第十九話
「大聖堂前に到着!ここの広場には噴水もあってきれいでしょ?」
「だな。正直ここまで大きい聖堂だと思っていなかった。中世ヨーロッパのような建築様式だな…。」
「中世…?何かわからないけど古くからあるのにこの技術はすごいよね。今の技術じゃ一から建てるのは無理なんだって。気力が使われていて補修も必要ないみたいだし、不思議な建物なんだよ。生きてたりして。」
「気力を応用した人工物で自動修復…たしかに生き物みたいだな。動いたりするのか?」
「さすがに動かないかなぁ。破損したところも気づいたら綺麗に元の状態に戻ってるみたい。」
「じゃあずっと誰かが眺めてたら直んないかもな。」
「かもね。やってみる?」
「気の長い作業は向いてないから辞めとくよ。それにバチが当たりそう。」
「あははっ。そうだね。」
大聖堂の中に入るとロマネスク様式のような造りで、様々なステンドグラスが色とりどりの光が差し込んでいる。なんだか気力もほんのり回復されていくようなそんな感覚がする。ステンドグラスの中央にはとりわけ大きな氣聖石のようなものがはまっており、各属性ごとに分かれているようだ。そこにそれぞれ差し込んでいる光が屈折して、最奥にある馬三柱神の像に光が収束して像自体が七色の光を放っている。天井や壁には馬や自然の風景が色彩豊かな絵で描かれている。
「凄いな…。」
「でしょ?荘厳な雰囲気だけど温かい雰囲気も混じってるから空気がピリッとしすぎてないところが居心地良いよね。」
「そうだな…。」
あまりにも綺麗で居心地もよく、気づいたら小一時間過ぎていた。
「そろそろ行こっか?」
「ああ、他も見ないとな。」
「それじゃあ次は東区を経由して簡単に案内したら中央広場で美味しいもの食べよっか!そろそろお腹空いてるでしょ。」
スズカがピン!と反応した。
「うん、行こ!甘いものも食べたい。」
「よし、腹も減ってきたしそうするか。」
東区の閑静な住宅街と宿屋を簡単に見回った後、一行は中央広場に向かってリリカのオススメ屋台を充分に堪能し、すっかり夕暮れになってきた。
「そろそろジンの家に戻る?今日はベガルタの街を満足できる観光案内出来たかな?」
「ああ、とても有意義な一日だった。明日の遺跡と紹介も頼むな。」
「任されました!」
「ジンの家に戻る前に俺はちょっと各ギルドに寄っていこうかな。いくつか素材を買い取ってもらおうと思って。」
「案内はいる?」
「いや、いい。スズカと一緒に戻っていてくれ。」
「ん。わかった。」
「そっか。また何かあったら言ってね!」
リリカとスズカと別れ、シンザ爺さんのところから持ってきた素材や途中で拾った素材をギルドへ売りに行くことにした。今日は屋台でかなり散財したから少しでも路銀の足しになれば良いんだが…。




