真のスローライフとはなんぞや
スローライフとタイトルに有りながら、スローライフを送れないシナリオへの不満。
それをどうにかくつがえそうと頭をひねれば、シナリオはメリハリがあまり無い、盛り上がりすらほぼ無い作品しか書けなくなる訳で……。
これは主人公が与えられたチートを使い、スローライフで居続けるべく外道な力にも手を出す。
敵を極力作らず、自身が振るう力を全力で隠蔽し、世界を煙に巻く。 そんな短編物語。
※今作は演出の都合上、傍点とやらが多分に含まれております。 多少ウザさを感じるかもしれませんが、そこは見逃して頂けると有り難いと思います。
…………目が覚めると、そこは周囲が真っ白の空間。
首が動く範囲の辺りを見回せど、どこにも自分に見覚えがある箇所は無かった。
こうなる前……気を失う前の思い出せる出来事は、思い出そうとすると頭痛がする。
「目が覚めましたか?」
背後から不意に話しかけられて内心酷く驚いたが、それをどうにか飲み込んで表だけは紳士に。
優雅な動きを意識して、振り返って応える。
「はい。 ところでここはどこでしょうか?」
返事をしたは良いが、正直このまま会話をする余裕は完全に失われた。
なにせ自分へ話しかけて来た相手は長身で、なんと超がつくほどの美女。
亜麻色の髪に、深い緑色をして穏やかながら強い意思を感じる瞳、それと整いすぎた顔の造形。
視線を少し下へとやれば、男でも劣情を抱くより先に綺麗だと、みとれるプロポーション。
それがわかるトーガ……と言うのだったか、そんな種類の服を着ている。
…………なんだ、この美女は。 こんな美女と結婚できればなぁ~とか若い頃に思っていたが、馬鹿な考えだった。
眩しすぎて近寄れない、恋愛以前に讃え崇めて、崇拝しなければバチ当たりだと、勝手に心が引けてしまうほど美しい。
完全に言葉を失っていると、目の前に立っていた完璧な美女が困ったように笑う。
「そんなに誉めて頂いてしまうと、こちらが罪悪感に潰されてしまいますので、これ以上は……その」
おっと、美女を困らせてしまった。 こりゃ失敬。 申し訳ない。
「いえいえ、誉めて頂けたのはとても嬉しいですから、お気になさらず」
それは良かった。
…………ん?
「はい。 声でも心でも、伝えようとしてもらえれば伝わりますので」
あ…………納得。 返事して以降、しゃべってないのに会話をしていた。
ひとりで納得していると、美女が顔をきりりと引き締めた。
「貴方の死は、こちらの不手際によって起きた事故です。 なので我々は謝罪を兼ねて貴方の来世が幸せになる様、力添えをしたく思っています」
……そうですか。 分かりました。
~~~~~~
それから話している内に美女は女神様だったと発覚して慌てる一幕があった。
更に死因や遺した者・物の顛末を教えてもらったり、来世にて求める物でひと悶着あったり、その準備で話し合ったり。
そして自分が決めた来世の方針は、
スローライフ。
前世で散々悩まされたアレコレから脱却して、のどかな環境で死ぬまでのどかに暮らす。
大きな波はひとつも立たず、日常と言う範囲でのちょっとだけ刺激的な日々。
「どうぞ、素敵な人生を。 この度は大変ご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした」
そうなる様、なれる様女神様に見送られ、ファンタジー世界へ転生した。
~~~~~~
「お帰りなさい、アナタ」
「ただいま、ミリー。 これはお土産のお菓子だ、後で食べようか」
「やったー! このお菓子好きなのっ♪ さあ、早く入った入った!」
「元気だなぁまったく」
俺は転生してから色々して、早くも成人を迎え、村の幼馴染と結婚して新婚スローライフを送れている。
