第二十三話
温泉を出た後、外にある公園のような広場で女性陣を待っていた。風呂上がりの火照った身体を夜風が冷ましてくれる。なんとも心地良い風だ。虫たちの鳴き声や鳥のさえずりが音色となって聞こえてくる。街中の明かりも少なく、人工的なシャープな明かりが無いため、空を見上げれば満天の星空が見える。北海道のド田舎でキャンプした時を思い出すな。自然の中はやはり良い…と黄昏れていると女性たちの声が聞こえてきた。
「気持ちよかったねー!」
「そうですね。毎日でも来たいものです。」
「うん。気持ちよかった。」
「ていうかあの時混浴の方が騒がしくなってたのは絶対ジン達だって!」
「かもしれませんね。私というものがありながら…。」
なにやら先程の話をしているらしい。
「おい、俺たちは知らないフリしようぜ。」
「あ、ああ。」
「あ、ジン達だ!ごめん、お待たせ!」
「いや、そんなに待ってないし涼んでたから丁度良い。」
「ねーねー。2人とも混浴行ったでしょ?」
「ん?行ってないけどどうした?」
「えー!怪しいなぁ。途中から混浴にいた人たちが騒がしくなってね。かっこいい人達でも入ってきたみたいなそんな感じ?すごくきゃっきゃしてたよ。」
「いやー、気づかなかったなぁ。」
「嘘だぁ。露天にいたら絶対聞こえるでしょ。こっちでも丸聞こえだったのに。」
「そ、そういわれてみれば少し煩かったかもな。なぁジン。」
「あぁ、そうだな。」
「ふーん。ま、別に良いけど程々にね。本気で狙われるとこわいよー…。色々とね。」
「覚えておくよ。ところで明日はいつ頃の出発予定なんだ?」
「あ、話題そらされた!んーとね、ちょっと早めの時間に出ようかな。久々に馬に乗るんでしょ?乗り慣れた子じゃないし、少しは慣らしたほうが良いかなと思ってさ。」
「そうだな。助かるよ。」
「乗馬用に大人しくなっているとはいえ、こっちの子はクセ強い子多いから気をつけてね!」
「あぁ、わかった。」
最後まで女性陣の疑惑の眼差しを受けながら、なんとか話題をそらすことに成功した。今後はしばらく混浴を控えることにしよう。こっちの世界では邪な気持ちで気軽に行くと痛い目にあいそうなそんな気がする。ま、今回は社会勉強と目の保養ということでごちそうさまでした。




