第四十四話
スズカを探しにとりあえず店を出たものの、一体どこにいるんだろう?こういう時に連絡手段…携帯的なものがあったらとても便利だがそんなものはこの世界には存在しない。手紙や伝言、伝書鳩とかああいった原始的なものだろうな。こればっかりは氣力でもどうしようもない気がする。さて思い当たる場所と言えばあそこか。
メイン広場の方にある露店へと向かった。毎度いい匂いが立ち込めている場所だ。この辺りの串焼き屋にいるんじゃないかなと予想してきてみたのだが…見当たらないな。どうやら外れたようだ。念の為店主に聞いてみるか。
「ども」
「いらっしゃい!兄ちゃん1人かい?」
「ああ。1本もらえるかい。」
「毎度!そういえば入れ違いでさっき女の子が1人で来てたぞ。兄ちゃんの連れだったと思うが。」
「やっぱり来てたか。ちょうどそのことを聞きたかったんだ。」
「そうかい。あいよっ!焼きたてでアチアチだから気をつけな。」
「ども。どっちの方に行ったかわかるか?」
「そうだなぁ。両手いっぱいに串持ってあそこの噴水のあたりに座って食べてたと思うが、その後は気づいたらいなくなってたから行き先まではわからんなぁ。」
「そうか。ありがとう。」
「なぁに、良いってことよ!またいつでも食べに来いよ!」
『モグモグ…。』
うん、やはり美味い。肉自体も良いが香辛料が後を引く旨さだ。仕込みの段階で揉み込んでいるのかな…しかしもっと買ってくればよかった。1本じゃ足りないな。さてスズカはどこだろう。
串焼き屋は残念ながら当てが外れたわけでもないか、入れ違いだからな。といっても他にスズカが1人で出歩くとも考えにくいしなぁ。みんなと一緒に行動してたらショッピングとか行きそうだけどするわけないし。好きなものたらふく食って、お腹が一杯になったらすることと言えば動物の本能的にアレだろう。今日は程良く晴れ曇りでそよ風も心地よい。てことは外でお昼寝だな。静かな芝生の上で寝転んだら気持ちよさそうだ。これらから導き出される行き先は…少し遠いけど街外れの牧場方面に行ってみるか。いそうな気がする。




