第三十二話
「そ、そんなことない!」
リシュの顔が少し赤く照れているようだ。これはいい感じに手応えありだな。ややにっこりマークといった評価だろうか。個人的に仲を深めたい相手にはまず同調すること、価値観を共有すること、複数人でスポーツとか何かを一緒に経験することが一番手っ取り早い。自分に興味が全く無い趣味でも、何事も経験って感じで付き合いで経験しておくと意外とどこかで役に立ったりするし。ま、個人的にお誘いするのは段階を踏んでからじゃないと成功率がグッと下がるから、そのための布石かな。友好度は徐々に上げましょう。って何の話をしてるんだか。
「あ、そうだ。氣聖石についてちょっと聞きたかったんだけど」
「なに?」
「あれって加工しても問題ないのかな?今は紐で縛ってるかポケットに仕舞ってるって感じだろ?どうせなら装飾品にした方が使い勝手もいいし、見た目も綺麗だからどうかなと思って。」
「削ったりしなければ大丈夫だと思うわ。というか削れなさそうな気もするけれど…良いわね!氣聖石自体とても綺麗だし、アクセサリーにすると映えそう。」
「だよな。ジンにデザイン案渡して作ってもらおうか。本職だしな。」
(そのデザインを元に、普通の輝石とか水晶とかで量産して販売すれば売れるかも。)
「あ、じゃあ私デザイン考えたいかな。絵も得意だし。」
リシュが率先してきた。作りたいものとかあるんだろうか。
「じゃあ任せようかな。」
「あ、でも男性目線の意見も取り入れたいからアドバイスお願いね。」
「なんだか本格的だな。わかったよ。」
「作るならやっぱり少しでも良いものを作りたいじゃない?それにヴィクトは良い感性持ってそうだしね。」
「ありがとう。その褒め言葉は素直に受け取っておくよ。」
「う、うん。じゃあデザイン画、いくつか考えてくるね。」
「ああ。ジンには俺からお願いしておくよ。」
「お願いします。」
「まあまあ、見てて仲睦まじいおふたりさんだコト。」
茶化してくるリリカを横目に食事を終え、レストランを後にした。なかなか美味しいところだったし色々な料理があるからまたぜひ来たいお店だ。さすが案内人リリカのオススメのお店といったところか。ジンの店に戻ったらアクセサリーの話をつけておかないと。そういえば連日ジンの家に世話になっているけど、流石にそろそろ居座り過ぎかもな。宿屋を取るなり街を出るなりの算段をつける頃合いか。




