に建っていて、1番近いお隣さんでも数キロ離れているため、周りを好きに開拓して建物を拡張しても全くもって問題なかった。
なぜこんなにも離れているかというと、父さんが冒険者出身だったこともあり、最奥で守ってくれる方がいいということになっていたそうだ。
しかし拡張といっても、建て終わるまで時間がかかってしまうので、今の家はそのままで、新しく家を建てようと思う。
神様から、元の世界の技術について知識を貰っているから、地下1階、地上2階の建物にして、トイレに、お風呂、キッチンと仕切りを付けた部屋、食料庫、倉庫、洗面台は、完備したいと思っている。
まずは、家の周りの木を伐採しないといけない。
「ルシア~、ルシアに手伝ってほしいんだが。」
「なに、あんちゃん。」
「おう、家の周りの木を伐採するから、手伝ってほしいんだ。」
「わかった、いいよ。魔法でいいんだよね。」
「魔法でいいぞ。俺は、向こうから始めるから、ルシアは、こっちからな。」
「あんちゃん、頑張るよ。」
「おう、頼んだぞ。」
ルシアは、家の西側から始めて、俺は、家の南側から開始した。
魔法は、基本的に詠唱なんか必要ない。イメージがちゃんと出来れば、魔力を込めるだけで発動出来る。
俺は、目の前の森を幅2メートル、奥行き50メートルにわたって伐採するイメージで、なおかつ木の倒れる方向が、奥に向かって倒れるようにイメージした。
適当に、風の刃を発生させて切断でもいいのだが、そうすると倒木で怪我する可能性だってすてきれないからだ。
ルシアも、魔法を教えていたときに、そのへんは教えていたので、同じようにしているようだ。幅2メートル毎に右に移動して、魔法を使っていった。
以前も言ったとは思うが、ルシアは、天才だ。
魔力の総量からすると、俺には遠くおよばないが、魔法の使い方は、俺には勝る。
俺は、25回ほどで終わると思っていたのだが、ルシアが伐採した範囲は、幅2メートルで、奥行き100メートルで伐採していた。
と、いうことは、あと、25回は続けないといけないということだ。
まあ、時間もまだ30分くらいしかかかっていないので、続けていった。
これで、100メートル×100メートルの敷地が出来上がった。
次に俺は、伐採した木を全て枝を切り落とし、これまた魔法で、木の中の水分を乾燥させて、アイテムボックスに保管していった。
「ルシア、次は、切り株を全てなくすぞ。やり方は、好きにしていい。」
「本当?思いっきりやってもいい?」
「ちなみにどんな風にやる予定だ。」
「そうだね、細かく切り刻むと思うよ、あんちゃん。」
「おう、それならいいぞ。ただ、切っていない木を傷つけないようにな。」
「わかった、あんちゃん。」
「それじゃあ、俺は、材木を準備するから、頼んだぞ。」
「うん。」
ルシアに、切り株を取り除く作業を任せて、俺は、材木を製材し始めた。
まだ、釘がないので材木を加工して繋ぎ合わせることにしたので、柱用の角材と、土台用の角材を準備していった。
地下には、換気用の穴を掘り、外には煙突のように突き出し、屋根をつけて雨水が入らないようにしておく。
基本的に地下は、倉庫にする予定だ。但し、アイテムボックスを利用した無限倉庫にしてみようと思っている。
今まで試しに道具に、魔法を付与してみたことがあるけど建物に付与するのは始めてだし、魔力の維持をどのようにしようか迷っている。
一応案としては、山の洞窟の中で採れる魔鉱石や、魔物の体内から採れる魔石なんか使えるんじゃないかと思っている。
出来るんであれば、自分の魔力を固めることが出来ないか何回か試しているところだ。
魔鉱石や魔石なんかには、自分の魔力を込めることが出来ることは確認しているのだが、これは、それぞれの大きさや質によって限度があって、それを越えてしまえば、崩壊してしまうのだ。
ただ、込める魔力によってその力も変わっていき、水に変換した魔力を込めると、水が出て、火に変換した魔力を込めると、火を出したり、熱だけ出したり出来るのだ。
キッチンには、この水の魔鉱石と、火の魔鉱石を使用した、コンロと流しを作る予定だ。
お風呂には、水の魔石と、火の魔鉱石を使用したお湯を溜めておくタンクを使用したお風呂にしたいと考えている。
これだけで、調理も清潔も保てると考えている。
トイレについては、この世界にもスライムがいる。
