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今回はちょっと短めです。

その夜、従業員の寝室にて


「ねえ、ダン。」

「どうしたんだいエアラ?」

「フォル君ってさ、男性が好きなのかな?」

「え?」

「いや、今日ね、獣人の冒険者がいたじゃない。」

「ああ、犯罪者を王都に運んで貰うように依頼した冒険者だろ。」

「そう、その冒険者。」

「冒険者がいたけど、それで何でオーナーが男性好きになるんだよ。」

「だってね、フォル君が冒険者をみる目が寂しそうで。」

「別に寂しそうな目をしてたからって、男が好きって話しにならないだろ。」

「いや、あの目は、愛しい人が去っていくのを見つめる目だった。」

「いやいや、それはないだろ。」

「なんでないって言い切れるの?フォル君とそんなに付き合い長いわけじゃないでしょ。」

「それはエアラも一緒でしょ。」

「まあ、そうなんだけどね。」

「たまたま、そう見えただけかもしれないし、何か伝えたいことがあったのかもしれないしね。」

「でもダンは、フォル君がもし男性が好きだったとしたらどうする?」

「どうする?って何が?」

「ん?いや、忘れて。」

「オーナーは、オーナーだよ。それに女性と話しているとき楽しそうだよ。」

「う~ん、両刀使いの可能性も……。」

エアラは、妄想の世界に入ったようで、周りが見えなくなっていたのだ。

「おーい、エアラ~。戻っておいで。おーい。」


静かに2人の夜は更けていくのである。



同日夜、アパートにて。


「ねえねえ、アリス聞いた?フォル君凄かったらしいよ。」

「え?ベルなに?フォル君がどうしたの?」

「フォル君が悪漢を一瞬で倒したらしいです。」

「一瞬で!?」

「一瞬で!」

「・・・・・見たかった。」

凄く悔しそうな顔をしながら、ミールが呟いた。

「あはは、ほんっとにミールったら、フォル君のことが好きね。」

リリネが、ミールに指をさし、笑いながら指摘した。

「・・・・・。」

ミールは、何を言われているかわからなかった。好き?誰が?好き?誰を?私が?何を?私を?好き?フォル君が?何?

もうミールの頭の中は、支離滅裂であった。自分の気持ちが理解出来ていないだけでなく、好きという感情もよくわかっていないのだ。


「もうっ!リリネ、駄目じゃない、ミールが自分で理解出来てないことを言っても、ほらみてよ、ミール考えられてないじゃない。」

「ごめんベル。」

「もう、謝るのは私じゃなくてミールでしょ。」

「ごめんねミール。」

「・・・・・。」

ミールに反応がない。

「おーい。ミール戻っておいで。.........駄目だわ、反応がない。どうしようかベル。」

「しばらくしてからミールが元に戻ったら謝るのよ。」

「わかったわベル。」

「今日は解散しましょう、アリスはすでに夢の中みたいだから。」

「それじゃあ、ミールは私が送っていくわね。」

「わかったわ。それじゃあおやすみ。」

「おやすみ。」


4人の夜もこうして更けていくのであった。


そのころ、フォルは。


海岸付近の開拓がある程度落ち着いている状況なので、そこの開発を行うための魔道具の開発を行っていた。


「ハックシュン。ん?風でも引いたかな?」

フォルに限って風邪をひくなんてありえないのだが、めずらしくくしゃみが出たものだからそう思ってしまったのだ。


「とりあえず、海岸付近だというのにあまり海風が吹かないからな、魚を獲ったら一夜干しを作りたいからな、回転させてから一夜干しを作るしかないのかな。」


回転させるにしても、早すぎても駄目、遅いと虫がよってくる。適度な早さが必要なのだが、工業知識の中にあるので早さはわかっているのだが、魔石で作っていくとどうしても魔石からの効率によって早すぎるか、遅すぎるかになってしまうのだ。

魔石を動力にした魔石モーターからつなぐギアのサイズを調節しながら、スピードを考えているところだ。


フォルは、人の話題になっていることが多いのだが、本人はそれを知らない、無自覚のまま過ごしているのだった。







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