表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/31

#17.異世界ニートと火龍山の火事 その1

 裕二達がガルードの街を出てから既に4日が経った。今日には火龍山(ひりゅうざん)の麓に到着する予定だ。2日目からも相変わらず強力な魔物はいなかったということと、テントもすぐ張れたので野営もスムーズに行えた結果特に問題もなく現在に至っている。そして3日目から現在も彼方に見えている頂が見えない程に高くそびえ立つ山こそが火龍山だ。裕二は最初見たとき「えっ! あれ登るの? 足が死ぬわ!!」とうんざりしていたが、今ではもう諦めがつきいわゆるヤケクソというやつで山に登ることを決心した。





 裕二達が歩いているとようやく火龍山の麓にある村らしきものが見えてきた。だが麓が見えてきたという喜びは村の様子をよく見た瞬間一瞬で吹き飛んだ。村のいたるところで様々な建物が燃えあがっている。


「二人とも急いであの村に向かうわよ!」


 リアが急いで裕二とリアに言う。裕二とリアは返事をして、裕二達は急いで村へと駆け出した。



 裕二達が村へ着くと燃える建物や瓦礫に埋もれる人や当てもなく逃げている人々であふれていた。


「ど、どうなってんの?」


 裕二が驚きの余り呟く。リオとリアも驚いていたが、リオはすぐに裕二とリアに支持を出した。


「裕二とリアは水魔法で火事の被害を抑えて! 私は怪我をしている人達を助けるわ!」

「わかったわ!」


 リアがそう言ってリオとリアが動き始めようとしたとき、


「ちょっと待って!」


 裕二は急いでリオとリアを呼び止める。そして裕二は自分のリュックから魔法の書を取り出す。そして地面に置いて開いてから言った。


「ここに村全部の火事を消火できるような魔法があるかも。」

「そっか! それがあれば私と裕二で村の中を周って火事を抑えなくていいし、消火までできるってことね!」


 リアは笑顔で言った。


「それなら一刻も早くこの村の火事をまとめて消せるような魔法を探しましょ」


 リオはそう言うと裕二の開いた魔法の書を覗き込む。そして裕二も魔法の書を見ようとしたとき裕二はドキッとしてしまった。何故か? それはリオが魔法の書を四つん這いで覗き込んでいるのでリオのゴスロリドレスの胸元に隙間が出来たり出来なかったりでチラチラ見えてしまうのだ。裕二は心の中で「こんな時まで僕は何考えてるんだよ! とりあえず落ち着いて理性を取り戻さないと」と考えていた。そして裕二は深呼吸で気持ちを落ち着かせる。チラリとリアのほうを見るとリアは裕二達のいる場所の周辺の火事を水魔法で抑えているようだ。もしここでリオの胸元を見ていたことがリアにバレてしまったらただじゃ済まなかっただろうなと裕二は安堵のため息をつく。

 そして裕二も改めて魔法の書を覗き込む。水魔法のページには様々な強力そうな水魔法が書かれているが如何にも村を逆に破壊しそうな魔法が多くちょうどいい魔法が中々見つからない。早くしないとと焦り始めたときリオが、


「これね! 裕二見つけたわ!」


 と言って素早く顔を上げる。するとリオの頭が裕二の顎に思い切りヒットする。


「痛った!」

「ごめんなさい! ほら裕二この魔法ならこの村の火事をまとめて消せるわ! 」


 リオにそう言われて裕二はリオが指す魔法を見る。


「よし! これならいける! 時間がないからすぐに魔法を使おう」


 裕二はそう言うと立ち上がり魔法を発動させる。


「水よ! 全てを洗い流せ! 大水流(ウォーターフロウ)!」


 すると、村の上空に村を覆ってしまえる程の巨大な水の塊が出現する。そして裕二の合図によって塊は崩れ大量の水が村に降り注ぐ。この魔法は更に魔法によって洗い流すものを指定できるため火事だけを対象にすることを念じて発動すれば人も地面も濡れないが炎だけは消えるというなんとも都合のいい魔法なのだ。


 裕二達は火事が鎮火しているのを確認し、怪我をしていたり動けない人の救助を始めた。リオから治癒魔法治癒(ヒーリング)を教えてもらい怪我をしている人々を見つけ次第治していった。





 裕二達は人々の救助を終えた。そこでリオから、


「一度この村の人々に何があったのかを聞いておかないといけないわね」


 と、いう話があったので裕二達は村で人が集まっていると思われる村の広場へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