第二十八話
「ん。」
リシュはスズカの方をじーっとみつめた後、目を瞑りながら何やらボソボソと呟いている。しばらくするとスズカの胸元から水色の淡い光が輝き出した。おそらく水の氣聖石が光っているんだろうけどなんで反応しているんだ?
「やっぱり。スズカさん、あなた水の適合者なのね?」
「よくわからないけど多分そう。」
「よくわからないって…でもその石が何よりの証拠よ。」
「実は…。」
リシュが何か知っていそうだったので、俺はスズカが水の氣聖石を手に入れた事の顛末をリシュに説明した。もちろん裸だったことなどの余計な情報は省いて。
「なるほどね…カナ、ちょっときて。」
カナがこちらに近づいてきた。先程と同じくリシュが目を瞑りながら何か呟くとカナの胸元が黄色っぽく輝き出した。
「あ!」
「この子は土の適合者。とある洞窟を探検していた時に手に入れたの。私達は各属性の氣聖石の適合者を探す旅をしてて、あなたが念願の2人目よ。スズカさん。」
「ちょっと待ってくれ。一体氣聖石の適合者ってなんなんだ?各属性って何種類あるんだ?」
「あなた何も知らないのね。でも丁度良い機会だから覚えておくといいわ。この自然界には火・土・水・風・氷・雷・光・闇の属性があって、各々に氣聖石が存在する。それはある特殊な条件で自然の力、精霊とでも言えばいいかしら。その精霊に認められた者のみに氣聖石は与えられ、氣聖石を与えられたものが適合者。ちなみに氣聖石自体を他の人に譲渡しても何の効果も無いわ。」
「その認められた適合者は何が出来る?何か使命でもあるのか?」
「その属性の氣力が桁外れに強力になる。容量も氣聖石の力で補填されるから大きくなるかな。使命とかそういうのはちょっとわかんないかな。でも、おとぎ話というか伝説みたいなのはあるけどね。」
「へぇ。どんなのだ?」
「古い文献で見つけた一文に、『数百年の時を経て数多の精霊に認められし氣聖石の適合者が集う時、異次元より光と闇の適合者が現れ全てを無に返すであろう。』って書いてあったの。ホントかどうかわかんないけどね。」
「なんかおっかないな。良いことが起きるとは思いにくい内容だ。」
「そうだね。でもここに土と水の適合者がすでにいるんだよ。」
「…ということは集まりつつある時代ってことか。」
「うん…。」
「なんか難しそうな話してるけど、あくまでおとぎ話か伝説でしょ?あんまり深く考えなくてもいいんじゃない?」
リリカが明るく脳天気な感じで話した。
「そうだね。リリカのそういうバカっぽいところ好きだよ。」
「あー!バカって言った。リシュったらひどい!」
「あはは!褒めてるんだよっ。」
少し暗い雰囲気になっていたがリリカのおかげで和やかな空気に変わった。こういうムードメーカーはいつの時代も必ず1人はいるけど、いつもすごいと思う。生まれ変わっても俺には到底出来そうにないな。
すっかり最初の緊迫した出会いの雰囲気から打ち解け始めていた頃、いきなり天井からパラパラと小石が落ちてきた。それを見てすぐのことだった。