「馬車で往復20日かかる領都へ、村の納税に行って疲れたでしょう? 夕ご飯は出来てるから、一緒に食べましょ♪」
「ああ、日帰りで疲れたよ。 腹が減った、ご飯を作って待っていてくれて、俺は嬉しいよ。 ありがとう」
この村は辺境の地にある、とても平凡な村だ。
人口3桁で、主な産業は農業と言う、典型的な農村。
北には大きめの森、それ以外の方角は領民が1年で消費する量の穀物・野菜を作れるだけしかない広さの農地。
森は《恵みの森》と呼ばれ、絞れば液糖として使えるレベルの甘さを持つ、リンゴモドキの実が年中成る木しか植わっていない。
北から流れてくる太めの川が、中頃で3つ……各方角へ別れて流れて行き、それを農地の灌漑に使ってなんとか生活できる程度の村。
「俺がいない間、村はどうだった?」
「大丈夫よ、村のみんなは優しいもの。 ケンカひとつ起きないし、不幸だってとても少ないのが、この村の1番良いところでしょ?」
「ははは、違いない。 でもみんな幸せってのは、この世界なら当たり前なんだぞ?」
「へえ~、この村だけじゃないんだ?」
「ああ。 この村で作られた物は全て、手に入れたり食べたりすると、幸せになれるって評判だからな。 どんな国でもこぞって欲しがるそうだ」
「……ねえ、その話を誰から聞いたの?」
「今日行った領主様から、行く度に言われるんだよ」
そう。 村の生産品全てがそうなのだ、森の実も。
生のままだと輸送中に傷むから、様々に加工される。
遠い国で知れ渡っているのは、実を加工して作られた回復薬。 薬効がそんじょそこらの薬とは大違いで、その癖大量に作れるから一家にひとつとまで言われる。
現在回復薬を作れるのは俺ひとり。 その内後継者となる……子供かな?へ作り方を教える気ではいるが、作るのは簡単なんだよなぁ。
「ええー、そんな凄いんだったら、私達の村を巡って戦争とか起きるんじゃない?」
「ははは、絶対に起きないさ。 そんな事したら2度と村の物が手に入らなくなるからね。 幸せはみんなが欲しいものだし」
「あははっ♪ だったら安心ね!」
ミリーを安心させるべくああ言ったが、実際は少し違う。 幸せになり過ぎて産地を気にする気分を飛ばしている。
が、それでも、例外が出てくるのは仕方がない。
しかしそう言った者は村の情報を得られず消えていく。
「川で獲れた魚が美味しいね」
「ふふふ、忙しい家事の合間に、釣ってきた甲斐があったわ♪」
川にはこの村周辺特有、2種類の魔物が存在している。
川を気ままに漂ったり泳いだり、川底を這ったりして汚れを浄化してくれる、特殊な水棲スライム。
それと、スライム以外の生き物を見付けたらヒヒイロカネ級の硬さを持つ鋭い歯で、何でも噛み砕いて食べる《掃除屋》と呼ばれる魚型の魔物。
だが絶妙に噛み合わせが悪くて、釣糸を噛み切れず案外簡単に釣られてしまう、悲しき魔物。
それらが水中からの諜報員侵入を防ぐ。
「そうだ、帰ってきたからアナタは森の管理に行くだろうけど、いくら安全な森でも迷子とか思ってもみない危険とか。 あるかも知れないんだから、十分注意してね?」
「分かってるよ、安全第一。 危険無く1日を過ごせるよう、またミリーの笑顔をみられるよう、ご安全に」
「ん、よろしい♪」
実は村人にとっては安全だが、外の者からは《帰らずの森》と呼ばれている。
理由は単純。
設定されていない者は、森が養分にするからだ。
「そろそろさっきのお土産を食べたいなぁ?」
「そうだな。 悪くなる前に食べてしまおうか」
「やった♪ そうそうそれとね、釣りしてて見えたけど、今日は収穫する野菜が沢山あったみたいで、みんな大変そうだったよ」
「そうだなぁ、最近は天気が良かったし、そんな事もあるだろうな」
田畑もそうだ。
