第四十七話
「ん…。」
起きて外を見てみるとほぼ夕暮れだった。1時間ほど寝ようと思っていたのに思いの外長く寝たみたいだ。真っ暗で夜になっているよりは全然良いな。休みの日に二度寝して起きたら暗かった時の損した感というか絶望感は半端ない。丸2日眠り続けて土日が終わったっていう知り合いはどこか身体の異常があるんじゃないかと思う。空腹や尿意で起きそうなものだが。
「さてどうしたものか」
夕飯にはまだ時間が微妙にあるが特にすることもない。何このニートか休日に暇を持て余している感じ。リシュは来なかったみたいだし、特に用事もないのだろう。見に行ったところでしょうがないしな…夕食の準備でも手伝いに行ってみるか。
キッチンに行くとすでに良い匂いがしていた。
「リズさん、なにか手伝いましょうか?」
「あらヴィクトさん。では料理がもうすぐ出来上がりますから盛り付け用のお皿を取っていただけますか?」
「はい、これでいいですか?」
「ありがとうございます。あとは皆さんを呼んできていただけると助かりますわ。」
「承知しました。」
まずは工房でジンとリシュか。スズカはまさかまだあそこで寝ていないだろうな。カナは一体どこにいるんだろう。と考えていたら玄関のドアが開く音がした。見てみるとスズカが帰ってきたらしい。
「おかえり。夕飯時間ピッタリだな。よく眠れたか?」
「うん。カンペキ。あそこはとても気持ち良い。お兄も寝るべき。」
「次はそうさせてもらうよ。もう飯出来るみたいだから行っててくれ。」
「わかった。お兄は?」
「工房に行ってリシュとジンを呼んでくる。」
「ん。」
工房に向かうとジンとリシュは話し込んでいるようだった。
「おーい、ジン、リシュ。夕飯が出来たから一旦切り上げてくれ。」
「おう、もうそんな時間か。」
「あっという間ね。ヴィクトはしっかり寝られたようね。」
「ああ。おかげさまでスッキリした。」
「じゃあご飯が冷めないうちに早く戻りましょうか。」
「そうだな。」
「出来はどうだ?納得のいくものが出来そうか?」
「順調に行っているから心配するな。今日中に試作品は完成するから明日にでも本番に取り掛かるつもりだ。」
「それは心強いな。さすが一流職人。」
「まかしとけ。」
「思った以上に繊細な部分の加工もスムーズに出来てるからホントすごいのよ。」
「それは期待以上のものができそうだな。」
リズさんのところに戻るとすでに食事がテーブルに並べられていた。いつものように皆で歓談し、日常に馴染みつつある賑やかな食卓を堪能した。この食卓ももうすぐ終わりかと思うと寂しいな…。




