第五話
この世界に来て10日ほど経った。最初は戸惑っていたがようやく環境に順応し始めてきた。元の世界で旅していた時にも感じたが、普段しない早寝早起きもキャンプ生活をすると身体が勝手に日の出とともに起き、その分夜は暗くなると自然と眠くなって寝るようになる。人は大体10日もすればなんとなく慣れてくるものだ。それにテレビやパソコン、スマホに全く触れない生活なんて何十年ぶりだろうけど、こんなにも有意義に過ごせることも実感した。時間を無駄に浪費するっていうのはホントだったんだな。ちなみに今の生活スタイルはこんな感じだ。ただ住まわせてもらうのでは気がひけるため、爺さんの日課を手伝っている。朝は日の出とともに起床、馬を放牧に出し寝藁交換などの掃除や川に水を汲みに行ったり。昼間は薪割りやら畑の世話やら山や川へ食料を採りに行く。夕方になると馬を戻して手入れをしたり家事をしたり。空き時間は合間に結構あるので、辺りの散策や爺さんにいろいろなことを教わった。
爺さんに聞いた話や本で読んだこの世界のことをまとめると、まず種族は[人族、獣族、魔族、妖精族]4種族に分けられる。それぞれ大まかには大陸ごとに領地が分かれており、友好関係や敵対関係もあり価値観の違いや領地をめぐって争いがある。どの世界も同じだな。その中での最高権力者は王ではなく皇帝。寿命については個人差もあるが、人族は200年、獣族が300年、魔族が500年、妖精族についてはよくわかっていない。交流があまりないのだろうか。あと種族間の混血は通常より短命みたいだ。言語もそれぞれあるが、だいたいは人語が通じるとのこと。妖精族は会話をしないそうだ。謎に包まれてますね。
人族は獣族との交流が特に盛んで、友好関係にある。それぞれの得意分野を活かして共同開発した物も多い。人は調理や裁縫などの細かい作業が得意で、獣は鍛冶や木工などの大きいもののざっくりとした加工が得意なのだそうだ。お互いの長所を活かせて良いものが出来てWin-Winな関係だね。
魔族と妖精族はあまり情報がなく、この辺りでは街の方に行っても見かけることはまずないようだ。ちなみに魔族は女しかいないという噂がある。どうやって子孫繁栄しているんだろうか。とても気になる。
また自然の力を利用して火や水を操ることが出来る気力というものがある。誰でも出来るわけではなく、自然の加護を受けていて体内の気が一定量以上あるものが鍛錬をすると出来るようになるとのこと。昔話や伝記には戦いにも使えるような大規模な効果を出せる者が登場人物に出てきたりするが、今はいない。今は長く鍛錬を積んだ者が出力を上昇させ、加工などの技術に応用しておりそういった者は職人と呼ばれている。自然の属性は火・土・水・風・光・闇の6種類。伝記には7個目があるとかないとか書いてあったな。おとぎ話や神話や伝記は創作も多いしどうだろう。北欧神話とか日本書紀とか面白いけど滅茶苦茶な設定多いしね。ここで読んだ神話にも気になるものひとつあり、細かいストーリーは省くが全ての種族は先祖をたどれば必ず3種の神に繋がると書いてあった。なんか聞いたことがあるような、ないような。この世界のことをもっと知りたいな。




