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第三十一話

 街に戻ると、リリカのオススメのレストランへとやってきた。みんなそれぞれ好きなものを注文している。スズカはもちろん肉料理、リシュは前菜とかサラダを少量ずつ綺麗に盛り付けられた小洒落たランチプレートを食べてるな。カフェランチという感じでリシュのイメージ通りだ。うーん、絵になる。カナは魚料理か。スズカとは好みが対象的だ。俺はというと、地元名物料理の香辛料をふんだんに使ったエスニック料理っぽいものを頼んだ。やっぱり旅先はその地元名物料理を食べないと損だからね。その土地に行かないと知ることができないものもたくさんあるし、旅は人生を豊かにするっていうのはあながち間違いでもないと思う。旅先で特別何かしないとダメって訳でも無くて、景色や食べ物、その土地の風習や気候を感じられるだけでも自分の経験になって、感性が変わってくるものだからね。五感でフルに感じるということは大事なことなんです。写真と実物じゃ全然違うのと一緒だね。うん。


「なーに一人で達観したような思いふけったような顔してんの。」


リリカに鋭くツッコまれた。


「いや、ちょっと旅の素晴らしさについて考え込んでた。」


「何それ、意味分かんない。」


「旅楽しいよね!」


リシュが食いついてきた。適合者探しの旅をしてるって言ってたし、結構経験があるのかな。でも見た目からして歳はそんなに俺と変わらないだろうし、ちょっと違和感もある。


「そうだな。じゃあ旅の一番の醍醐味と言ったら?」


「うーん、やっぱり新しい発見があることかしら。知らないことやきれいな景色、その土地の考え方とか色々経験できるじゃない?新しい出会いもあるのも良いよね。一期一会っていうか。」


俺と考え方が似てるな。ん?なんで一期一会なんて別世界の四字熟語を知ってるんだ?


「うんうん。人生が豊かになるよね。…ってイチゴイチエって何?」


「あ、ごめんごめん気にしないで!」


そう言われましても私、気になります。まぁとりあえずいっか。


「そっか。あとはやっぱり食べ物かなー。旅先でケチってご当地モノを堪能しない人は人生損してると思う。あと好き嫌いが激しい人かな。世界観が狭そうって勝手な偏見。」


「それわかる!友達と一緒に旅行ってなったときに、そういう人が一人でもいるとすっごい冷めるしめんどくさいなって思う。絶対表には出さないけどね。女の子同士だと特にそういうのが大変。」


何だ何だ。妙に食いつくし年齢にあんまり相応しくない経験談とか出てきそうな雰囲気の流れだけど。話し方も変わってきたし、普段はこんな感じなのかな。


「うんうん。後は温泉だなぁ。コレは外せないし、むしろメインがそっちだったりする。」


「良いよねぇ。この街の温泉も最高だけど、自然の中にある野天風呂とか良いよね。自然と一体化してるような気分になれるよね。」


野天を知ってるとは上級者…。いや、こっちの世界じゃ源泉が出た場所を整備してわざわざ施設を作っている方が少ないのかも?まだわからないな。


「2人とも盛り上がってるね~。出会って間もないのに気が合うのかにゃ?」


リリカが茶化してくる。ちなみにスズカとカナは料理に夢中で、すでに追加注文を何度かしたようで皿が増えている。


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