そっちには等間隔で、畑ならカボチャ頭の動くカカシなジャックオーランタン、田んぼなら藁の束で作られたストローゴーレムがカカシ代わりに立っている。
彼等はとても良い連中で、持ち場内にて村民の野良仕事が大変そうだと、手伝いをしてくれる。
もし手伝ってくれない場合は、要警戒。 何者かにやられて、こっそり取り替えられたと判断すべき。
それに彼等は思いの外強い。 持ち場へ入り込んだ草原猪と言う魔物程度なら、簡単に倒して村の貴重な肉として提供してくれる。
この間は世間で動く災害とか言われる、とても大きな牛をさくっとしばいて、俺達に肉を分けてくれた。
ちなみに村民が食べない肉は、ジャックオーランタンが魂コミで美味しく食べる。
残した殻は、俺達にお裾分けとしてく譲ってれたりも。
「むふ♪ ご馳走さまでした。 お菓子で私は大変に幸せです」
「買ってきて良かったよ。 それじゃあそろそろ寝る準備か?」
「やだっ♪ そんな言われ方したら、今夜期待しちゃうからね?」
「今日は沢山走ったから、疲れてるんだよ。 だからお手柔らかにな?」
「はーいっ」
「ははは……本当に手加減してくr………………すまん、まだちょっと仕事が残ってた。 行ってくる」
「えー、仕方ないなぁ」
「ごめんな」
ミリーへ謝り慌ただしく家を出て村の外で動く気配を探ると、南の隣国から続く街道でひと塊になった集団が、接近中だと判る。
報告の為に村長の家へ急いでいたら、その道で村長とばったり。
「…………」
「…………」
アイコンタクトと頷きで全て済ませる。
お互い目的は大体同じ。
要は、村の外に張られた侵入者感知結界から、多数の悪意害意を持った人間が入ってきたと報せがきた。 それが事実か確認。
そしてその対処を、村1番の強さである俺に任せる。 村長はそうアイコンタクトで、押し付けにきた訳だ。
断りたかったがこんな仕事もまた、村付き合いのひとつ。 なんでも嫌々言ってたら、村八分が待っているから無理をそう通せない。
ため息ひとつこぼし、やれやれと肩を少しすくめて出動となった。
日も落ちて暗くなってきた中、現場まで行くと街道上を松明掲げて歩く人の群れ。
ざっとした目測だと、およそ4000人。 全員完全武装の徒歩。
馬は村で育ったもの以外、全てなにかを感じて逃げるので、我が村はとても不便な村なのだ。
「ちっ。 誤魔化されない、例外が強行手段に出たか。 面倒臭ぇ」
思わず出てしまった汚い言葉を吐き捨て、俺がその群れの前に飛び出すと、全体の動きが止まり何者かが出てきた。
「何者だ! 何故我等の邪魔をする!!」
いつでも剣を抜けるよう柄に手をかけたまま、イラついた誰何を出されるが、全然恐怖も感じない。
なにせ相手は俺より圧倒的に弱いし、既に俺の術中だから。
「この先は平和な村しかありません! どうぞお帰り下さい!」
こう魔力も込めて声を張り上げてやると、群れの全てが狼狽える。
が、それだけだ。 俺に負けず、出てきた何者かは言い返してきた。
「その村に、我等は用が有るのだ! さっさと通せ!!」
もちろんそんなのは認められない。
「こちらに用は無い! お帰り下さい!」
再び帰れと言えば、さっきより大きく動揺する群れ。
その群れの勢いも弱くなり、下っ端連中の腰が引けて今にも逃げようとしている。
だが目の前にいる者は中々にしぶとく、まだ負けなかった。 ……柄にかけた手は、もう降りているが。
「良いから、通しなさい!」
……目は光が薄れた上に、泳ぎまくりである。
あとひと押しか。
なにもない空間から強い回復薬を詰めた袋を取り出し、それを渡しながら語りかける。
「あなた達には村への用事はないはずです。 どうぞお帰り下さい」
このお願いを機として、群れは目の光を完全に消して180°ターン。
