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第六十九話

翌朝、なにやら外が騒がしい。日も昇りきっていない早朝から一体何だというのか。


「なんだ…朝からうるさいな。」


「お兄、外見てみて。」


スズカが部屋の木戸を観音開きにギィと音を立てて開ける。日の出前でまだ薄暗いハズなのに若干外が明るい。


「あれは…燃えているのか?」


「うん。それに昨日の場所と同じ方角。」


『コンコンコン!』


「ヴィクト起きてる!?」


「ああ」


リシュも気づいてこっちに知らせに来たようだ。返事をしながらドアの鍵を開ける。


「もう気づいてたのね。あれってやっぱり昨日の場所よね?」


「方角が同じなだけでまだ決まったわけじゃない…が。嫌な予感は外れていてほしいものだな。」


「そうね。いまカナが見に行ってるわ。」


さてどうしたものか。建物が燃え尽きて灰になった場所がまた燃えているということは、村全体の時間そのものが逆光してループしているのか、それともあの場所だけ建物が復活して燃えているのか。とりあえずこれを確認しないとな。


「俺たちみんなは昨日あの場所で建物が燃えて灰になった記憶があるということでいいんだな?」


「うん。」


「そうね。」


「よし。じゃあ後は村人の記憶がどうなっているか確認する必要がある。記憶があるならあの場所が怪しいし、村人も記憶がなくて昨日と同じことを言っているなら村全体がおかしいことになる。」


「そう…ね。とりあえずカナが戻ってきたらみんなバラけて聞き込みしてみましょうか。」


「いや、念の為2人ずつ分かれよう。何かあったらまずいしな。」


「わかったわ。」


しばらくすると宿の二階に人が上がってくる足音が聞こえてきた。カナが戻ってきたのだろう。


『バタン!』


勢いよくドアが開く。もう少し静かに開けてほしいものだ。


「おかえりカナ、どうだった?」


「予想通り昨日と同じだ。」


「そっか。周りに村人たちはいた?」


「ああ、そっくりそのまま同じこと口走っていたよ。」


「そうか…。」


「どうする?すぐに聞き込みに行く?」


「いや、同じこと言ってるなら逆に鎮火して落ち着いたあとのが良いだろう。寝なおそうぜ。おやすみ」


ベッドに戻り布団を頭までかぶる。スズカも無言でベッドに戻っていく。


「えー…あなたたちこの状況でよく二度寝しようと思うわね。」


「まぁいいわ。カナ、部屋に戻りましょ。」


「…。」

黙ってうなずく。


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