この世界のスライムは、益魔獣なのである。
元々の家にもトイレはあるのだが、ボットン便所で下にスライムがいるのだ。このスライム、汚物はもちろんとして、生活排水なんかも食べてくれるし、生ゴミも食べてくれる大変重宝される魔物なのだ。
しかも、暫くすると勝手に分裂して殖えていくので、足りないということはないのだ。
もし、増えすぎてしまえば簡単に殺すことも出来るので、溢れる心配もないのだ。
トイレも、ボットン便所ではなく、水洗にしてみようと思うし、排水は、キッチンもお風呂もトイレもダストボックスも全て同じ所に集まるようにしようと考えているので、スライム様々で清潔を保てる予定だ。
俺は、色々考えて建築を進めていった。
そして、3ヶ月後家が完成した。
計画していた通り、地下1階、地上2階ではなく、地下1階、地上3階の建物で、建物を建てた敷地は、おおよそ100坪ほど。
地下は、4つの倉庫と、3つの作業場、1階に、ロビーに、リビング、キッチンに食堂、お風呂、あとホールだ。
2階に、客間×10、母さんの部屋、ルシアの部屋
3階に、俺の寝室、書斎、お風呂、予備の部屋×3だ。
各階に、トイレは設置している。
今回の配管は、木に魔法で撥水の処理をして、配管にしているのだ。
今後建築する上には、配管については考えていかないといけないと考えている。
地下1階の下に、スライム部屋があるのだが、今のところは、スライムは数匹だけだが、すぐに殖えていくと考えている。そうしたら、他にも考えていることがあるから、実行したいと思う。
整地が終わっている敷地だけで、あと3000坪ほど残っている。この敷地には、牛、豚、鶏を飼いたいと思っている。
すでに候補も決まっている。
鶏は、ドドードリだ。
ドドードリは、見た目は鶏なのだが、大きさが違う大体小さいサイズのものでも、1メートルはあるのだ。
豚は、ファングボア。
ファングボアは、牙が発達した猪なのだが、かなり温厚な性格で、襲われない限り、ファングボアから攻撃してくることはないのだ。
牛は、ホワイトバッファローだ。
ホワイトバッファローは、よく乳牛として人の家畜で育てられてる魔物だ。
これらは、全て魔物であり、繁殖力も高い。
しかも、成長速度が尋常じゃない。そのため、家畜として飼っている人でも、1頭だけだ。
繁殖はさせていない。ホワイトバッファローの由来は、いつでも乳を搾ることが出来るためについた名前らしい。
そのため、この3種類については、他の魔物からも襲われやすいので、強いものに依存する習性も持っている。
ホワイトバッファローとファングボアは、以前群れを見つけているのですぐにでも連れてくることが可能だが、ドドードリは、以前狩ってしまったため、今保管している卵をふ化させる必要があるのだ。
そのため料理に使用できなくなってしまうのだが。
とりあえず、それぞれの小屋と柵を作っておこうと思う。
木で作ってもほかの魔物に襲われてしまえばひとたまりもないので、魔法で周辺の土を硬化させ柵を作ろうと思う。
それぞれ高さ3.5メートル、縦横30メートルを3つ作り上げた。間に5メートルずつ通路を作っておいた。
残りの土地は、畑にする予定だというか、すでに母さんとルシアが畑を作ってしまっている。
今まで、村で買ってきていた野菜や麦と一緒に、俺が森や山で見つけていた野菜も栽培を始めているようだ。
ただし、普通の人がこんな野菜を見つけてきて植えて、育ったものを食べてしまうと死んでしまうことが多いのだが、今栽培しているものは、全て1度俺が触っておりすべて食べれるものになっているのだ。
この世界、麦も食べれるもので栽培されていれば、育ったものはすべて食べることが出来るのだが、食べれないもので育ったものは、半分食べれて、半分食べられないのだ。
この世界、命が軽いのだ。
食べ物がなく死んでしまう人はもちろん、食べれるものだと思っても、実際に食べれなかったり、そこいらじゅうに魔物がいて、人が住める場所のほうが少なかったりする。
そんな世界に、こんな能力をもらって転生してもらった俺、俺よりすごい人なんかたくさんいるとは思うのだが、そんな人に出会えることはあるのか、俺の家族が幸せに生活できるのか、1人で悩みつつ生活を改善していったのだ。
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