「そうだったな。 失礼した、帰らせてもらおう」
俺と相対していた者も袋を受け取り、表情を無くしながらこう言って方向転換。
お土産で追撃も忘れない。
「どうぞ高級品のそれを上官へ飲ませてあげて下さい。 占領する価値もない普通の村でしたって添えて」
こう言ったら「ああ」と生返事を残し、去っていった。
やはり弱い連中だな。 簡単なお願いに負けて、目的を忘れて帰るなんて。
そのまま指揮官の下へ戻ってアレを飲ませ、更に上のが、そしてまた……。 これで全員幸せになって、目的を忘れるだろう。
ほくそ笑みながら、帰宅を急ぐ。
俺の人生目標は、英雄譚に登場しない穏やかな人生。
一般人として生きて、一般人として土に還る。
素晴らしきかな、スローライフ。
波乱万丈な生き方なんて望みはしない。
ささやかな幸せを得て、そのささやかな幸せを守り生きる事が、どれだけ良いことか。
前世みたいなセコセコした余裕のない生き方なんてゴメンだ。
規模の大きい困り事なんざノーサンキュー。
こんな人生だからこそ……いや、こんな人生でないと得られない幸せがある。
「ただいま。 村長も困ったもんだ、なんでも仕事を押し付けてきやがって」
「まあまあ。 でもそんな事より」
「ん?」
「そのイライラを、私を寝かさないって形でぶつけてみない?」
「あー…………お手柔らかにな」
「むぅ。 全力でぶつけてくれても、良いのよ?」
「今度、な?」
「しょうがないなあ。 だったら明日ね♪」
「今度って言ったよね?」
「だから、明日♪」
「OH……」
どんな手を使ってでも、夫婦での穏やかな生活を守ってみせる。 絶対にだ。
以後、作品として余計な情報っぽくなるので本文に載せなかった、裏設定を晒して行きます。
興味の無い方は飛ばしちゃって頂いて構いません。
~~~~~~
村の秘密
世界(星)に走る魔力だか魔素だかが流れる、地脈とか竜脈とか言われる物の、噴出口に有る村。
とても大切な物で、それを守るために監視者として村が存在する。
知恵と知性を持つ魔物もその重要さが解っている為に、力を惜しみなく貸している。
この秘密を知っているのは村長を始めとした極少数。 口伝・書物・石板等で遺しているが、どこまで失伝せずに残るものやら。
破棄された設定として、主人公が魔改造で中世ファンタジー世界なのに、鉄筋コンクリート構造の家々にしようかと思っていたけど、思いとどまった。
それで、村に建つ木造家屋の建材はどこから採ってきたかと訊かれれば、村から少し離れた普通の森から伐採してきている。
森
森の木々は全てトレント種だのドライアド種だのと言った、木に関する魔物。
なので作中に有ったリンゴモドキとは、魔物達の実であるが○○の実等といちいち呼び分けていられないので、仮称としてリンゴモドキ。
主人公夫婦の割り当てられた仕事は、その森の管理と見回り。
農地
地脈の影響により、栄養豊富・連作障害無し・多期作・多毛作とか言うチート農地。 お陰で野良仕事を割り当てられた村民は、いつも大変そう。
村の結界
主人公が仕込んだ。 警報装置としての役割と、村に関する隠蔽効果を振り撒く効果と、オキシトシンを少量分泌させる効果。
上記の2番目3番目にある効果が作物へと降り注ぎ、吸収されてヤバいブツへと至る。
村民は普段からこの作物を摂取している為、耐性がついて効果が薄い。
効果を強める場合は、主人公が直接施す。
地脈から来る魔力だか魔素だかを使って維持しているので、ほぼ半永久的に結界は張られ続ける。
世界
全体は緩やかな幸福で満たされている。 それがどんな力から来た結果だとしても。
そのお陰で歪んだ性根を持つ人間がとても少なく、世界は不幸や悲劇が少なく済んでいる。
己の胸に少しでも幸せが宿るなら、他者を悪く思う感情は芽生えにくい物。
