第六話
そんなこんなで5年ほど経過し、成長期だったこともあり一人前に大人っぽくなった。スズカの身長はあまり伸びず華奢で小柄な体型だ。元が狐だから人の成長速度と違い獣族に近いのだろうか。今後に期待するとしよう。ちなみに5年の間は、爺さんの手伝いをしながら身体を鍛えたり、気力について教わったりと修行に近いことをしていた。その中でわかったことだが、スズカは弓の才能があり、狩猟が得意でよく猪や鹿を狩ってきた。気力については水と風の適正があるようだ。俺はというと、槍と弓が少し得意で、気力は火、土、闇が適正ということにしてある。爺さんには秘密にしているが、あれこれ試していると全属性が使えるようになった。普通扱える気力は、1つか2つが一般的で、3つ以上あるとかなりレアとのこと。全属性となると伝説級になってしまうため、俺が全属性に適正があることはスズカ以外に誰にも伝えていない。魔力の泉の影響だろうか、2人とも自然気力適正はとても高いようだ。スズカは感覚で気力を発動しているため、天然モノと思われるが、俺には転移前の知識もあるし、自然現象の仕組みを理解してイメージをすると意外と簡単に発動でき、ひたすら訓練を続けたおかげか、威力も自在に調整出来るようになった。そのうち属性違いの気力を合成することもできるのではないかと妄想を膨らませている。
各属性の火・土・水・風については、自然のイメージそのままやり方次第で何でも応用が効く。個人的には風が一番楽しい。身体に纏わせて調整すれば移動も楽だし、頑張ればいつか空も飛べる気がする。光と闇は特殊で、光は癒やし系統の気力、闇はなんだか使い方がよくわからない。周囲を薄暗くしたり負荷をかけたりは出来たが、扱いに慣れていないからかいまいちイメージが沸かない為か実用的な使い方がわからないからだ。爺さんに聞くと、光と闇の気力は元々使える人も滅多におらず、主に光は妖精族、闇は魔族が得意らしい。いつか魔族にあったら使い方を聞いてみよう。
気力の発動方法は、イメージして練り上げて広げるという感覚なので魔法によくある詠唱は無い。こういうのは呪文とか詠唱とかある方がそれっぽいのにな。自然の力を利用してということは、精霊のようなものでもいるのだろうか。精霊に語りかけるのであれば、言霊という言葉もあるし、詠唱呪文を作って試してみるのも効果がありそうだな。もしかしたら昔話や伝記に出てくるような規模の気力は、そういう方法だったりしてね。




