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#7.異世界ニートと魔法の適正

 裕二は程なくして、シャーロンの冒険者ギルドに着いた。冒険者ギルドの中はさすが一国の首都の冒険者ギルドなだけあって、様々な冒険者と思われる人々でとても活気にあふれていた。

 裕二達はまず最初に冒険者としてギルドに登録するために、受付へ向かった。裕二達は受付にいるギルド職員と思われるお姉さんに、


「あの~僕たち冒険者登録をしたいんですけど」

「はい。3名様ですね。それではこちらへご記入をお願いします」


 受付のお姉さんにそう言われ、紙とペンを渡される。裕二達は紙に書かれている指示に従って項目を埋めていった。

 書き終わった裕二達は紙を受付に提出した。すると受付のお姉さんが裕二が1番言って言ってほしくなかったことを言う。


「あの~山野さん。あなたのみ前職を項目する欄が無記入なのですが...」


 裕二はニートなので前職? なにそれおいしいの? という類の人種なのだ。かと言って素直にニートと書くのも嫌だったから、あえて無記入だったのに。

 裕二は受付のお姉さんに少し顔を近づけ小声で言った。


「僕には、前職なんてないんで無記入なんですが...」


 すると受付のお姉さんは慌てて大きな声で言った。


「申しわけございません。山野さんに失礼なことを。ニートだと知らずに」


 ちょっと待って。この人大声で言っちゃいけないこと言ったよね。裕二は急いで受付のお姉さんの口を塞ぐが、どうやら既に手遅れのようだ。周りの裕二への眼差しが変わった気がする。


「まあ、ニートだったからって気にする必要ないんじゃないかしら」

「そ、そうよ。気にする必要ないわ」


 リオとリアが裕二を慰めてくれる。そのとき見ていた他の冒険者達(主に男性冒険者)からの眼差しが嫉妬に変わった。まあこんな美少女を2人も連れていたら嫉妬されるのも納得できる。

 

 ここで問題を起こすのもまずいと考えた僕はハンドガンを取り出し空砲を放った。すると周りにいた冒険者は驚いてその場から散っていった。

 裕二は受付のお姉さんに騒ぎを起こしたことを謝った。


「すいません。騒ぎを起こしちゃって」

「たまにあることですから」


 受付のお姉さんはこう言っているが若干引いているように見えるのは裕二の勘違いだと思いたい。

 裕二達は冒険者の証であるギルドカードが完成するまで近くの席に座っていた。そのときリオが裕二の持っているハンドガンについて聞いてきた。


「気になっていたのだけれど、裕二の持っているその武器はいったいどういうものなのかしら?」

「これはハンドガンっていう武器で詳しい仕組みは長くなるから省くけど銃口と呼ばれる穴から鉄の塊を高速で射出する武器さ」


 裕二はリオに簡単に説明した。そして裕二は逆にリオに気になったことを聞く。


「なんで自分の国の王女様が冒険者に登録しに来ているのにギルドの職員の人達はこんなに普通にしているんだ?普通はもっと驚いたりするものだと思うんだけど」

「なぜならギルドには貴族や王族でも登録ができるから、別に私やリアが登録するのは不思議なことではないのだし、それにこの国の貴族の一部もギルドに登録しているのよ」


 とリオが答える。リオが答えたところで受付のお姉さんから呼び出しがかかる。


「山野さん、リオさん、リアさんギルドカードが出来上がりましたので受付にお越しください」


 裕二達は受付でギルドカードを受け取る。


「ギルドカードは再発行が"主に私達が"とても大変なので絶対なくさないでくださいね」


 と受付のお姉さんに念を押された。受付のお姉さんの目から圧力を感じるのは気のせいだろうか?裕二は魔法の適正を調べてもらわないといけないため受付のお姉さんに頼む。


「僕魔法の適正を調べてもらいたいんですけど...」

「わかりました。それではあちらのドアに入ってお待ちください」


 受付のお姉さんがそう言った視線の先にはいかにもヤバい人が出入りしてそうなドアがあった。裕二がドアを開け中で待っていると、黒い魔女の被ってそうな帽子を被っているがそれ以外が普通に街で歩いている人と特に変わらない服装の中年の女性が奥からでてきた。裕二は正直インチキな魔法使いにしか見えなかった。


