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第十話

身構えながら徐々に近づくと、声が聞こえてきた。


「う…人か?頼む、助けてくれ。助けてくれたら何でもする。」


どうやら敵意は無いようなので、警戒を解き男に近づく。腕と足を怪我をしており、身動きを取ることも難しそうだ。スズカに治癒を任せようと思い視線をスズカにやるとコクリと頷き、気力を集中させ手当てをした。淡く白い光が傷を癒やしていく。


「おぉ…あんた光の気力が使えるのか。初めてみたがすごいもんだな。」


スズカの光の気力によって傷が治り痛みが引いた男は佇まいを直し、頭を下げた。


「あんたらは命の恩人だ!ありがとう。街に戻ったら礼をしたい。俺になにか出来ることがあれば何でも言ってくれ。」


「あぁ、とりあえず無事で良かった。」


「俺はベガルタって街で鍛冶や彫金をやってるジンだ。よろしく頼む。」


「ちょうどよかった。俺達はそこを目指してて、昨日野宿した時にちょうどここの洞窟を見つけて気になったから探索したんだ。あんたはいつからこの洞窟に?」


「だいたい2日前だな。材料を取りに来たが運悪く崩落に巻き込まれてこのザマだ。」


「この洞窟はよく来るのか?人の出入りはあまりなさそうだが。」


「そうだな。俺自身もたまに来るくらいであまりこないし、まずここは人に知られていない、うちに代々伝わる洞窟なんだ。だから人が来ることなんてまずないし、助かるのは無理だろうと諦めかけていたんだ。本当に助かった。ありがとう。洞窟を出たら街まで案内するよ。家にも好きなだけ泊まっていってくれ。」


「そうか。じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらおうか。な、スズカ?」


「うん。お兄がいうならそうする。」


「あんたら兄妹か。スズカちゃんとあんちゃん、よろしくな!」


「ちなみにこの洞窟はどこまで続いているんだ?まだまだ奥がありそうだが。」


「わからん。俺の爺さんがかなり奥まで行ったそうだが、食料や明かりが足りなくなって最深部には辿り着けなかったそうだ。深くなればなるほどレアな鉱石があるという言い伝えはあるが、本当かどうかはわからない。特殊収納や気力が使えないと最深部まで行くのは不可能だろうな。」



「それは興味深い。いずれ装備が整ったらぜひとも挑戦したいものだ。」


「あんたらならやり遂げられるかもな。命の恩人だし、今後も好きに出入りしていいぜ。ただ採取した鉱石や鉱物は俺のところに一旦持ってきてくれ。それだけは頼む。なんなら武器とか装飾品が必要なら俺に作らせてくれ。」


「あぁ、わかった。こちらこそお願いしたい。じゃあ一旦脱出して街に向かおうか。」


「うん。」


「すまないが、お願いできるか。恩に着る。」


 ジンを救出し、洞窟を一旦後にすることにした。


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