第四十二話
「お兄。朝。」
寝ていた俺の顔をツンツンつついてきたのはスズカだ。
「起きて。ご飯の時間。」
「あぁ…わかった。すぐ行くから先に行っててくれ。」
「うん。」
明け方に寝たからか頭がボーッとしている。明け方まで飲んで朝帰りで短時間睡眠した時の感覚。記憶の整理が上手く出来ていないそんな感じ。昨日のリシュとの会話は夢オチってことはないよな…。もう一眠りしようか…じゃなくて起きねば!
サッと身支度を整え、顔を洗いリビングに向かう。もうみんな揃っているようだ。俺が最後か。申し訳なかったな。リシュは特に眠そうな感じもなくいつも通りのようだ。こういう時の女性って次の日何事もなかったかのようにケロッとしているよなぁ。謎だ。
「ヴィクトさん、おはようございます。」
「おそーい、寝坊だよー!」
リズさんとリリカだ。
「おはよう。悪い、昨日ちょっと飲みすぎたみたいだ。」
「クスッ。大丈夫?」
リシュがこちらを見て茶化す感じに問いかけてきた。
「っ…あぁ、大丈夫だ。」
「じゃあみんな揃ったことだし、朝食にするか!」
ジンの声掛けでみんな揃っての朝食が始まる。賑やかで爽やかな朝だ。こんな朝食の食卓もあるんだな…。しみじみと感じながら食事が終わり、食後のコーヒーが振る舞われている時にリシュがジンに話しかけた。
「ジン、ちょっといいかしら。」
「どうした?」
「ヴィクトから聞いていると思うけど、アクセサリのデザインの件。」
「あぁ、もしかしてもう出来たのか?」
「そ。後で見てくれるかしら?」
「早いな。わかった。ヴィクトも良いよな?」
「ああ。」
「じゃあこの後工房に来てくれ。」
「わかったわ。」
コーヒーも飲み終わり、みんな各自ばらけてリビングを出ていった。それぞれ自由に過ごすようだ。すでにジンはおらず、一足先に工房へ向かったようだ。




