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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
読者の方にお願いがあります。
ドラゴンの名前を募集したいと思います。
ドラゴンの色は、成長に伴い変わっていく予定です。属性と色が必ずしも一致しているわけでないと考えていますので、可愛らしい名前を一緒に考えていただけたらと思います。
どういった意味があるかなどもあると助かります。
よろしくお願いします。
キッチンにドラゴンと向かった俺は、ドドードリなどの家畜の生肉を取り出し、
「お前、このまま食べれるか?」
ドラゴンに向かって確認してみた。
何となくだが、言葉をすでに理解しているらしく、首を縦に振り、
「キュー、キューキュー。」
と嬉しそうに泣き、俺の回りを飛び回った。
「わかったから、まずそれを食べていてくれ。」
やはり、肉食でいいのだろう。
野菜も食べるか試してみたいが、調理した肉も食べるか確認したいと思う。
キャベツを角切りにして、玉ねぎをスライス、ニンジンを千切り、それにファングボアのばら肉のスライスと炒めて、塩、胡椒、醤油で味をつけて皿に盛り、ドラゴンの前に出して上げた。
やはりというか、不思議そうに料理を見ているし、確認するように匂っている。
「キュ~?」
俺の顔を見上げて、さらに不思議そうにしている。
「食べていいんだそ。」
「キュー?」
「俺が調理したものだ、食べてみてくれ。」
ドラゴンは、恐る恐る口を近づけていった。
熱いのは平気そうで、特に冷ましているわけでもない熱々の野菜炒めに口をつけた。
「・・・・・」
ドラゴンは、無言で食べ続けている。
「ゆっくり食べろよ。足りなかったら追加で作るからな。」
「・・・・・」
目は、こっちを見てはいるのだが、口は皿に突っ込んだままであるので、一切しゃべらないのだが、すでに目が、
(追加でお願いします。)
と、言っているようだ。
簡単なものなので、すぐに追加を作り始めたが、料理している音を聞いてきたのだろう、ルシアも椅子に座って待っているようなので、同じものを多く作っていったのだが、ルシアは待ちきれないのか、足をバタバタさせているので、作り置きしてある唐揚げを出して上げた。
ルシアが、唐揚げを食べようとしたところ、ドラゴンがその唐揚げを横からつつきだした。
「あ~、駄目だよ!これ、ルシアんだかんね。」
続けて食べようとしたドラゴンに対して、皿を持ち上げ体で隠すようにして、ルシアが威嚇している。
「グルルルル、キュー。」
ドラゴンもルシアに威嚇しているのだが、全然怖くない、むしろ可愛らしいくらいである。
「可愛く鳴いても駄目なものは駄目だかんね。」
ルシアは、ちょっとかわいそうと思っているのだろう、お皿の位置が少し前に出てきたのだが、その僅かな隙を狙ってドラゴンが飛びかかったのだ。
「キューーーーー。」
「あーーー、駄目だってーーーー。」
ルシアは、上半身だけ逃げるように体をそらしてしまった。
もちろん椅子の上で、飛びかかっているドラゴンがルシアに体重を預ける形になっている。
ドン、ガシャーン
案の定、ルシアとドラゴンは、椅子ごと倒れ、持っていた皿と唐揚げは宙をまい、その光景を見ているルシアとドラゴンは、あっ、という顔をしている。
ルシアとドラゴンは、もうスローモーションのように唐揚げと皿が飛んでいるのが見えているだろう。
ドラゴンは、床に落ちた唐揚げを食べようと飛び出そうとしたのだが、
「駄目、ドラゴンちゃん、危ないよ。」
ルシアがドラゴンを捕まえ止めているが、ドラゴンは必死に唐揚げを食べに行こうともがいている。
俺は、すぐに落ちた唐揚げと割れた皿をまとめてアイテムボックスに収納した。
「キューゥ。」
唐揚げが急に無くなったのをみて、ドラゴンは悲しそうに声を上げた。
「すまないなドラゴン、食べ物じゃないものが入っている可能性があるから皿が割れた近くの食べ物を食べさせるわけにはいかないんだ。ちゃんとお前の分も出してやるから、ルシアのを取るなよ。」
ドラゴンは、嬉しそうに顔を上げてから、顔を上下に振った。
「ドラゴンちゃん、もうルシアの食べたら駄目だかんね。」
「キュー?」
ドラゴンは、惚けた顔をしてルシアを見つめた。
「惚けた顔しても、あげないからね。」
「キュー。」
ドラゴンは、仕方なそうな顔をしながらも、頷いていた。
「さあ、話もついたようだから、新しい唐揚げを出すぞ。出してもすぐに飛びかからないこと、いいぞっていうまで待たなかったら、収納するからな。」
ドラゴンとルシアは、互いの顔を見合い、すごい勢いで上下に顔を振った。
それぞれの前に皿一杯に唐揚げのせて置いた。
「あんちゃん、食べていい?」
「キューーーーー?」
「ああ、いいぞ。」
ドラゴンとルシアは、飛び付くように唐揚げを食べ出した。
それを見た俺は、作りかけの野菜炒めを調理して、これもそれぞれの前に置いた。
「アイテムボックスの中の唐揚げが心許ないな、これも追加で作っとくか。」
俺は、一口だいより少し大きいくらいにカットしたのドドードリのモモ肉に、薄口醤油と、軽く塩・胡椒を振り、揉みこむ。
それをしばらくおいてから、片栗粉を衣としてつけて、揚げる。
まずは、少し低温でじっくりと揚げて、軽く油を落としたら、次に高温の油で衣をカラット揚げる。
これをひたすら揚げ続けるのだ。
俺が揚げ続けている後ろで、唐揚げと野菜炒めを食べ終わったドラゴンと、ルシアがこっちをじっと見ているんだ。
「お前達いい加減にしとけよ!後でみんなでご飯食べるときに食べれなくなってもいいのか?」
ルシアは、まずいとわかったようで、慌てたように、
「ごめんよ、あんちゃん。今から母ちゃんの手伝いしてくる。」
と、言って走って出ていった。
ドラゴンは、何故怒られているかもわからないようで、首を傾けて戸惑っているようだ。
「ドラゴン、食事は今食べた分で終わりだ。」
「キュー?」
「今作っているのは、食べれないんだ。」
ドラゴンが、俺のズボンの端を口で挟み、引っ張ってねだってくる。
「いや駄目だ、生まればかりでいろいろ食べれるかもしれないが、食べ過ぎて太ったドラゴンにならせるわけにいかないからな、食事の量は、きっちり管理するぞ。」
「キュー。」
ドラゴンは、諦めたように項垂れ、俺の少し後方に下がって、俺が揚げ終わるのを待つのだった。
ドラゴンの名前は、感想でいただけたらありがたいです。
よろしくお願いします。




