第三話
目覚めると知らない天井が目に映る…なんだか視界いつもよりはっきりと見える気がする。周りを見渡すとどこかの家のベッドに寝かされているようだ。家具や調度品を見る限り今時の家という感じではなくやけに古い感じがする。
「ここは一体…たしか泉で渦に飲み込まれて溺れたはずじゃ。」
ベッドから起き上がろうとすると身体に違和感を覚える。
「身体が小さい?いや、むしろこれは…子供か?」
立ち上がってさらに実感する。確実に身体が中学生?小学生?な12~3歳くらいになっている。わけがわからず四苦八苦していると隣の部屋から老人の声がした。
「ぼうず、ようやく目覚めたか。」
言葉は聞き取れたので会話をしてみる。
「は、はい。ここは一体どこで何がどうなっているのでしょうか?」
どうやら言葉は通じるようだ。
「儂にもよくわからんが、お前たちは湖の畔で倒れておったんじゃ。そのまま儂が連れて帰り3日ほど眠ったままだったな。腹が減っておるじゃろう、まずは飯を食え。」
そう話した老人はパンと野菜スープを準備してくれたので、断るわけにもいかないため食事をし、一息ついた。栄養を補給したことで頭が働くようになってきたので、状況整理を試みる。
「ん?お前たちとさっきおっしゃいましたよね?」
老人は食器を片付けながらこちらを見る。
「おう、他にもう1人おったぞ。ぼうずと同じくらいの女の子が。」
もう一度頭の中を整理する。あの状況下で一緒にいたのは狐だ。もしかして狐が化けている?いや、俺が子供になっているくらいだから同じく人間の子供になったのか?どちらにせよ現実的ではないが、この食事の味といい暖炉の暖かさといい、夢ではないようだ。となると時空移動、異世界転生、ゲームの中…。まるでおとぎ話のようだな。身体にあったホクロの位置や傷の跡もそのままだし、記憶がある状態で身体だけが子供に若返ったということは転生ではなく、逆浦島太郎状態?である。状況は把握できてきたが、頭で理解が追いついてこない。
「はぁ…。」と生返事をする。
状況はわかったがこれからどうする。出てきたと思われる泉を潜って万が一に元いた世界に戻る事が出来たとしてもあの泉は完全に洞穴が塞がれていてまず生きて帰ることは不可能だ。ナシだな。ということはこの世界で第二の人生を始めるしかないのか…でもよく考えてみたらリセットではなく知識経験がある状態からならむしろ良いのでは。これまでに培った経験を糧に新たな技術を身につければ順風満帆な人生を送るチャンスじゃないか。そう結論が出た途端、楽しくなってきた。よし、まずは一緒に来たと思われる狐を探すか。
「いまその子はどこにいるのですか?」
と老人に問いかける。
「あの子は割と早く目が覚めておって少し話したのじゃが、一時的なものだと思うが記憶が殆どないらしい。今はその辺を散策しておるはずじゃ。この辺は危なくないし、散歩がてら探してみい。」
「ありがとうございます。探してきます。」
危険はない?ということは熊とかイノシシとかの類が出る場所もあるのかな。一応用心しておこう。




