第五十二話
すっかりあたりは夕暮れになったので解散し、ジンの家に戻ってきた。
「ただいまー。」
「あら、おかえり。丸一日かかったんだね。」
リシュがちょうど出かけるのか入り口にいたようでばったりと会ってしまった。
「あ、あぁ。必要なものも揃ったぞ。」
「安く買えた?」
「うん。」
「そう。良かったわね。」
なんだか素っ気ない態度な気がしなくもない。気にしすぎか?でもあまり気にしすぎるとかえって怪しまれるだろうし。そもそも怪しまれることなんてしてないから堂々としていれば良いんだ。
「どこか出かけるのか?」
「うん。今日は一度帰ろうと思って。旅立つ準備しなくちゃでしょ?荷物の整理とかあるから。」
「了解。いつ戻ってくる予定?荷物持ちとか必要なら手伝うよ。」
「うーん、大丈夫。そんなに荷物もないからさっと片付けと掃除して挨拶してら出てこよっかな。明日の夕方にはこっちくるよ。」
「そっか、了解。今日の夜にでもみんなに話しておこうと思ってたんだけど、良い?」
「良いよ。任せる。話した次の日にすぐ出ていくのも薄情な感じするしね。」
「だね。明日の夜は送別会っぽくなりそう。」
「たしかに。程々にしておかないと初日から辛いわよ。」
「気をつけます。」
「じゃあ私そろそろ行くね。」
「行ってらっしゃい。」
そういえばカナの姿がなかったけど、先に行っているんだろうか。あいつもなかなか神出鬼没だ。猫の姿になってる時もあるし、猫だけに気まぐれなんだろうな。さて、俺も部屋に戻って旅の支度をすすめるとするか。あ、スズカにまだ出立のこと言ってなかったっけ。そんなに準備する荷物もないと思うけど、一応言っておかなくちゃ。串焼きの食べ納めとかしてきそうだし。明日一日はどうするかな…お世話になった人たちに軽く挨拶しておくか。…ん?なにか大事なことを忘れているような気がするが何だろう。




