第五十一話
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目的のものは揃えたし、そろそろお昼時間か。
「なぁ、そろそろお腹空かないか?」
「うん!同じこと考えてた。あそこのお店とっても美味しいんだよ。」
「じゃあその店に行こう。」
「もちろんヴィクトのおごりだよね?ね?」
「ああ。買い物に付き合ってもらってるしな。」
「やったー!いつもは食べられないアレ頼もうっと。」
「好きなもの頼んでいいよ。」
「いらっしゃいませー!2名様ですね。こちらの席へどうぞ。」
ん…こ、これはカップルシート席じゃないか。小洒落た店だと思ってたけどこういうのもあるのか。
「ここのお店はねー…カップルじゃないと座れない席があったり、限定メニューがあるんだ。一回食べてみたかったんだ。」
「そ、そうか。でもリリカくらい可愛かったら一緒に行きたがる男は多いんじゃないのか?」
「うーん…言うほど寄ってくる男はそんなにいないかなぁ。それにそういう人は苦手かな。ぐいぐい来られるよりこっちからいきたい派だから。」
「たしかにリリカはそういう性格っぽいな。」
「そっ。ね、注文選んでも良い?」
「全部おまかせするよ。」
「んじゃこれとこれと…。」
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しばらくすると料理が運ばれてきた。が、どれも1人前のようにも見える。
「これは?」
「んーっとこれはね…はい、あーん。」
『ぱくっ』
「うん、美味い。」
「じゃあ次は私ね。あーん、して?」
「はっ!?」
「ねー、はやくー!」
「お、おう。あーん…。」
『ぱくっ』
「うん、おいし。」
「これはもしかして2人で1つの料理食べる感じ?」
「そ。カップルシートの醍醐味なんだよー。少量で色んな料理たくさん食べられるしお得だよね。」
「これはたしかに来る相手を選ぶな。」
「しかも食後におっきなパフェが無料でついてくるのっ!」
「お、おう…。」
「これは女の子なら一度はこなきゃ損でしょ。女の子同士でも良いなら毎日でもくるんだけどなー。」
「なんでまたこんなにサービスが良いんだ?」
「ここの店主、カップルの微笑ましい姿を見ることが生き甲斐なんだって。だからカップルメニューとかすごく充実してるの。」
「へぇ…変わった人もいたもんだ。ま、そういうのもありかもな。普通のお店でバカップルアピールされても見るに堪えないし。」
「だよね。ま、でもしばらくはいいかな。ヴィクトと来られたし、当分来ることはなさそう。」
「うん?ジンでも誘ってきたら?」
「ばか。既婚者でしょ。それにヴィクトだから来たかったのっ!鈍感。」
「う、ごめん。」
「でも勘違いしないでね?もうすぐ旅立つ感じだし、思い出に良いかなって。あ、ここに今日来たことはみんなに内緒でね。」
「おう、俺もそのほうが助かる。リシュとかスズカに知られたら後が怖いし…。」
「そうだね。というかそのあたりは自覚あるんだ?ずるいなぁー。」
「うん?」
「知らなーい。ヴィクトのばーか。」
食後に出てきたサービスのパフェとやらもとても美味しかった。変わった趣旨の店だけど、味も美味しいなら興味本位で来たがる人も多いだろう。というか普通のお店としてやった方が流行りそうな気がする。逆にこういう方が知名度が上がって流行るのか?よくわからん。
今日はリリカと買い物をしたりオススメのお店でご飯を食べたりして一日を過ごした。買い物は良いものが思った以上に安く買えたし、やっぱ地元民同伴のお店巡りはオススメとおまけ割引がお得でいいな。旅先でも1人で回るより、現地の知り合い作って回ると観光するところとか食べるところも全然違うもんなぁ。というか今日一日まんまデートだったなこれ。




