第十八話
「まずはここがメインの中央広場!いつも朝から賑わっていて、新鮮な野菜や果物、お肉に特産の香辛料。なーんでも大抵のものはここで揃うよ。屋台もあるからちょっと小腹が空いたときとかついつい美味しそうな匂いにつられて買っちゃうんだよね。中でもおっきいお肉をまるごと吊るして香辛料をまぶして焼いたあのお店が美味しいの!もう食べた?」
「ああ、昨日街についてすぐに食べたが旨かった。」
「だよね!あれ好きなんだぁー。他にも美味しいフルーツドリンクとかケーキとか食べられるところもあるんだよ。スズカちゃんは甘いもの好き?」
「お肉も甘いものも好き。」
「じゃああとで行こっか!今日はなに食べよっかな~。」
「おいおい、街の案内を忘れてもらっちゃ困る。」
「ごめんごめん!うん、中央広場はこんな感じです。そうそう、年に1回お祭りがあって、その時は今以上に活気がすごいんだよ!馬のレースも開催して大盛りあがり!」
「何の祭りなんだ?」
「元々は古くから続いている祭りでね、むか~しこの辺りに栄えていた国があって、その国の国立記念日の祭りの名残で今もやってるの。なんで馬のレースをやるのかは、国で馬を神聖な動物として扱ってたみたい。街外れに国の遺跡が今も残っているんだ。壁画とか綺麗に残っていて圧巻だよ。」
「その遺跡は特に興味深いな。ぜひ見に行きたい。」
(そういえば夢で街外れの道具屋って言ってたな…聞いてみるか。)
「あと、その近くに道具屋があったりするか?」
「うん?…あるけどよく知ってるね。あそこは地元の人でもなかなか立ち寄らないし、逆に避けるようなところだよ。」
「ちょっと小耳に挟んで気になっててな。そこも案内してもらうことは出来るか?」
「う~ん。あの人、結構人を選り好みするからなぁ。でもジンの恩人さんだから特別に紹介します!もし断られても気を悪くしないでね。変わった人だから。」
「ああ、ありがとう。」
「じゃああとで行ってみよ!先に他の地区の案内するね。まず西区はジンみたいな職人が集まっている地区で、鍛冶、革細工、裁縫、木工、骨細工、錬金の各職人さん達がいてそれぞれ店を出してるの。ギルドって呼ばれてる。素材を持ち込んで買い取ってもらったり加工してもらうこともできるよ。」
「へぇ…いろいろあるんだな。だから街並みも所々に美術品や細工がしてあったりで綺麗なのか。」
「古くから栄えてる主要都市だからね!この都市の特徴のひとつでもあるんだ。西区はこんなところ。次は東区について案内するね。ここは割と静かな地区で住宅街になっているの。旅人向けの宿屋もこの地区にあるよ。」
「ふむふむ。」
「北区にはおっきな大聖堂があって、神様が祀られているんだ。ここも観光には外せないところだね!」
「ちなみに何が祀られているんだ?」
「んっと、馬の神様だよ。3頭が互いに向かい合って立ち上がってる三柱神の像があるの。」
「そうか。それも見てみたいな。」
「あとで行くからお楽しみにね。んじゃ最後に残った南区だけど、なんとここにはすっごく広い大浴場があります!しかも源泉かけ流し温泉!疲労回復や気力の回復、怪我の治療にもよく効くんだよ。」
「おお!温泉があるのか。それは絶対に行かないと!」
「えぇ…そんなに温泉に食いつくなんて、見た目によらず中身はおじさんですか?」
「そ、そんなことはないよ。気のせい気のせい。ちなみに泉質はどんな感じ?」
「ほら食いついてる…泉質は無色透明で、水自体がとても柔らかくて少しぬるっとしてて身体にまとわりつくような感じですっごく気持ち良いの。温度は少しぬるめだよ。」
「おお…長湯するにはピッタリじゃないか。楽しみだ。」
「基本的に男女別だけど、混浴もあるよ。混浴にはあんまり若い娘は行かないけどね!」
(…ゴクリ)
「そ、そうか。」
「あー!今やらしい目で見たでしょ。」
「痛っ!」
どうやら無言でスズカに手の甲を摘まれたようだ。ムスッとしている。
「…。」
「見てない!見てない!!」
「それはそれでいらっとくるなー。」
「じゃあどうすればいいんだよ…。」
こうして温泉は夜のお楽しみということになり、街外れへはリリカにアポを取ってもらい明日改めて行くことにした。とりあえず今日は一日観光することにして、北区の大聖堂へ向かうことにした。




