第十七話
夜が明け、目が覚めるとスズカに抱きつかれていた。しかもよく見ると裸だ。というかこいつに服を脱ぐ癖なんて無かったような気がするが。しかし、いつの間にやら出るとこは出て育ってきているな…ってこの状況は色々とまずいな。とりあえず引き離してベッドから脱出せねば。と思ったときにドアをノックする音がした。
「お二方、起きてらっしゃいますか?朝食の準備が出来ましたわ。」
(げっ!リズさんだ。これはまずいっ)
「は、はい!今支度していきます!」
「ん…どしたの?お兄。」
スズカは目をこすりながら起き上がる。色々と丸見えだ。
「…ふふ。お待ちしてますね。」
そう言った後、足音が遠ざかっていく。リズさんは行ったようだ。何だ今の含み笑いは。
あ、焦った…。兄妹とはいえこの歳でこの状況は見られたら流石にアウトだ。
「お兄、心音が速いよ。どしたの。」
「気の所為だ。というか服を着ろ!」
「はーい。…別に気にしないのに。」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない。」
湖での一件からこいつの態度が変わったような気がするが一体なんだろう。氣聖石の取得と何か関係があるんだろうか?取り急ぎ支度を済ませ、部屋を出た。
リビングに向かうとパン、サラダ、目玉焼きにスープと立派な朝食が用意されており、久しぶりにまともな朝食を堪能した。
朝食を済ませ、片付けの手伝いをしていたところ入り口の方から女性の声が聞こえた。
「おはよー!」
おっと、誰かきたようだ。しかしとびきり元気の良い通る声だな。リズさんが入り口に向かい対応する。
「あ、リズさんおはよ!ジンに昨日頼まれたんだけど、もう来ちゃった!さすがに早かったかな?」
「おはようリリカちゃん。ちょうど朝食も終わって片付きましたし、大丈夫だと思いますよ。お茶を淹れますからひとまず上がってね。」
「良かった!じゃあお邪魔しますね。ジンー!約束通りきてあげたよー。」
「まったく、相変わらず朝から元気なやつだな。」
「元気が取り柄だからねっ!で、街を案内してほしい人がいるって?」
「ああ、この人達だ。俺の命の恩人だから丁重にご案内してくれな。」
「初めましてリリカです。街のことなら何でも聞いて!よろしくねっ。」
歳は俺と近そうだな。茶髪ボブで背丈はスズカより少し大きいくらいか。器量の良い町娘って感じだな。
「こちらこそよろしく。こっちは妹のスズカだ。」
「ジンの恩人さんとスズカさんだね。街の案内任されましたっ!」
こうして俺たちはリズさんの淹れてくれたお茶を飲みながらリリカとの顔合わせを終え、街の観光に向かった。




