第四十六話
工房に戻るとジンは作業に集中している様子だった。リシュの姿が見えないようだがどこへ行ったんだろう。また人探しに出かけるのも面倒くさいし、しばらくここで待ってみるか。
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「あ、いた。どこ行ってたの?」
リシュが戻ってきたようだ。
「スズカのところ。水の氣聖石借りてくるって言ってったんだが。」
「ホントに?話に夢中で全然気づかなかった。」
「やっぱりな。あの雰囲気見るとそんな気がしてた。」
「まあいいわ。それでスズカちゃんは見つかったの?」
「ああ。んでこれ。」
ポケットから水の氣聖石を取り出す。
「綺麗ね…。」
「スズカがネックレスにするなら短めが良いって言ってた。長さは大体これくらいかな。」
「んー、了解。ジンにも伝えとくね。」
「よろしく頼む。作業自体は結構かかりそうなデザインなのか?」
「シンプルなのだからそこまでかからないと思うけど、初めてする装飾だから少し手間取るかもって言ってた。」
「そうか。チェーンにする部分の素材もそれなりのものを使わないと切れたら困るしな。」
「うん。こっちじゃ金属を細く頑丈に作るのが難しいみたいね。ネックレスは一般的に紐とか編んだりして作るんだって。」
「だろうなぁ。ジンのお手並み拝見といこうか。」
「だね。」
「今は試作品作ってる感じ?」
「そうね。流石にいきなり本番は厳しいからね。」
「試作っていっても結構時間かかりそうだなぁ。」
「どこか行ってもいいわよ。私は出来栄えとかチェックがあるからここにいるけれど。」
「そうだなぁ。俺がいてもすることなさそうだし、要件は済んだから後は任せようかな。」
「最終チェックとか気になることがあったらまた呼ぶからよろしくね。」
「ああ。わかった。」
といっても特にすることもないからブラブラするか部屋に戻って昼寝でもするかな…。寝不足気味で眠いし。
「うーん、多分部屋で寝てると思う。何かあったら部屋に来てくれ。」
「うん、今日はずいぶん眠そうだもんね。了解。」
「じゃあよろしく。」
「はーい。おやすみ。」
部屋に戻って夕方まで寝ることにした。せっかくだからスズカのところで寝たかったけど、疲れたからまた今度にしよう。




