第五十八話
部屋に戻ったがスズカはいなかった。腹も減ってるし、すぐに家の裏に向かったのだろう。俺もすぐに行きたいところだが明日すぐに出られるように荷物をまとめる。最終チェックだ。準備せずに寝坊したらどんな仕打ちが待っているか恐ろしくてたまったもんじゃないからな。
あれ?そういえば氣聖石のネックレスは完成したんだろうか。本人に直接渡したのかもな。忘れて出発なんてことにはならないよう、念の為後で確認しておくか。さすがに無いと思うけど。
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ヨシ!準備もできたしそろそろ行くかな。
部屋を出て会場となっている家の裏に行ってみるとすでに全員揃っていた。
「おそーい!すぐ来てっていったでしょう。」
早速リシュに怒られた。
「ごめん、荷物の最終チェックしてたら少し時間がかかった。」
「まだ準備してなかったことに驚きよ。明日から一緒に旅するんだからしっかりしてよね。」
「ああ。すまん。」
「そのくらいにしてあげて乾杯しましょう。」
リシュはまだムスッとしているようだ。
リズさんからグラス受け取るとジンの方に目線を送って促した。
「よし、全員揃ったな!今日はヴィクトとリシュの新しい門出を祝って盛大に送り出したいと思う!」
「ちがーう!カナとスズカちゃんも一緒にいくから!」
リシュが顔を真っ赤にして否定している。
「おっとすまん。そうだったそうだった。」
「こほん。では改めて4人の旅の無事を願って、乾杯!」
「「「「かんぱーい!!」」」」
カチンカチンとグラスがぶつかり合う。一気に酒を飲み干す者、食事を取り分けに走る者、語らう者など様々だ。乾杯後の行動って観察してるとちょっと面白い。
「みなさーん、お食事もお酒もたくさんありますから存分に召し上がってくださいね。」
「はーい」
スズカやカナは早速御馳走にがっついている。たくさんあるとリズさんは言っていたがこの2人の勢いだとすぐに無くなりそうだ。俺も腹ペコだしまずは食事を取りに行こうかなと思ったその時、サラダや肉など綺麗に取り分けられた皿がスッと差し出された。




