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第三十五話

 ジンに言われた倉庫に入ってみると、仕事に使っているだろう道具や端材、水晶などの欠片なんかも転がっていた。壁の方にそって見てみると、竿らしきものが数本立て掛けられている。見た感じは思っていたより意外としっかりしているな。長さも2~3mのものから4~5mのものまで揃えられている。今回は渓流に行こうと思うので長めの4mクラスを持っていくか。ふむ、結構柔らかくてよくしなるし粘りもあるな。カーボンとまではいかないけど木材のロッドでもここまでしなる素材があるのか。流石に形状は振出じゃなくて並継だけどよく作られているな。今度木工職人と知り合いになれたら持ち運びに便利な振出竿を作ってもらおう。これも成功したら爆発的に売れるだろうなぁ…。

 それはさておき、糸は…これか?細い絹糸と麻糸と植物の糸あたりか。ここは目立ちにくい絹糸だな。針は骨とか角を削ったものか。さすがに金属は無いのだろうか。お、見慣れない小さめの爪っぽいものがある。かえしも付いてるし釣り針に似てて良さそうな形状だ。魔物の爪だろうか。よし、これにしよう。餌はどうするかな…今からテンカラ作るのも時間がかかるし現地で調達するか。おっと、魚を入れておく籠も持っていこう。こうして釣りセットを確保し、倉庫を後にした。


「ジンー。これ借りてくぞー。」


「あぁ…っておい!その針高えやつだから絶対無くすなよ!ちゃっかり竿も良いの選びやがって。」


「好きなの持っていっていいって言ってたからな。」


「ちなみにその魔針、刺さると追加効果で麻痺が発動するから便利だぞ。たまにだけどな。」


「おお、凄えなそれ。」

 現代でもそういうの作れないのかな。ヒットした瞬間に電気流して気絶させるとか。


「そういう代物だから高いんだよ。」


「なるほど。ありがたく使わさせていただくとする。」


「そのセットってことは山の方に行くんだな。期待してるぞ。」


「ああ、行ってくる。」


「気をつけてな。って心配無いだろうが。」


「そういうのは気持ちの問題だな。見送りの。」


「違いない。行ってきな!」


 夕食のメインディッシュを求めて魚を釣りに街を出て山の方へ向かった。自然豊かだし、上流まで行かなくても結構魚がいそうだな。シンザ爺さんの家の近くにはヤマメとかマス系の似た魚がいたし、この辺にもきっといるだろう。あ、塩持ってくれば良かった。釣ってその場で焼いて食うのも醍醐味だったのに。まぁ今回は数釣ってすぐ戻るか。こっそり食ったらスズカやカナ辺りにすごく睨まれそうな気がするし、やめておこう。なーんかカナも動物っぽい気がするんだよなぁ。スズカと似た雰囲気というかなんというか。犬?猫?あ、そういえば今度リシュに以前、肩に乗せてた猫はどうしたのか聞いてみようかな。



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