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第一話 -第一章-

 仕事と家の往復を繰り返すつまらない日常。結局今の仕事にも飽きてまた3年ほどで辞めてしまった。昔から色んなものに興味を持ち、気になったことはとりあえず何でもやってみる性の為、インドア、アウトドア問わず多趣味となった。仕事もある程度出来るようになったら飽きてくるため長続きせず、転職を繰り返しているため金は無い。が、その分知識と経験は人より豊富だ。転職を繰り返すうちに痛感したことが、中途半端な資格は全く無意味であり、必要なのは実績と技術のみだ。


 ま、何にも特化していない30半ばの器用貧乏はなかなか採用してもらえないのが現実で、転職活動も嫌気が差してきた今日この頃である。そんな日常を続けていては気も滅入ってしまうので、たまにバイクでソロキャンプに行って気晴らしをしている。キャンプと言ってもキャンプ場で受付に金を払って、シャワーだの電源だの炊事棟だのある賑やかな所でやるのは好みではない。そもそもキャンプとは自然の一部となって自然を楽しむもの。なので俺はどちらかというと野宿に近いスタイルだ。

 

 今日は前回のソロツーリング中に見つけた、林道から外れて進んだ山奥にあるひっそりとした湖の畔にキャンプに来ている。湖というよりサイズ的には池に近いが流れもあるので泉といったところだ。周りは木々で生い茂っており泉の奥側は岩山になっていてなんともいいロケーションである。ちなみにこの山は遠い親戚の一家で代々相続されてきた山らしいが、最後の相続者が亡くなり子供がおらず、放置されそうになったところアウトドアをやっているのならどうか?と話が回ってきて俺が相続したばかりだ。


「税金だけかかってメリットの無い山だと思っていたけど当たりかもな…。」


 そう考え事をしながらテント設営も終わり、続いて焚き火の薪を集めようと散策していると、人一人が通れそうな洞穴を見つけた。


「まさか、熊の住処じゃないだろうな…この辺りに足跡もフンもないから大丈夫だとは思うが。」


 そう思いつつも危険因子は調べておかないと済まないタチなので、集めた薪を入り口に積んで置き、恐る恐る中へ。入り口付近は割と狭かったが、少し進むとポッカリと空いた空間があり、上の方から湧き水が流れ出て小さな泉があった。泉の深度はそれなりにありそうで、ライトを当ててみると下が見えそうで見えない。少し横にはくぼみがあり、祠のようなものが見える。その周囲にはなにか描かれているがよく見えない。


「外の泉の源流かな。それにあんなところに祠…か?なんか昔あったのかな」


遺跡とかそういうのあったっけかなどと疑問に思いつつ、とりあえず危険はなさそうなので洞穴をあとにし、テントに戻ることにした。

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