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「あ~あ、いつも代わり映えしないねここは、多いか少ないか位しか変わりないからね。」


今、1人でしゃべっている男は、神である。

この神が、見ているのは、渦。

そこには、白い光を放っている玉が、回りながらその中心に順番に入っていっているのだ。


「ん?何か珍しい光を放っている玉があるな、ちょっと面白そうだ。」


その神は、その玉を手元に吸い寄せた。


「この玉は、珍しいね。自分で死んだことを理解していないくせに、死の流れには乗っかっている。死んだ自覚がないから、いまだに希望に満ち溢れている。虹色に光るなんて、人々に希望を与えていたんだね。ちょっと面白そうだ。話せるようにしてみるかね。」


神は、玉に手をかざした。

すると玉が、肉体?らしきものをまとい始めた。


「ちょっとあんた、私が言っていることわかるかい?」


「え?だ、誰ですか?ここは?」


「まあ、そんな反応になるだろうね。ちょっと説明すると、ここは、輪廻転生の最後の渦だよ。その渦を通れば生まれ変わるのさ。」


「り、輪廻転生?」


「そうさ、輪廻転生。命は、必ず廻るのさ。ただ、次の命は、人になるか、ならないか、どの世界になるか、こればかりは、ランダムだからね。ただ、この渦に来た時点で、次は決定してるんだけどね。」


「い、いえ、そんなことじゃなく。次の命?え?俺は、し、死んだ?」


「そうさ、死んでいるのさ。ただ、あんたみたいなタイプだと、そこに残留するのに、あんたは、珍しくここまで来たのさ。」


「やっと、沢山の人に俺の料理を食べてもらえるようになったのに、な、な、なんで、お、俺、も、もう・・・・・。」


「まあ、そんなに泣かなくていいよ。」


「え?あなたは、そういえばこんなところにいるということは、神様ですか?神様なら生き返らせてください。」


「まあ、すまないがそれは、出来ない。その代わりといっちゃなんだけど、次の世界、あんたは、人であることは確定しているが、この世界、食べ物はあるんだが、人が食べることが出来るものが少ないんだよ。この世界は、寿命も力なんかも、食べることで得ることが出来る世界なのさ。」


「は、はあ。」


「ただ、そんな力や寿命を得るのに拒否反応が強くて食べれなく死んでしまうことが多い世界なのさ。」


「そ、それじゃあ、料理しても、食べてもらえるのは難しいですね。」


「いや、そこは、私があんたにいくつかスキルをあげようじゃないか。そうだね、あんたが触った食べ物は、誰が食べても拒否反応が出ないようにして、モンスターがいて、魔法もある世界だから。」


「え?モンスター、魔法があるんですか?」


「ああ、モンスターも食材になるよ。食材を採るために困らないように、力をつけてあげよう。それと、道具なんかも必要だね。自分で使う道具を作れるように、鍛冶の能力と簡単に鉱石なんか加工できるように、錬金術の能力。あとは、そうさね、元の世界で使っていた道具が作れるように、元の世界の工業製品の知識くらいかね。あと、なんか必要なものはあるかい?」


「い、いえ。あっ!農業や養殖などの知識ももらえますか?」


「いいよ、次の世界生まれ変わったら、魔法を制御する練習をするんだね。さすがに経験は、自分で得ないと意味がないからね。」


「はあ、魔法の制御ですか?」


「やり方は簡単さ、自分の中に小さな玉があることをイメージしてごらん。」


「はい。」


「そのイメージした玉から手や足といった体に伸ばすイメージをするんだ。何か感じるかい?」


「いや、今のところ全く。」


「そうさね、今まで魔法がない世界だったからね。それじゃあ、私があんたの体の中に魔力を流すから感じてみな。」


「はい。」


神様は、俺の胸の前に手をあてた。


「行くよ。」

急に、俺の胸の中が熱くなってきたのを感じていた。


「どうだい?なんとなく何か感じるだろ。その状態で、さっき言っていたことをやってごらん。」


俺は、今熱くなっているところに玉をイメージして、その玉を伸ばし始めた。


「う、うお~。」


「わかってきたみたいだね。もう、自分の魔力を動かせてるよ。」

そう言っている神様は、すでに俺から離れていた。


「これですね。覚えました。がんばります。」


「ああ、頑張んな。それじゃあ、次の世界に送ろうかね。私の加護があるから、記憶を持ったまま行けるからね。」


「色々とありがとうございました。」


「ああ、頑張んな。それと、料理余裕もって作れるようになったらでいいから、私に贈るように祈ってちょうだい。将来あんたの料理食べさせて。それじゃあいってらっしゃい。」


俺は、微睡みに沈んでいった。



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