「あんたが魔法の適正を調べて欲しいっていう子かい?」

 

 魔法使いのおばさんが聞く。

 裕二は頷く。


「とりあえず手出してみな」


 そういわれ裕二は右手を魔法使いのおばさんに出す。魔法使いのおばさんが裕二の手を握る。すると握った手が光りだした。少しづつ光は強くなり、最後に一瞬部屋いっぱいに眩い光を放った後、光は消えた。

 

 部屋を見回しても特に変化はなく、ただ魔法使いのおばさんが信じられないものをみるような顔をしていた。

 裕二は気になって魔法使いのおばさんに聞く。


「僕は何属性持ちなんですか?」

「...属性持ちよ」


 魔法使いのおばさんがボソッと言う。よく聞こえなかったのでもう一度聞く。


「えっ、すいませんもう一度言ってもらっていいですか?」

「だから! 全属性持ちよ! 信じられないわ! 全属性持ちなんて空想上の存在だといわれてたのに実在するなんて!」


 裕二も目を見開いて驚く。この世界には、火、水、木、土、雷、風、光、闇、無の9属性が存在する。基本的に誰でも1つは属性をもっているらしいが、たまに複数の属性をもつ人もいるらしい。リオは風、雷、光、闇属性を、リアは火、水、木、闇属性を持っているが、4つの属性持ちでもとても珍しいらしいので全属性など空想の存在だったのだろう。


「それでは僕は失礼します」

「ええ。あんたの旅の無事を祈ってるよ」


 魔法使いのおばさんと挨拶を交わし、裕二は部屋を出る。部屋の前でリオとリアが待っていた。リオが裕二が何属性なのか聞いてきたので答えると2人も信じられないといった顔をする。


「裕二、あなたはいったい何者なのかしらね」

「裕二、あんたやっぱりいろいろおかしいわよ」


 リオとリアに言われるが、自分でもかなり驚いている。ただこれが自分の元々の才能なのか、王の力によるものかはわからないがとにかくとんでもないチート性能を持っているらしい。

 

 裕二達はギルドを出て、また宿に戻った。リオは今日中に旅の支度をしたかったらしいが、夜もかなり遅かったのでギルドからすぐに宿に戻った。宿の自分の部屋でベッドに横たわり、今日起こったことを振り返りため息をつく。この世界にきてからドタバタしすぎて体は王の力によって体力が底上げされているため平気だが、精神的にとても疲れている。


 だが嬉しかったこともあった。それは冒険者となったため、ニートではないということだ。元の世界では就職できなかったが、ついにこの世界でだが職につくことができたということだ。

 裕二は暇つぶしにタブレットで元の世界のニュースを見るが、別段自分のいた頃と変わり映えしないニュースばかりだった。

 裕二はyuhou!の質問サイトで、1つ質問を書き込んでみた。


「気づいたら異世界に飛ばされてたんですが、どうすればいいですかね?」


 しばらくするといくつか回答が返ってきた。内容を見てみると、


「いい精神科ご紹介しますよ」

 

 とか、


「頭おかしいんじゃない?」


 などといった回答が返ってきた。

 裕二は天井を見上げながら、


「うん。知ってた」


 と呟きながら、こんな頭のおかしな質問をしたことを深く反省する。

その後裕二はお風呂へ向かった。今回はまたあんな大惨事にならないように時間を確かめてから脱衣所に入る。そしてゆっくりとお湯につかり疲れを癒して部屋で横になる。すると驚くほどのスピードで裕二は眠りに落ちていった。


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