神がこの世界を見たら、一体どんな評価を下すのだろうか。
主人公(名前未設定)
焦げ茶色の髪と深い紫色した目の青年。 モブよりは多少カッコいい程度の、微妙な顔立ち。 平均よりもわずかに高い身長、細身ながらもしっかりとした体格。
前世の記憶は、支え無し立ちを成功させた時に戻った。 だからどうしたと言われれば、確かに、と返そう。
生涯スローライフを掲げて今日も行く。 得たチート、全ては家族や村の為に。
嫁のミリー、ラブ。 許せる限り、要望にはなんでも応えたいし、いつでも甘えられたい。
前世でも幼馴染は居たが、恋愛感情を意識する前に他人に盗られた経験持ち。
気付くのは遅かったが、本人は幼馴染属性だったって話。
総員イカレ性能な村民よりも、頭抜けて高い能力を持つが、その能力で守りに全力。 ブラック労働ノーサンキュー。
転生で得たチート、クズ勇者御用達である洗脳・催眠の力を使い「特別な村ではないですよ?」と全世界を洗脳するべく、奮闘する。
結果として、この世界に住む人類は大部分、目の光がけっこう薄い。
必要になれば村民も催眠対象だが、現在はほとんどかけずに済んでいる。
平和で幸せが1番と、今日も世界に幸福を強制する。 我々は疑いようもなく幸福です!!
ミリー
茶色した髪と目。 髪は背中までで、ゆるい三つ編みにして垂らしている。 童顔気味で、体格はほぼ平均値。
新婚で浮かれきっている。 幼馴染だと恋愛感情が~と周りから心配されたが、そんな事もなく前世の記憶持ち主人公と言う要因もあって、問題なく想い合ってゴールイン。
恋愛感情系を操作する洗脳・催眠は一切かけられておらず、100%ミリーが抱いた愛情なので、心配ご無用。
嫁さんの集まりとかで夫の愚痴を聞かされていたけど、なんか聞かされていたよりいい生活が出来てるから安心している。
夜の生活も主人公は体力絶大で大満足だし、不満らしい不満はほとんど無い。
まあ主人公は主人公で、前世の知識総動員して嫌われない夫を目指し、至らないところは教えてほしいとお願いしてるし、夫婦仲がこじれるのは大分先だと思われる。
ミリーは村1番の釣り師。 村の川だけでなく、村民が散歩する範囲にある湖まで出向き、村民全員の1食分釣ってくる事も。
ふたりで新築の家に住み、周辺村民の睡眠妨害をよく行っている。
ふたりの両親
健在。
息子(娘)夫婦が馬鹿ップル過ぎてウザい。 もう少し落ち着け。 他の村民から苦情をもらうたび、そればかり考えている。
村民
村の秘密が原因で、全員能力が極めて高い。
村外との能力差を知っており、外で活動する際には上手く紛れる様、村長から指導を受けている。
村長
まだまだ若い。 最近のモンにゃあ負けねーぜ!
主人公をとても怪しんでいる。 ヤツの何気ない提案を試しに実行すると、大抵良くなるから。
灌漑だって知らなかった。 効率的な分業制とか説明されても、実際にやるまで解らなかった。
子供の内からかなり凄い事ばかりしている、ヤツは一体なんなのだ。
……デモ、アイツモ フツウノ ソンミンニシカ ミエナイ、ナゼダロウカ。
まあ良いや、村は今日も平和で幸せだ。 それに越したことは無い。 無いったら無い。
領主
完全に洗脳済み。
誰かから丈夫でよく育ち、沢山実りをつける麦の種をもらった。 それに奇想天外で考えもしなかった料理法が書かれたレシピも。
これは我が領最大の飛躍チャンス。 起こすしかない、ビッグウェーブを!!
侵略しようとした兵達
ムラハ フツウダッタヨ?
兵達の上官
フツウダッタネ。
将軍
ダレガ アノムラヲ シンリャク シヨウッテ イッタカナ?
侵略の命令書にGOサインをした、隣国の国主
アレ? ナニカホシカッタ。 デモイイヤ イマ シアワセダカラ。