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#6.異世界ニートと大商人

 裕二達は冒険者ギルドに行くためにシャーロンに戻ってきた。

冒険者ギルドに行く途中、シャーロンの入り口で倒れている馬車を発見した。馬車は車輪が壊れている。

 そのそばには、少しぽっちゃりな体型の茶色の髪で少し高そうな服を着たおじさんが護衛と思われる人と何か話しているようだ。どうやらあのぽっちゃりのおじさんが雇い主なのだろう。


「あれは、商人の馬車よね。何かあったのかしら?」


 リオが呟く。裕二も何があったのか気になっていたため、話を聞いてみることにした。


「すみません。何があったんですか?」


 裕二が尋ねる。護衛と思われる人達が剣を構えこちらへ向けてきたが、ぽっちゃりのおじさんがそれを制して剣を納めさせる。


「私はログレオ商会を取り仕切る、ログレオと言うものです」

「僕は山野裕二です。一応旅の者です」


 ログレオと名乗ったその男は事情を僕に話した。


「我々はシャーロンを拠点に活動していて、この馬車の中の商品とともに戻ってきたのだが馬車を引いていた馬が道にあった大きめの石につまずいて馬車ごと倒してしまったのだ。それだけなら馬車を立てればいいのだが、御覧の通り車輪が壊れてしまってね、これでは馬車を立てても動かせんのだよ」


 あれ、これって物質(マテリアル)創造(クリエイター)で直せるんじゃないかなと思いログレオに言った。


「この馬車、僕に任せてもらっていいですか?」


 ログレオは一瞬怪訝な顔をしたが、


「それならよろしく頼む。もし馬車を直せたら礼もはずもう」


 と言った。

 裕二は馬車の壊れた車輪を外し、どういう形の車輪かを確認して、


「物質創造!」


 能力を使用する。すると壊れていない新しい車輪が僕の足元に出現する。

それを馬車に取り付ける。

そして能力強化で強化された裕二の力で馬車を立て直す。


「これで大丈夫なはずです」


 ログレオは驚き半分喜び半分といった顔をして言う。


「まさかこの短時間で馬車を直してしまうとは! その力はいったい?」

「企業秘密ということでお願いします」


 裕二はきっぱり答える。

 この力を不用意に人に漏らすのは得策ではないと思うからだ。


「もちろん無理に聞くつもりもありませんよ。お礼をさせていただきますので、後程我が商会へ足をお運びください。それでは失礼します」


 そういってログレオは馬車に乗り込み街の中へ去っていった。

 するとリオとリアが木の影からでてきた。


「なんで隠れてたの?」


 裕二は2人に聞く。


「一般市民のほとんどは私達の顔を知らないのだけれど、王宮に出入りできるほどの商人は私達の顔を知っているからよ」


 リオが裕二の質問に答える。

どうやらログレオ商会というのは王宮に出入りできるほど有名な商会らしい。

裕二達もシャーロンへ入り冒険者ギルドを後回しにし、ログレオ商会へ向かうことにする。


「あっログレオ商会って街のどこにあるのか聞くの忘れた!!」


 ふと思い出し裕二は慌て始める。

 だが、リオがログレオ商会の場所を知っていたようだ。


「ログレオ商会といえば、この国も最大級の規模の商会よ。王女の私が場所を忘れるはずないわ」


 さすがお姫様だなと僕は思う。

 裕二達はリオの案内に従いログレオ商会に向かう。




 裕二達はログレス商会の前まで来た。

裕二達の前には周囲の建物をはるかに凌駕する大きさの屋敷があった。

さすがこの国最大級の規模の商会の拠点だなと僕は思う。

 裕二達はログレオ商会の扉をくぐり、中へ入る。中にはメイドさんのいる受付があった。


「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」


 裕二はメイドさんに要件を伝える。

「ログレオさんに言われてきたんですけど、山野裕二が来たと伝えてくれればわかるはずです」

「了解しました。少々お待ちください」


 そう言ってメイドさんは奥に入っていった。



 しばらくしてメイドさんが戻ってきた。


「ご案内いたします。私についてきてください」


 そう言ってメイドさんは奥へ歩き出す。

 裕二達はその後に続いて歩き出す。

 歩くと、屋敷のおそらく一番奥にある他の部屋より一際豪華な扉の前にたどり着く。


「この部屋の中で、ログレオ様がお待ちです」

「ありがとう」


 裕二達ははメイドさんに礼を言い部屋の中に入る。部屋の中はとにかく豪華だった。

 あるもののほとんどが僕のいた世界にあるアンティークの家具の中でも最上位のものと遜色ない出来ばえのものに見える。

 そして部屋の中央のソファーにはログレオが座って裕二を待っていた。


「待っていましたぞ。裕二殿、さあそちらへお座りください」

「それでは失礼します」


 裕二はそう言ってソファーへ向かう。裕二が完全に部屋に入った後、続けてリオとリアも入ってきた。


「おや、これは王女殿下。って王女殿下ーー!!」


 ログレオさんは驚いて大きな声で言う。

 まあ確かに驚くだろうなー。裕二1人を招いたのに、そこに自分の国の王女様が来るんだから。


「ログレオさん、お邪魔するわね」

「お邪魔するわ」


 リオとリアがそれぞれ挨拶をする。


「これは、これは王女殿下、今回はどのようなご用件でしょう?」

「私達はそこの裕二の付き添いよ」


 リオが答える。ログレオさんがこちらを見て小首をかしげる。まあ確かに王女を付き添いで連れてくるなんて普通じゃないよな。

 

 だがそれ以上は2人についてログレオさんは聞いてこなかった。おそらくこれ以上は踏み込むべきではないと判断したのではないだろうか。

 そして雄二達はソファーに座る。


「これが今回のお礼で金貨100枚になります」


 そう言ってログレオさんは机の上に重そうな袋を置く。


「えっ!そんなにもらっていいんですか?」

「ええ、もちろん。ぜひ受け取ってくだされ」


 裕二は聞くが、ログレオさんにはそう返される。

 リアからも、


「せっかくなんだし受け取っておきなさいよ。冒険に必要な資金にすればいいんだし」


 と言われたため、ありがたく受け取ることにした。


「それでは、ありがたく受け取らせていただきます」


 その後、ログレオ商会から出ていくときに、


「ログレオ商会をどうぞご贔屓によろしくお願いしますぞ!」


 と宣伝をしてきた。

 まあ何か必要なものを買いたいときに利用させてもらおうと思う。


 そして裕二達はいろいろあって後回しにしていた冒険者ギルドへ向かう。

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