第五十六話
『キンッ』
刃先と刃先がぶつかり合う。というかスズカの動き前より速くないか…?
「お兄。遅い。」
「ちょっ!まずは軽く頼む!」
「やだ。早く感覚取り戻して。」
「スパルタだな…。」
「怠けていた罰。」
一瞬で距離を詰められスッと懐に入られる。槍の間合いを簡単に抜けてきてナイフが首元に向けられる。まずい。
『ドカッ』
「ウプッ」
スズカの蹴りが腹に入った。これは効くぜ…。
「まだまだこれから。」
トレーニングはその後3時間ほどぶっ通し続いた。スズカ加減しなさすぎだろ…何度殺されかけたか。でもそのおかげで終盤にはかなり感覚を取り戻すことができた。
「ふぅ。」
「終わり?」
「ああ。流石にそろそろ戻ろう。宴会があるしな。」
「まともに動けるようになって良かった。」
「少しは加減してくれよ。」
「加減してなきゃお兄何度も死んでる。」
「確かに…。」
氣力を使って水を出し、濡らした布でサッと身体を綺麗にした。
「スズカも拭くか?」
「ん。拭いて。」
おもむろに服を脱ぎだし、いつの間にか全裸になったスズカがそこにいた。
「馬鹿。外で全裸になるやつがあるか。」
「周りに誰もいないし大丈夫。」
「全く…ほら、自分で拭け。」
水で濡らした布をスズカに渡す。
「えー…じゃあ背中拭いて。」
「わかったよ。」
相変わらず白くて綺麗な肌だ。そんなに筋肉がついているようには見えないのに、あの俊敏さや身体能力はどこからきてるんだろう…動物の為せる技なのか。
「よし、終わったぞ。」
「ありがと。」
「さて戻るとするか。いい感じに腹も減ってきた。」
「お腹ペコペコ。」
「今日は御馳走だろうからたらふく食ってガンガン飲むぞー!」
「ダメ。程々にしないとリシュに怒られる。」
「う、そうだった。」
「ん。それがいい。」




