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それから少しして、俺は、アーベルトさんの店の建設について考えていた。
「まずは、店舗用の建物と、倉庫に住居用の建物、あと厩舎。それに、馬車を停めておくスペースが必要かな。」
「あんちゃん、あんちゃん。」
「ん?」
「井戸もないとね。」
「それは、もちろんだな。あと、従業員どのぐらい雇うのかな?場合によっては従業員用の住宅も必要かな?」
「それはあとからでもいいんじゃない?」
「それは、そうだな。まあ、敷地だけは確保していればいいか。」
「お~い、フォル坊居るぎゃ?」
外からルドルフさんの呼ぶ声が聞こえてきた。
「は~い、今行きますよ。」
「はいはい、ルドルフさんですね。どうぞ。」
俺は、ドアを開け中に招き入れた。
「おう、すまなあだぎゃ。そろそろ店の打ち合わせをしたぐでなぁ、どの辺に作るか決まってるのぎゃ?」
「そうですね、アーベルトさんの店は、うちの向かい側のよていですね。ルドルフさんの店は、工場の横辺りと考えているのですが。」
「そこでいいのきゃ、そこなら助かるで。」
「建物に関しては希望は、ありますか?」
「まず、馬車は多目に停めれる場所がいるだ、食堂も必要だで、それに、軽く汚れを落とせる場所も欲しいだぎゃ。」
「部屋数は、どのぐらい必要ですか?」
「そうだで、少なくとも30くらいは、欲しいだで。でも、部屋の広さは、同じじゃ駄目だ。1人用に、2人用でベッド別と2人用でベッド1つ、3人用、4~5人用、と大人数用、あと特別室を作って欲しいぎゃ。」
「割合としてはどのぐらいで?」
「特別室は、一部屋でいいだ。1人用は9部屋、大人数用は2部屋、4~5人用も2部屋、3人用6部屋で、2人用が5部屋ずつでお願いしたいだぎゃ。」
「わかりました。それ以上で作りたいと思います。」
「それとな、フォル坊頼みがあるんだぎゃ。」
「なんですか?」
「女房と別れることになっての。」
「何でですか?」
「この村に残ることにしたぎゃ!それで女房は、都会に引っ越ししたかったみたいなんだぎゃ!それで喧嘩になっての、離婚することになったんだぎゃ。」
「そうだったんですか。」
「それで頼みというのが、料理をしてくれる人を紹介して欲しいんだぎゃ。出来たら従業員も。もといた従業員も出ていきやがった。」
「そうですか、従業員はアーベルトさんに頼めばなんとかなるんじゃないでしょうか。ただ料理人ですか。これは、難しいですね。」
「なんでだぎゃ?」
「料理人なんて、店やってる人か、引退した人ばかりじゃないですか、そういえば、今まではどうしてたんですか?」
「女房が料理担当だったんだぎゃ。おらは、掃除、洗濯、肉体労働と、計算担当だぎゃ。」
「そんな見た目して計算担当だったんですね。」
「おう、女房が計算苦手だで、おらがしないといけなかったんだきゃ。」
「料理人目指していて、何処にも雇われていない人かぁ、誰かいたかな?」
「フォ~ルさ~ん。」
「ん?今呼ばれた?」
「フォ~ルさ~ん。」
「やっぱり呼ばれた。外からかな!」
すぐに玄関に行くと、そこにはエアラさん達パーティー一行と、見知らぬ男性が一緒に立っていた。
「いらっしゃい、どうしたの?」
「すいません、いきなりで。まあ、ここじゃなんですから中で。」
「いやいや、それ俺がいう台詞。エアラさんがいう言葉じゃないし。」
「・・・・そう、エアラが言う言葉じゃない。それじゃ中に。」
「ミールが言う言葉でもないよ。まあ、いいよ長々と玄関先で話していてもね。さあ、入って。」
「・・・・ん!」
ミールは、嬉しそうに一番に入っていった。
男性は、エアラさんと手をつないで一緒に中に入って行くところで、俺に軽く会釈をして、通りすぎていった。
「今ルドルフさんも来てるから、適当にくつろいでいてって、もう皆くつろぎすぎだろ。」
皆、ソファーに座ってくつろいでいる。男性だけが、どうしたらいいのか戸惑ってはいるものの、エアラさんに引っ張られエアラさんの横に座っている。
「ところでさ、紹介してくれない。まあ、大体の予想は出来てるけど。」
「あっ、ごめんなさい。私の夫でダンっていうの、今日は、フォルさんにお願いがあってきました。」
「すいません、自己紹介が遅くなって。自分ダンって言います。エアラとついこの間夫婦になりまして、それなのに働いていた店が閉店してしまって、今失業中なんです。折角料理の修行していたんですが、」
「なに、にいちゃん、料理人だぎゃ!失業中!丁度よかっただぎゃ。」
「丁度よかったってなんですか、うちの夫の失業が!」
「おう、丁度よかったんだぎゃ、今フォル坊に料理人を紹介して欲しいと頼んでいたところで、もしよかったらうちで働かんか。もちろん住み込みでお願いするだぎゃ。」
「ほ、本当にいいんです?ば、場所は?」
「ここの隣だぎゃ。フォル坊に建築を依頼したところだぎゃ。」
「フォルさんの隣ですか、楽しくなりそうですね。ルシアちゃん、遊びましょうね。ルドルフさん、私も働かせてください。夫婦で住み込みで働きたいです。」
「おう、願ってもないだぎゃ、よろしくお願いするだぎゃ。」
「トントン拍子に話がしゅ・・・、また噛んじゃった。」
「また、アリスったら噛んじゃって。」
「もう、ベルうるさいな。それでフォル君私達もお願いがあって、エアラがここに引っ越すから私達の拠点もここに代えようかと思ってね。私達もここに住むところが欲しいんだ。なんとかならない?」
「・・・・一緒でいいよ。」
「皆さん1つの家でいいんですか?」
俺の発言で、ミールは顔を膨らませているが、今まで発言をしてなかったリリネさんが、
「そこはやっぱり別々がいいかな、集合住宅みたいな感じでもいいし、それぞれのプライベートは欲しいしね。」
「わかりました。ただ、これから建築を始めていくわけですから、それまでの生活はと。」
「ダン、お主は早速わしのところの今やっとる宿屋に来たらいいんだぎゃ。」
「はい、お世話になります。ルドルフさん。」
「おう。嫁さんも一緒にの。」
「はい、よろしくお願いします。」
「それじゃあ、残りのメンバーは、うちでそれまで寝泊まりしてください。」
「住宅は、工場と新しく作る宿屋の間に道を作って工場の横に建てましょう。」
「わだ・・・、う~いだい。」
「私達も手伝います。でしょアリス。」
「うん。ベルの言うとおり。」
「それじゃあ、明日から始めますから、皆さん今日はゆっくり休んでください。」
「ダンは、すぐにうちに行くだぎゃ。」
「わかりました。」
ルドルフは、ダンさんの腕を掴み、駆け出していった。
そのあとを急いでついていっているエアラさんを忘れて。
「ルシア、皆を部屋に案内してくれ。」
「わかったよあんちゃん。」
アリス達は、ルシアに連れられて部屋に入っていった。
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